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TPPと経済のブロック化とその寿命

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http://toyokeizai.net/articles/-/35288

日米トップ会談でTPP交渉はどう動くか
          CSIS上級アドバイザーのスコット・ミラー氏に聞く

ピーター・エニス :東洋経済特約記者(在ニューヨーク)
ピーター・エニス東洋経済特約記者(在ニューヨーク)2014年04月13日 バックナンバー

スコット・ミラー氏は戦略国際問題研究所 (CSIS) の上級アドバイザー。ワシントンに拠点を置く通商政策の専門家の一人として知られている。1997年から2002年にかけてミラー氏は消費財の大手であるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のグローバル貿易政策担当役員を務め、貿易と投資の実務に深く広範囲に関与した。P&Gでは業界団体に働きかけて自由貿易協定を推し進めるのも、ミラー氏の責任範囲の一つであった。また米国通商代表部の貿易政策・交渉に関する諮問委員会のメンバーとして連邦政府への助言も行ってきた。同氏に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の見通し、同交渉に臨む米政府の姿勢などを聞いた。

CSISの上級アドバイザーを務めるスコット・ミラー氏。同氏はオハイオ・ノーザン大学を卒業後、シンシナティ大学デザイン・アーキテクチャー・アート・プランニングの修士号を得ている。ーー4月24日に行われる予定のオバマ大統領と安倍首相との会談により、TPP交渉はどう動くか。2人の間には、TPPのような難題に決着をつけられるだけの信頼関係がないとの見方がある。

こうした交渉には個人的な信頼と善意が欠かせないのは確かだが、それ以上に国益が大切だ。もし安倍首相が日本国内の経済改革に真剣であれば、そしてTPPのような協定がそのための利益になると考えるのであれば、それこそが最終的な交渉締結に向かう大きな力となる。

確かに、これまで締結されてきた自由貿易交渉の多くでは、トップに立つ人の個人的な関係が重要な役割を果たした。米豪自由貿易協定の場合、ジョージ・ブッシュ大統領とジョン・ハワード首相はとても親しかった。

ただしブッシュ大統領とニカラグアのダニエル・オルテガ大統領とはまったく親しくなかったにもかかわらず、ニカラグアはカリブ海協定の一部にあった自由貿易協定に調印している。重要なのは、国益だ。

TPPは単なる自由貿易協定ではない
――あなたはかつて、TPPは単なる貿易協定ではなく、それ以上の意味を持つものだと言っていた。

米国政府がアジア太平洋地域との貿易、さらには政治的、経済的な関係のあり方をどのように捉えているかを端的に示しているのが、TPPだ。

米国はすでアジア太平洋地域にある多くの国々と貿易協定を結んでいる。米国の5大貿易相手国のうち3国までがTPPに関わっている。TPPに参加を表明していない中国も、このトップ5のうちの1国だ。つまりアジア太平洋地域は、米国の貿易にとって極めて重要な位置を占めている。

米国はTPPにより、この地域との自由貿易のルールを設定しようと目指している。これは米国の長期にわたる外交政策の目標であり、古くは1989年発足のアジア太平洋経済協力 (APEC) に遡る。ベイカー前国務長官の時代から米国政府は、「太平洋の真ん中に線を引いて米国や西側半球だけが発展するのを望まない」と公言し、アジア太平洋との協力関係強化を進めてきた経緯がある。

振り返ると、TPPの前身が2005年に初めて締結された時には、環太平洋戦略的経済連携協定という名で、「P4」 と呼ばれる4カ国(ニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、チリ)が参加していた。米国は2008年にこの協定に参加し、今では12カ国に上る。日本 のような経済大国も参加を決めたことで、大きなブロック経済が形作られようとしている。

――オバマ政権は、議会から貿易促進権限 (TPA) の承認を得られていない。この現状でTPPの話し合いを効率的に進められるか。

TPAが与えられていない状態でも、すでにかなり前進している。しかし交渉は非常に難しい段階になってきた。どのような経済協定も、交渉が大詰めを迎えるにつれだんだんと困難さを増す。交渉を進めれば新たな問題が持ち上がり、そこから引き起こされる事態の全体を見通すことはとてもできない。それが政治的緊張にも繋がる。

