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存在するものは・成長して・最後は滅びる、これは宇宙の法則です。トマ・ピケティさん・資本主義の崩壊を予測してこそ・一人前です。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65362520T21C20A0000000/?n_cid=NMAIL007_20201101_A

「21世紀の資本」の死角 格差の原因、相続より独占
Global Economics Trends 編集委員 前田裕之 2020/11/1 2:00 日本経済新聞 電子版 Global Economics Trends 世界的な関心を集める経済学の最前線の動きやトピックを紹介します。

フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏は著書「21世紀の資本」で、「r(利子や配当などとして分配される資本収益率)>g(経済成長率)」という不等式を示し、格差拡大の原因を解明した。著書では、不等式の正しさを膨大なデータで裏付けている。世界中で反響を呼び、格差問題を考えるには欠かせない著書となっているが、当初から異論もあった。東京大学の福田慎一教授は、格差拡大の要因は別にあると指摘する論文に注目する。この論文によると、相続税の強化といったピケティ氏が提案する処方箋では格差是正にはつながらない可能性がある。

トマ・ピケティ氏は格差問題に一石を投じた

トマ・ピケティ氏は格差問題に一石を投じた

■タイトル 「労働と資本への分配率の低下」(Declining labor and capital shares、2020年)(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jofi.12909)
■著者 シムカ・バーカイ(ロンドン・ビジネススクール)

■論文の要旨

米国経済では、過去30年間(論文の分析は1984年から2014年まで。この期間でなくても議論は成立する)、労働分配率が下落してきたが、これは資本分配率の上昇によるものではない。資本分配率を実質利子率など資本コストに基づいて計算した場合、資本分配率は労働分配率よりむしろ大きく下落した。

論文にはトレンド線を引いた図があり、資本分配率は約34%から約25%に低下している。労働分配率は、トレンド線から逆算すると、約71%から約67.5%に低下している。

その一方、独占利潤から生まれる利潤への分配率が飛躍的に上昇した。論文のトレンド線によると、独占利潤への分配率は、マイナス5%からプラス7.5%に上昇している(最初のマイナスは、誤差の範囲で起きているため、特別な意味はない)。

労働分配率の下落が、労働を節約するような技術進歩など経済の効率化によって生まれたのではなく、独占度の上昇という好ましくない現象によってもたらされた可能性を示唆している。

■用語の定義

○労働分配率 一国で生み出された総付加価値(国内総生産に相当)のうち、労働者の賃金などに分配された金額の割合

○資本分配率 一国で生み出された総付加価値のうち、利子や配当などに分配された金額の割合

○独占利潤への分配率 1-労働分配率-資本分配率

経済学には「正常利潤」という概念があり、企業へ資金を提供した経済主体が利子や配当などで受け取る部分は正常利潤に相当する。論文ではこの考え方に基づき、独占利潤=「一国で生み出された総付加価値」-「賃金など労働への分配」-「利子・配当など資本への分配」と定義している。

○資本収益率 資本を1単位提供したことに対するリターン。ピケティ氏の論文では、独占利潤への分配は考えないため、一国で生み出された総付加価値のうち、労働以外に分配された金額の割合が資本収益率となる。

■論文の手法

労働分配率は、国民所得統計の雇用者報酬に基づいて計算。資本分配率は、米経済分析局の資本ストック(有形固定資本だけでなく無形資産も含む)のデータに資本収益率を掛けて算出した。資本収益率は、実際に企業が資金調達に要した資本1単位当たりのコストで、リスクプレミアムを考慮した実質利子率や新株発行に要したコストなどから計算した。一方、独占利潤は、総付加価値から労働への分配や資本への分配を引いた部分(残差)として計算した。

■論文から何を読み取るか

福田氏によると、伝統的な経済学では、生産要素を労働と資本と考え、近代経済学であってもマルクス経済学であっても総付加価値は、いずれかに分配されると考えてきた。主流派の「新古典派成長モデル」におけるロバート・ソロー米マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授の「成長会計」も、同様の考え方に基づいている。労働分配率が下落すれば資本分配率は上昇する。「21世紀の資本」では格差拡大の原因を、資本収益率が経済成長率を上回ったことに求め、格差の是正には相続税の強化などによる資本分配率の引き下げが必要であると主張した。

バーカイ氏によれば、格差拡大の原因は、従来型の資本家、すなわち資本を金融市場に投資して収益(利子、配当、賃料収入など)をあげる主体(マルクス経済学でいえば不労所得を得る資本家)が大もうけしたからではない。むしろ従来型の資本家は、金利の低下などによって、労働者以上に付加価値の分配を受けられなくなっている。したがって格差の是正には、相続税の強化などによって資本分配率を引き下げるのではなく、独占の弊害を取り除き、独占利潤を減らすことが重要となる。

この結論に説得力があるのは、現在、世界の富の大半を持つといわれるトップ1%の大金持ちのほとんどが、もともと大富豪の家に生まれたわけではないことであると、福田氏は指摘する。ビル・ゲイツ氏、マーク・ザッカーバーグ氏、ジェフ・ベゾス氏らは中流家庭の生まれである。今日の著しい所得格差や富の偏在が生まれた原因は、格差が何代にもわたって続くと考えたピケティ氏の世界とは異なり、一代で巨額な富を築ける経済構造にあるといってよい。現代社会において、総付加価値のうち生産要素(労働と資本)に分配されない部分の重要性を明らかにした画期的な論文といえると、福田氏は高く評価する。

