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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)7月2日(木曜日)弐
通巻第6568号
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コロナ以後、確実にやってくる高金利時代
金価格、8年ぶりに1800ドル(1トロイ・オンス)を突破
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大失業時代となった。
アメリカは失業率14・3%を記録、日本もおそらく実質的な失業率は7%台ではないか。非正規雇用とアルバイトの職が蒸発し、インバウンド業界は寒風吹きすさび、観光地も人出がほとんどない。
コロナがすべてを変えた。
アメリカはトランプ再選に黄信号が灯ったかと思うのも束の間、八月中に雇用状況を改善しなければ、居眠りジョーが大統領になりそう。最悪のケースに備えなければならない。日本でも安倍政権に吹き荒れる逆風。次は親中派首相の誕生となれば、やはり最悪のケースになる。
マーフィの法則に曰く。
「そこに最悪のシナリオがあれば、事態は必ずその方向へぶれる」。
さて日米欧は、恐慌回避、不況克服のためにカネをばらまき始めた。日本はひとりあたり10万円を給付。中小企業には企業活動維持交付金として百万円から二百万円。詐欺も横行している。書類が難しいので偽造書類をつくり、百万円をせしめると、手数料を四割ピンハネする悪徳業者が跋扈しているという。
問題は、日本が120兆円、アメリカが二兆ドル(220兆円)のばらまき、これらは財源のない、架空のカネである。GDP拡大のためには消費拡大、民間の設備投資、貿易黒字に政府支出だが、後者のみが突出し、日本の中央銀行は国債と社債、株式を買う。FRBも同様、日米金利差はほとんどなくなった。
金利が同様にゼロレベルだと、通貨投機は起こりにくくなり、いずれこの裏付けのない資金は償還時期を迎えるが、国債の買い換えに応募する投資家は消えているだろう。
となると高金利時代が再来する。
1981年、レーガン政権発足のおり、米国のプライム・レートは、じつに18%台だった。いったいこのような高金利で、企業活動が出来るのか。訝ったが、赤字国債増発と国防費膨張によって乗り切った。
日本は再生産のための投資はほとんど目立たず、社会保障福利厚生医療費に国家予算の三分の一を注ぎ込み(32兆円 vs 防衛費=5兆円)、国家の根幹であるべき安全保障を閑却している。
財源のない金のばらまきは必然的に通貨価値を下げる。表面だけをみるとドル円ユーロの交換レートが安定的な枠内に収まっている訳だから、通貨価値は下がっていないと誤断しやすい。
金価格が1800ドルを突破している事態は、相対的に通貨価値が下がっているからである。たぶん金は史上空前の1900ドル台に迫るだろう。
投機筋が株式投資を引き揚げて商品投機に本格的な移行をはじめると、金融恐慌に陥落する懼れなきにしも非ずではないだろうか。
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● 金利のサイクルは約60年です。つまり、経済のサイクルを二つ含むのが、金利のサイクルです。
30年間は上がり続けます。勿論上下しながら上がります。そしてその後30年の下降期が
始まります。現在は史上最低の金利の時期ですので、今後は基本的には上がります。
● 勿論景気が回復してから上がります。多分早くても来年以降となります。しかしこれは
先進国の話です。金のない国や後進国は、いつでも金欠病ですから、今でも
高いままですが(高利貸しの世界)、それに加えて来年から上がるでしょう。
● 予測では、2030年まで好景気ですので、徐々に金利が上昇します。ある程度上がると
金を借りての投資が難しくなりますから、金利上昇とともに株式市場の勢いは
弱くなり、そして2030年前後に大暴落が起こります。西欧の最後の宴の終焉です。
● 英米を含む西欧では、革命の中盤期が起こりますから、たとえ不況になっても、金利は
下がりません。政情が不安定となり、かつお金の回収が困難となりますから、
金利は上がり続けます。つまり、不況下の高金利とゴールド高が続くのです。
● これがますます景気を悪くします。スタグフレーションです。不景気なのにインフレと
高金利の世界です。革命の高揚には最高な時期です。英米では、革命勢力と権力側の
衝突が激しく起こり、綱引きが始まります。どちらも引きさがらないからです。
● そして体制が崩壊するまで、金利は天井を知りません。空高く上がり続けます。あえて金利の予測を行えば、
❶ 2030年前後➡ 6~10%
❷ 2035年前後➡ 10~15%~
❸ 2040年前後➡ 13~20%~
● 今回の金のドルでの価格は、2000ドルを突破することはないでしょう。次に来る
二番底で、金の価格はドルで上がりますが、同時にドル安となります。
その後来年から、G7での株価が上がりますから、利子や配当を生まない
● ゴールドはドルでは、ドル高と共に下がり続けます。2030年前後・1000㌦/1オンス前後まで下がるでしょう。
それからが、ゴールドの上昇気流が来ます。つまり、世界大恐慌の始まりとともに2030年から、
天高く金価格が上がり続けます。革命で、金価格は
● 永遠に上がり続けるかのように上昇します。もはや誰も国家の存続を信じなくなるからです。
勿論欧米を中心にして起こる出来事です。日独伊では革命騒ぎは起こりません。
起こるのはUSA/大西洋資本主義諸国のみで革命が起こるのです。
● 西欧文明・西欧農業・西欧医学の終わりの始まりです。東洋の勃興が確実となる時期です。
日・中・インドが東洋の否世界の中心となります。日中韓の本格的対立が始まります。
2045年前後、英米の体制崩壊とともに、金利とゴールドは天高く上がるのです。