どの国にも古くから抱えている難しい問題がある。「センシティブな問題」 と呼ばれるもので、2国間協定を結ぶ場合であっても、これがネックとなって最終段階では困難を極める。こうした問題について、交渉者は自国に帰った際、「この貿易協定は厳しい話し合いとなったが、我々は勝利した」 と報告する必要がある。まして12カ国が新たな協定を結ぶとなれば、各国が勝利を報告する難しさは、並大抵のものではない。

交渉担当責任者であるマイケル・フロマン通商代表は議会側との最低限度の妥協点がどこにあるかを知る必要がある。議会がTPPを承認するために、他の参加国から引き出すべき譲歩は何なのかを把握し、貿易交渉を担当する権限を得なければ、ここからの前進は難しい。もし私がフロマンの立場であれば、TPAを持たないうえ、議会との妥協点を持たないままに交渉を進めてTPPの締結をするようなことはしない。後になって、議会に否決されるリスクが大きいからだ。

歴代でもっとも自由貿易協定に熱心
――オバマ大統領はTPP交渉にどのような姿勢で臨んでいるのか。

米国には、フーバー大統領以降、保護主義を掲げる大統領が一人もいない。大統領が自由貿易を支持してきた長い歴史がある。特に、民主党大統領はこれまで自由貿易の促進に成功してきた。ビル・クリントンは自らのエネルギーを北米自由貿易協定 (NAFTA) の防衛に注ぎ込んだし、中国との貿易を正常化した。このクリントンの遺産は、今まで引き継がれている。

オバマ大統領はどうか。私が大統領に近い人たちと話をする限り、大統領は本能的に正しい場所を嗅ぎ当てている。上院議員時代の投票記録を調べると必ずしも自由貿易に拘っていないが、その時にはいろいろな事情があったのだろう。大統領になってからは自由貿易支持を明言しており、それは変わっていない。

現実の問いは、大統領がこの課題をどれだけ重要視し優先準位を上げて取り組むかという点だ。私の見るところ、オバマ大統領は過去のどの大統領よりも自由貿易に強い関心を持ちながら、議会と向き合っている。

その背景には、貿易は米国経済にとって無視をできない比率を占めるようになっていることがある。1974年貿易法の時代には、合衆国の貿易がGDPに占める比率はおよそ10%だった。完全に国内経済の時代だった。1986年貿易法の頃に、貿易がGDPに占める割合はざっと15%に上昇。そして今日はGDPの30%程度が貿易によるものだ。

米国の経済は過去のいずれの時代よりも世界経済と深く関わりあっている。そうした中で議会の議員構成も変わり、貿易に対するムードも変化してきた。現在の議会は自由貿易に極めて前向きだ。2011年だけでも議会は3件の自由貿易協定を順々に承認したが、院内の承認に218票が必要なところ、どれも250以上の票を集めた。10年前は、218票獲得するのはとても難しかった。つまり、今の議会には自由貿易協定を受け入れる姿勢がある。

ーーそれでも、大統領側は対決姿勢で議会に臨んでいる。

そう。ジャケットを脱ぎ捨てて議会側と対決しようとしている。彼がこれまで推し進めてきた政策のために闘おうとしているのだろう。しかし、この闘いは簡単ではない。実力のある政治家がみなそうであるように、オバマ大統領は自派の結束を固めて敵方を分断させることで、自らの政策を進めてきた。しかし貿易協定の場合、状況は逆だ。自由貿易の問題では、議会の民主党側を分断させて共和党側を結束させる結果になっている。


オバマ政権は、2014年11月の中間選挙までの政治戦略を明確にするべきだ。ホワイトハウスと議会民主党としては中間選挙を優先し、選挙前には議論の分かれる問題を避けて通りたい。それは共和党としても同じだ。それでも、選挙前のおおよその戦略を知らせて、大統領が目指していることについて、議会と情報を共有しなければ何も進まなくなってしまう。

――中間選挙を有利に戦うために、オバマ大統領はTPPを効果的に利用するはずだ。

もし私が大統領のスピーチ原稿を書くとすれば、アジア太平洋地域の地理的・戦略的な利害関係の重要性を強調する。オバマ大統領とそのチームは、すでにアジア太平洋におけるいわゆるリバランス(中国の脅威に対抗するための勢力再均衡政策)に向け、軍事面では大きな前進を遂げた。オーストラリアのダーウィンに海兵隊の混成部隊を派遣することになったのは、その重要な成果だ。

ただし、重要なのは軍事的なリバランスだけではない。 経済的のリバランスも重要で、「TPPこそがアジア太平洋地域におけるリバランスをもたらすものだ」と説明すればいい。

――大詰めを迎える中でTPP交渉における大きな争点は?