 

◇   ◇

 

参考文献および、福田氏が独占企業の問題を掘り下げて考える材料になるとして挙げた参考論文は以下の通り。

■タイトル 「21世紀の資本」(Capital in the Twenty-First Century、2014年)(https://www.jstor.org/stable/j.ctt6wpqbc)
■著者 トマ・ピケティ(パリ経済学院)

長期でみると、資本から得られる収益率は経済成長率を上回り、富は資本家に集中する。所得格差や貧困が加速し、社会や経済が不安定になる。格差を是正するために累進課税の富裕税を世界全体で導入するよう求めている。

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」は世界的ベストセラーとなった

トマ・ピケティ著「21世紀の資本」は世界的ベストセラーとなった

■タイトル 「非要素所得の源泉とは」(Accounting for factorless income、2018年)(https://www.journals.uchicago.edu/doi/abs/10.1086/700894)
■著者 ルーカス・カラバーバウニズ(米ミネソタ大学)、ブレント・ネイマン(米シカゴ大学)

総付加価値のうち生産要素(労働と資本)に分配されない部分(Factorless Income)が近年増加している原因を考察した研究。バーカイ氏は、「Factorless Income」が上昇したのは、独占利潤から生まれる利潤への分配率が飛躍的に上昇したためだと考えた。

しかし、この論文では、独占度を販売価格などに基づいて計算した場合、近年になって独占度が上昇した証拠は見いだせなかった。

論文では独占度を示す指標として、販売価格と原価の比率である「マークアップ率」という概念を使っている。1960年から2016年まで1.2と安定していたと主張しており、この結果を使えば「企業の販売価格は費用の20%増でほぼ安定していた」といえる。

米グーグル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど近年の大企業は、消費者向けの販売価格という点でみればむしろ安価な商品やサービスを提供する主体である。したがって独占価格という従来型の基準では、独占利潤は検出できないが、これら新興企業は情報や販売網を独占し、経済活動のあり方を大きく支配し始めている。経済学でも、「独占」の考え方を従来とは大きく異なる視点から考え直さなければならない時期がきていると、福田氏は主張する。

また、この論文では、労働分配率は比較的正確に計算できる一方、資本分配率は計算方法によって値が大きく変化すると指摘した。企業価値を向上させるうえで知的財産など無形資産の役割が飛躍的に高まる中で、資本分配率も従来とは異なるアプローチで計算する必要性が増している。その値は計算方法で大きく変動する可能性があることを示した。近年増えている、労働にも資本にも分配されない付加価値の源泉を、様々な観点から議論している。

 

◇   ◇

 

巨大IT(情報技術)企業による独占の弊害が指摘される昨今、「資本家VS.労働者」という伝統的な構図では、格差の実態を十分説明できないのは確かだ。それでは、格差の大きな要因である独占企業を狙い撃ちして特別な税金を課し、再分配に回せるかというと現実には難しい。しかも参考論文にもあるように、巨大IT企業は独占企業として商品やサービスの価格をつり上げているどころか、むしろ安価な商品やサービスを提供して消費者に恩恵をもたらしている側面も強い。巨大IT企業の存在なくしては、世界の多くの人々の生活は成り立たないだろう。

技術革新がもたらす格差も問題になりつつある。ロボットや人工知能(AI)といった技術が発達すると、新技術で労働者が代替される産業や職種では労働者への分配が減り、所得格差がさらに広がるとみられている。イノベーション(革新)によって一国の経済成長率が高まると、かえって所得が減る人も多くなる可能性がある。

巨大IT企業との共存を前提にすると、累進課税を軸とする伝統的な再分配政策では、新時代の格差には対応しきれない。幅広い階層の所得引き上げにつながるような政策が求められる。

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宇 宙 の 法 則

マルクスは、英国資本主義体制第①波スーパーサイクル(≒90年サイクル)

の崩壊過程を分析してその体制の崩壊を予測しました。

 

彼の過ちは、

❶ 体制は90年のスーパーサイクルが3回続くことが読めなかった事。

第②回、第③回のサイクルを繰り返して

資本主義は成熟する事を読めなかった事。

 

❷ 資本主義のみならず、全ての体制は崩壊する事が読めなかった事。

どんな体制でも、全て寿命がある事を歴史は示しています。

 

❸ 資本主義こそ、最も最高な体制である事を理解できなかった事。

それ自体は・最悪な体制だが、

その他の体制よりは最高で優れている事。

 

❹ 資本主義体制の後には、独裁の地獄が待っていることを読めず、

独裁・虐殺の体制を・桃源郷と最悪の誤解をしたこと。

 

❺ 資本主義体制で負け犬が憎しみを募らせてそれが、その次の体制の

独裁・虐殺の原動力であることを読めなかった事。

 

言い換えれば、彼の資本主義を憎む心が、

共産主義の大虐殺を増幅したことを読めなかったのです。

 

❻ 自由と民主主義の人類最高の体制は滅びますが、

滅びるときは、全ての存在は、

巨大な副作用=老醜を伴うものです。

 

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