温室ガス減少、過去最大の見込み=
新型コロナ影響もパリ協定達成は困難―英分析
2020/05/04 14:07
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© 時事通信 提供 1日、新型コロナウイルスの影響で閑散としたスペイン西部セビリア近郊の高速道路(EPA時事)
【ロンドン時事】新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞する中、今年の世界の温室効果ガス排出量が過去最大の減少を記録する見込みという。英国に拠点を置く気候変動分析サイト「カーボン・ブリーフ」によると、2020年は前年比5.5%減少する見通しで、年間減少率としては大恐慌や第2次世界大戦などを上回る過去最大となるが、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成はなお困難とみられる。
新型コロナの影響で多くの国で都市封鎖(ロックダウン)が実施され、原油需要が大きく落ち込み、航空需要も急減。さらに1~3月は北米や欧州で暖冬となり、暖房需要も例年より低かったという。
一方、国連環境計画(UNEP)が昨年11月に発表した報告書によれば、パリ協定で定めた産業革命前からの気温上昇を1.5度にとどめる努力目標を達成するには排出量を30年まで毎年7.6%削減し続ける必要があるという。
カーボン・ブリーフは「これほどの排出量の急激な削減を10年間も維持するのは極めて困難」と指摘。さらに排出量と経済活動には密接な相関関係があり、経済活動が再開されれば排出量も再び増加に転じるのは明らかなため、「現在の危機は排出量を一時的に減らすだけかもしれない」と警告した。