参加各国はそれぞれにセンシティブな問題を抱えているが、重要なポイントはやはり日本との交渉だろう。日本はずいぶん遅れて交渉に参加した。日本が参加するまでに既に10回以上の会合が持たれている。市場参入の課題の多くについては、すでに話がついているか、少なくとも他のメンバーの間では意見の一致をみた段階で、日本が入ってきた。しかし、日本を軽視するわけにはいかない。TPPに参加する国々は世界のGDPのおよそ40%を占めているということがよく言われるが、そのうちの80%以上が日本と米国。貿易規模も大きく非常に重要な国だ。

これまで日本はほとんど自由貿易協定を結んでこなかった点にも留意する必要がある。TPPに参加する他の国々のほとんどはすでにFTAを締結している。例えばメキシコとカナダは米国の大きな貿易相手国だ。しかし私たちには、すでにNAFTAがある。3国の間には常に新しい課題が出ており、過去に解くことのできなかった難問も残ったままだ。それであっても、NAFTA参加国の間での貿易問題はそれほど多いわけではない。

日本の成長にとってTPPは有意義
ーー日本政府の姿勢をどう評価しているか。

私には、はたして日本政府がこの問題とどれだけ真剣に向き合っているかどうかがよくわからない。しかし、これを推し進めることは、農産物、工業製品、それにサービスの分野で互恵的な市場開放につながるはずだ。

日本が再び成長を取り戻すためには、いくつかの基本的な変化が必要だと思う。1つ目は、労働力としてより多くの人を迎え入れること、そこにはおそらく女性の活用も含まれる。2つ目は、いくつかの主要な産業部門、とりわけ農業分野とサービス業で生産性を向上させることだ。貿易協定はこうした産業分野に生産性の向上をもたらす契機となることは間違いない。

――残された時間はそれほど多くない。

もし私が通商代表であれば、議会には2015年にTPPへ合意するように考慮してほしいと考えるだろう。選挙がある2014年に議会がこの協定を取り上げるのはよくないからだ。つまり、今年でもなければ大統領選挙が行われる2016年でもない。

今後、TPP交渉が完全に空中分解することはありえない。これらの国は複雑にさまざまな協定を結んでおり、崩壊するようなことは考えにくい。そのため成功と失敗を判断するポイントは、協定の中身だ。協定が当初描いていたものから大幅に狭められることも考えられる。最悪の場合を考えると、米韓自由貿易協定(KORUS)のようなレベルになってしまうか、あるいはKORUS以下の協定になるかもしれない。どこまで踏み込んだ話し合いをできるかが、今後数カ月の焦点だ。

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● これから分かる事は、TPPは単なる経済上の問題だけではなく、政治・軍事上の
  ブロック化と言う事に成ります。

● 歴史にそれを求めるとしたら、第二次大戦の前に、経済のブロック化が有りました。
  1929年のUSAの株式市場の大暴落から始まる世界恐慌は悲惨な結果を生みました。
  
  ? 経済のブロック化と対立。持たざる国=植民地を持たない国=資本主義の新興国
    =日独伊と、持てる国=先進資本主義国、英仏オランダ(+米ソ)との対立。

    100年先行して、先に資本主義国となった英仏オランダ等は植民地が
    沢山あり、その植民地を収奪して生き延びを謀ったのです。

  ? USAとソ連は国土が広く資源も豊かだったので、基本的には自国のみの
    閉鎖経済でもやって行けたので、資源のない国の新興資本主義国を
    いじめる事が出来たわけです。

