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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)6月10日(水曜日)
通巻第6529号
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香港の象徴=キャセイパシフィック航空、倒産回避へ
香港政庁が救済。3800億円の増資に応じるが役員は送らない
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コロナ災禍によって一日1000便、世界220の空港と結んでいたキャセイパシフィック航空は、90%以上の旅客減。とくに四月は99%減に襲われ、経営危機に瀕した。乗務員の自宅待機、レイオフ、連鎖で下請けの多くも悲鳴を挙げていた。
そのうえ、香港到着後、二週間の隔離強制は6月18日に解除予定だったが、9月18日まで延期された。つまり九月半ばまで状況は絶望的であるということだ。
外国企業の買収、とくに中国資本の買収説などが囁かれてきたが、香港政庁が出資に応じることが決まり、外国資本への売却説は消えた。キャセイパシフィック航空は、合計5400億円を増資し、香港政庁の3800億円にくわえて、エアチャイナ、カタール航空ほかの株主も増資に応分の協力をするという。
ただし香港政庁は役員を送らない、つまり経営戦略には介入しない姿勢も示している。景気が回復すれば資本を引き上げるオプションをもつことを意味する。
キャセイパシフィック航空に限らず、すでにアリタリアはイタリア政府によって国有化された。シンガポール航空も政府が救援、タイ国際航空は会社更生法申請、豪ファージンは倒産。ほかのエアラインも経営危機をいかに乗り切るか、大型の業界再編も日程にのぼっている。
日本を見れば、国際線はほそぼそと飛んでいるが、貨物便は盛況である。また国内線がロックダウン解除以後、旅客がもどりつつあり、JAL、ANAはともに株価のリバウンドが見られるようになっている。
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