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世界の死亡原因の第3位は「外科手術後の死亡」
提供元:HealthDay News 公開日:2019/03/07
世界中で毎年、外科手術後30日以内に約420万人が死亡しており、この数はHIVや結核、マラリアを原因とする死亡者数を上回ることが、英バーミンガム大学のDmitri Nepogodiev氏らの研究で明らかになった。
世界中の全死亡例の7.7%が術後1カ月以内に発生したもので、世界の死亡原因のうち虚血性心疾患、脳卒中に次ぐ第3位を占めていることが分かった。詳細は「The Lancet」2月2日オンライン版に掲載された。
Lancet世界外科委員会の調べによると、世界中では年間で約3億1300万件の外科手術が実施されているが、世界各国の手術の質についてはほとんど分かっていない。今回の研究では、手術の実施件数と種類、死亡率に関して入手できるデータを用いて分析を行った。Nepogodiev氏は「世界の保健衛生に投じられる資金の多くがマラリアなどの感染性疾患に割り当てられており、外科手術にはほとんど割かれていない」と指摘している。
研究ではさらに、外科手術後の死亡例の約半数が低中所得国で発生していることも明らかになった。同大学NIHR Global Health Research Unit on Global Surgeryの研究グループによると、世界中で48億人が適切なタイミングで安全かつ手ごろな費用で手術を受けられていないことが分かっている。また、低中所得国では、年間1億4300万件の手術がいまだ必要とされると推定されている。
しかし、こうしたアンメットニーズに対応するために外科手術を拡大することは、術後の死亡者数を年間610万人に増やすことにもつながると、Nepogodiev氏らは指摘している。同氏は「術後の死亡を全て避けられるわけではないが、研究や医療スタッフの訓練、医療機関の設備などの改善に、さらに資金を投入すれば多くの死亡が避けられるだろう」と述べている。
さらに、Nepogodiev氏は「何百万人もの人々が術後に死亡するのを防ぐには、多くの人々が外科手術を受けやすくするよう整備していくと同時に、世界各国で、手術の質の向上を目指した取り組みを充実させていく必要がある」と述べている。
[2019年2月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
原著論文はこちら
Nepogodiev D, et al. Lancet. 2019 Feb 2. [Epub ahead of print]
掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)
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● 研修指定病院などと”名誉ある指定を受けるには、ある程度の手術等の
専門的な治療”が必要となります。しかし病院は増え専門医も
増えれば、必然的に患者=手術対象の争奪戦が始まります。
● わかりやすく言えば、不必要な手術をする動機が、医師の中に生まれると
いうことです。いったん作られた組織は、自らの存続のために多大な
努力をするものです。これが生存戦略というものです。
● 特に直接は生存を脅かす手術でない場合で、患者の苦痛がある場合は
手術を利用しようとする動機が生まれやすくなります。
特に運動器疾患の手術に見られます。
● 手術以外でよくする可能性があるが、医師がそのようなことを知らない
場合に起こりやすいといえます。なぜなら外科系の医師は原則として
保存的治療に弱いか、または知らない場合が多いからです。
● 彼の立場から言えば、自分の技能を最大限に生かす方法=手術が最も
好ましいからです。こうして不必要な種々が蔓延することと
なるのです。本来、医師が多い世界は不健全なのです。
世界の死亡原因の第3位は「外科手術後の死亡」
提供元:HealthDay News 公開日:2019/03/07
世界中で毎年、外科手術後30日以内に約420万人が死亡しており、この数はHIVや結核、マラリアを原因とする死亡者数を上回ることが、英バーミンガム大学のDmitri Nepogodiev氏らの研究で明らかになった。
世界中の全死亡例の7.7%が術後1カ月以内に発生したもので、世界の死亡原因のうち虚血性心疾患、脳卒中に次ぐ第3位を占めていることが分かった。詳細は「The Lancet」2月2日オンライン版に掲載された。
Lancet世界外科委員会の調べによると、世界中では年間で約3億1300万件の外科手術が実施されているが、世界各国の手術の質についてはほとんど分かっていない。今回の研究では、手術の実施件数と種類、死亡率に関して入手できるデータを用いて分析を行った。Nepogodiev氏は「世界の保健衛生に投じられる資金の多くがマラリアなどの感染性疾患に割り当てられており、外科手術にはほとんど割かれていない」と指摘している。
研究ではさらに、外科手術後の死亡例の約半数が低中所得国で発生していることも明らかになった。同大学NIHR Global Health Research Unit on Global Surgeryの研究グループによると、世界中で48億人が適切なタイミングで安全かつ手ごろな費用で手術を受けられていないことが分かっている。また、低中所得国では、年間1億4300万件の手術がいまだ必要とされると推定されている。
しかし、こうしたアンメットニーズに対応するために外科手術を拡大することは、術後の死亡者数を年間610万人に増やすことにもつながると、Nepogodiev氏らは指摘している。同氏は「術後の死亡を全て避けられるわけではないが、研究や医療スタッフの訓練、医療機関の設備などの改善に、さらに資金を投入すれば多くの死亡が避けられるだろう」と述べている。
さらに、Nepogodiev氏は「何百万人もの人々が術後に死亡するのを防ぐには、多くの人々が外科手術を受けやすくするよう整備していくと同時に、世界各国で、手術の質の向上を目指した取り組みを充実させていく必要がある」と述べている。
[2019年2月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
原著論文はこちら
Nepogodiev D, et al. Lancet. 2019 Feb 2. [Epub ahead of print]
掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)
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● 研修指定病院などと”名誉ある指定を受けるには、ある程度の手術等の
専門的な治療”が必要となります。しかし病院は増え専門医も
増えれば、必然的に患者=手術対象の争奪戦が始まります。
● わかりやすく言えば、不必要な手術をする動機が、医師の中に生まれると
いうことです。いったん作られた組織は、自らの存続のために多大な
努力をするものです。これが生存戦略というものです。
● 特に直接は生存を脅かす手術でない場合で、患者の苦痛がある場合は
手術を利用しようとする動機が生まれやすくなります。
特に運動器疾患の手術に見られます。
● 手術以外でよくする可能性があるが、医師がそのようなことを知らない
場合に起こりやすいといえます。なぜなら外科系の医師は原則として
保存的治療に弱いか、または知らない場合が多いからです。
● 彼の立場から言えば、自分の技能を最大限に生かす方法=手術が最も
好ましいからです。こうして不必要な種々が蔓延することと
なるのです。本来、医師が多い世界は不健全なのです。