  ? 経済のブロック化は、最終的には政治軍事同盟となり、結果は世界を巻き込む
    第二次大戦を齎しています。

● 第二次大戦は、株式市場の崩壊から10年後の1939年に戦争と言う形で表れています。

● 今回の崩壊は、2008年のリーマンショックが意識に上がりますが、実際は2000年から
  崩壊≒30年サイクルの下降波は始まっています。それが2001年の9:11事件へと
  進んだ訳です。そして、イスラムへの侵攻となったわけです。

● 以前のサイクルと戦争を見ても分かるように、経済的不況は戦争を齎します。
  略100%の確率で戦争を誘発します。現在のウクライナも経済的にはどん底なのです。

● しかし、世界的には日本の円の垂れ流しで、世界が少し潤っている事から、
  大戦への機運は未だ見えません。局地的な戦争や紛争レベルでとどまっています。
  又サイクルもこれを支持しています。

● 基本的には、2000年から先進国の不景気は脱していませんので、USAはNAFTAや
  他国との自由貿易協定と言う名のブロック化を図っています。その最大の仕上げが
  日本を巻き込んだTPPと言う訳です。

● これは経済ブロックと言うだけでなく、経済上、政治上・軍事上のブロックと
  成りますから、ここから将来の世界大戦の敵味方が分かれてくるわけである。

● つまり、日米西欧(≒自由陣営とする)を中心としたブロックと、そうでない領域
  との戦いとなります。敵は当然、政治上の理由でTPPの様な事が出来ない国です。
  又市場と資源を必要とする国で攻撃的な国と言う事に成ります。

● つまり、資源の輸出国は原則として、自由陣営となるでしょう。問題はロシアであるが
  資源国と言う意味では、自由陣営と敵対関係に成るのは得策では有りません。

● しかし、体制の違いで、積極的に自由陣営に成る事はないと思われますから、
  第三国の様な立場に成ります。第二次大戦で、始めは第三者の様に
  振る舞った、米国やソ連に相当するでしょう。

● ロシアやインドは大戦の様子を見ながら、どの陣営につくかの日和見陣営と
  言う事になりそうです。

● 悪の陣営=敵は、資源が欲しく、国民を食べさせるために経済的発展が必要で、且
  攻撃的な武人が主役の国です。勿論中韓北がその主役と言う事に成ります。


★ このTPPは今回の2017年前後に想定できる株式市場の、今回最後の暴落には
  間に合いますから、多分これらの国での結束が固まると言う事でしょう。

★ そして2029年までの繁栄を迎える訳です。その間に中韓北は経済の調整が始まり、
  少なくとも2029年以降までどん底に成ると予想できます。

★ 日本や西欧を憎み、その嘘の歴史で国民を教育してきた国は、当然面白くありません。
  特に武人の国はその体制は当分変わりませんから、資源を求めて周辺国への
  侵略があり得ますし、特に中国は公然とそれを発表しています。

★ つまり、第三次大戦の悪の主役は中国と言う事に成ります。対する正義の防衛陣営は
  日米と言う事に成ります。ロシアをどの陣営に引き込めるかが勝敗の分かれ目とも
  云えます。

★ 今回の最後の暴落は、お金のないUSAでは、積極的に戦争する気は起こらない
  でしょう。国民が許しません。しかし不景気には戦争は必ず伴います。
  どのような形態が有るでしょうか? これはUSAのよく使う手です
  が、相手に先に殴らせれば戦争は可能となります。

★ その第一陣が中国による、台湾解放の名の下での侵略です。台湾を中国の一部と
  しているUSAには本格的に防衛する意志はないでしょうから、この戦いは
  その後の中国の、他国への侵略に勇気を与えると思われます。

★ その後にいくつかの中国の侵略戦争が起こり、第三次大戦へと進むと思われます。
  この戦いで体制が崩壊するのは、先進資本主義国です。2046年に資本主義が
  崩壊して武人の国家となったUSAは他国との自由貿易協定は勿論
  不必要と成ります。

★ 2046年・この時点で、自然にUSAを中心としたTPPは崩壊すると思われます。
  資本主義として生き残った日独を両雄として、世界の貿易の秩序が
  再構築されるのは、その後の事と予想されます。

★ これから30年間、日米はTPPと言う一つ屋根の下で、愛と憎しみが織りなす
   生活が始まると言う事なのでしょう?


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