「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)10月28日(水曜日)弐
通巻第6682号
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(速報)
インド、米国と防衛協同を鮮明に
台湾への武器供与に続く中国封じ込めの実体化
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10月27日、スリランカ訪問に引き続きポンペオ国務長官はエスパー国防長官とともにニューデリーを訪問し、モディ首相と会見した。
その席で、「米印防衛協定」といえる共同声明をだした。電光石火の早業、これは台湾への武器供与に次いでアジアの安全保障体系を画期する外交史上にも重要な出来事である。
インドは米国との関係改善を比較的緩慢に進めてきたのも、武器体系がロシア基軸であり、いきなりF16など米国のジェット戦闘機のシステムに移行できることは不可能とされてきた。
ロシアもまたインドは最大のロシア製武器輸入国であり、インドとは過去七十年に亘って、両国がともに外交的に裨益してきたのだから、この防衛の基軸を乱すような米国の乱入には警戒をしていた。
実際にロシアとインド関係は密接であり、モスクワから印度各地に直行便がある。
「暴君を追い払う」とポンペオ国務長官が鮮明にしたように、米国とインドの共同声明は実質的な防衛協定ともいえ、ラダック地区の中印国境紛争が直接の動機である。主として米国は地図情報を供与するという。
ポンペオ国務長官はインドの有力視『ザ・タイムズ・オブ・インディア』との独占会見において次のように述べた(同紙、10月28日)。
「この戦いは自由と全体主義の戦闘であり、インドはその戦場の一つである。米国はインドと同様に民主主義、自由と主権を尊び、中国共産党の全体主義暴政と闘うインドならびに全世界の自由主義国家と同じ立場を共有するものである。
全体主義中国は、国境を接する国のみならず、一帯一路の関与するすべての国家の安全にとっての脅威であり、インドの国民の安全を守るためにも、米国は最大限の支援を惜しまない」。
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善は急げ。経済封鎖は最高の戦略。 第三次内戦型世界大戦。
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