Quantcast
Channel: 歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7511

論理の飛躍 資本主義こそ生産性の向上と人手不足を招くのです

$
0
0

From 三橋貴明


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2019/04/01



※配信解除は、最下部でできます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


亡国のメガロポリス

From 三橋貴明
【今週のNewsピックアップ】

亡国のメガロポリス(前編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12449677049.html
亡国のメガロポリス(後編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12449909725.html

過去に世界のシーレーンを制し、
交易の中心になることで「覇権国」となった国は
ネーデルラント連邦共和国(オランダ)、
連合王国(イギリス)、そしてアメリカ合衆国の三カ国。

これらの覇権国は、
ランドパワーの覇権国(ロシアなど)に比べると、
必ずしも軍事大国というわけではありませんでした。

現在のアメリカは、
確かに世界最強の軍事大国ですが、
これはむしろレアケースです。

英国の覇権時代、
米英戦争後は両国関係は良好で、
かつモンロー主義により
欧州の戦乱と無縁でいられたアメリカは、

資本、技術、人材という「経済の三要素」を
軍事以外の分野に集中投資。
第二次産業革命を牽引し、生産性を高めていきます。

アメリカの「一人当たり工業化水準」は、
第一次世界大戦前にはイギリスを追い抜きました。

無論、人口はアメリカがイギリスを上回っていました。
アメリカは継続的な生産性向上により、
圧倒的な生産力を手に入れ、
その後の世界で覇権国として君臨したのです。

それでは、なぜ19世紀から20世紀にかけた
アメリカは生産性が向上したのか。
簡単です。人手不足が続いたためです。

アメリカでは、領土拡大や工業の発展の影響で、
移民を受け入れてすら「人手不足」が続きました。

アメリカの賃金水準は、
1800年時点で西ヨーロッパより三割ほど高く、
19世紀を通じ、高いままの状況が続いたのです。

継続する人手不足こそが、
アメリカ人に生産性向上を強要し、
合衆国を覇権国へと押し上げたのです。

カール・マルクスは、唯物論的歴史観、
通称「唯物史観」を唱えました。

マルクスの歴史観と聞くと、
その時点で胡乱に思える人がいるかも知れませんが、
唯物史観自体は実に真っ当な考え方です。

唯物史観とは、
物質(モノ)が歴史を決めるという話です。

ここでいうモノとは、
経済における生産諸力を意味しています。

つまりは、モノやサービスを生産する力
(供給能力)こそが歴史を、
さらには思想をも変えていくという考え方なのです。

無論、生産力「のみ」が
歴史を決めるという話ではありません。

地形、環境、エネルギー供給、非常事態(災害や戦争)、
文化・伝統、そして「人間」など、
多数のパラメータが歴史を動かします。

もっとも、生産性や供給能力が歴史に
「最も大きな影響を与える」という点については、
三橋は確信を持っています
(そういう意味で、三橋の主張は相当に唯物論です)。


そして、生産性の向上のためには
「人手不足」の環境こそが必要なのです。

厳密には、
「人手不足の環境下において、
設備投資、人材投資、公共投資、
技術投資という四つの投資が蓄積される」

結果として、経済の三要素
(資本、労働、技術」が強化され、
生産性が向上していく。
すなわち「経済力」が強化されていくのでございます。

人手不足の環境こそが、
生産性向上と経済力強化のチャンスです。

上記を理解すると、現在の日本において、

「少子高齢化により生産年齢人口が減っている状況で、
東京圏などの都市部に若者が流出する」

日本の地方、極端なまでに
人手不足が深刻化している地方にこそ、
人々が「豊かになる」機会が
埋もれていることが理解できるのです。

今後の日本の経済成長は、
亡国のメガロポリスたる「東京」ではなく、
人手不足がひたすら深刻化していく地方こそが牽引します。
地方経済の時代が来たのです。

というわけで、我が国の諸問題
(低成長、貧困化など)を解決するカギは
「地方」にあるという真実を解説した一冊、
「亡国のメガロポリス」が彩図社から刊行になりました。
https://amzn.to/2U3gLz4

////////////////////////////////////////////////////////////////////

● 人類の社会・国家体制は、3種類あります。戦士戦国時代、
  知恵者賢帝の時代、資本主義・富裕層の時代の3種類です。

● 歴史はこの3つの体制が、270年おきに繰り返してきたのです。
  この中で、資本主義の時代・以前は富裕層の時代と呼ばれる
  時代が最も経済的に恵まれていることは歴史的にみられます。

● 戦士戦国時代は、戦いが本懐の時代です。現代風に言えば軍事的
  政治的な要因が最も重要視されます。言い換えれば強きものが
  自らの独裁を維持するための体制です。

● 従って庶民が自由に経済活動をすることは、基本的に許されません。
  あくまでも独裁を維持する手段が優先されます。知恵者賢帝の時代
  も同様です。社会の秩序を維持するための独裁が優先されます。

● これに対して、庶民が解放されて、自由に動き経済活動が許されて
  いるのが、富裕者・資本家の時代です。基本的にルールを守れば
  経済活動が何よりも優先される時代です。

● どこの国出身であろうと、奴隷であろうと、経済的な成功が最も
  重要視されます。口が達者でもお金に結びつかなければ
  基本的には無視されます。稼ぐことが最も重要です。

● 従って、富裕者・資本家の時代こそが、最も経済活動が活発になり
  人手不足が起こるのです。人手不足が起こるから経済が活発に
  なるのではありません。三橋さんは、観点がずれています。

● 富裕者・資本主義の時代こそが、庶民が最も活発に生きてゆけるのです。
  貴方がどんなに体制や支配者の悪口を言っても逮捕されないのは、
  富裕者・資本家の時代だからこそ出来るのです。

● 他の二つの体制では、簡単に死刑になるのは、世界の現状が示しています。
  その庶民に味方の体制が、やがて終わろうとしているのが、
  USA/大西洋資本主義諸国なのです。歴史の転換点なのです。

● 資本主義というシステムが最も経済的に成功するシステムであり、
  それが人手不足を生んで、世界から移民を引き付けるのです。

● 従って資本主義が後100年余ある日本が、西欧に代わって世界の中心
  となるのも必然なのです。これが歴史の大法則です。
  これを歴史経済波動学と私は呼んでいるのです。
  

Viewing all articles
Browse latest Browse all 7511

Trending Articles