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Channel: 歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学
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シーレーンを守れ。現地の住民にも利益を回せ。世界で嫌われる資本主義的収奪。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」

令和元年(2019)12月13日(金曜日)弐
          通巻6305号 
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 パプアニューギニアのブーゲンビル島、住民投票は独立賛成が97%
  やっぱり背後で暗躍したのは中国の覇権野望だった
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 ブーゲンビル島。そう、山本五十六が搭乗した軍機が撃墜され、戦死した島である。
 さきごろ、二週間をかけて行われた「独立か、自治か」の住民投票で97%の住民は「独立」という意思を示した。

 「完全自治」を選択したのは2%、ちなみにブーゲンビル島の有権者は19万人弱。首都ポートモレスビーの政府は焦燥の色を隠せない。

 長く続いた武装闘争は、ブーゲンビル武装勢力とパプアニューギニア政府軍の内戦だったが、犠牲者が二万人を超え、パプアニューギニア政府は英国の戦争請負業に解決を依頼した。
この背後にはオーストラリアとニュージーランドの支援があった。豪もNZも、パプラニューギニアは、自分たちの縄張りと認識しているからだ。
げんに2018年に首都ポートモレスビーで開催されたAPECは、豪が空軍、陸軍を派遣し、警備を分担した。国際会議場はまるまる中国が寄付した。

 ブーゲンビル島に何があるのか。
 埋蔵580億ドルにものぼると推定される鉱山がある。同鉱脈に随生する金、レアメタル。豪のリオテントの子会社が独占的な「採掘権」をもって開発し、操業を続けてきた。

 戦争の原因は資源をめぐる開発権争奪、ハイテク時代に使われるレアメタル需要の激増という背景があり、パプアニューギニア政府は、とつじょ豪から採掘権を取り上げ、国有化計画を提示した。

資源ナショナリズムは、こうした発展途上国ながら資源リッチの国々の指導者がとりやすい政策である。
嘗てのスーダンも、ジンバブエも、ザイール(現コンゴ民主共和国)も、資源を巡る内戦と、その背後にあった大国の思惑と策謀によって武装勢力との内戦が繰り返されてきた。

 中国はブーゲンビル島の政治指導者に「空港、道路整備を援助します」などを「シルクロートプロジェクトの一環」として巧妙に持ちかけていた。鉱山を横合いから掠め取る魂胆がありありとしている。
 豪政府は警戒を強めている。

     ○△□◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□◇◎

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