「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月16日(木曜日)
通巻6451号
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アジア通貨危機2・0 倒産ラッシュ、債務不履行が急増
コロナ金融恐慌はどこまで深刻な状態になるか
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香港に乗り入れている航空機が99%の休便となった。ほぼ全滅である。
免税天国として買い物客に溢れた香港の繁華街に、外国人観光客が不在、有名ブランド店舗は閉鎖。世界全体の三月だけの損失は航空業界だけで、56億ドルに達した。
香港では到着客に厳重に検査が行われ、体温測定とか、医療検査ばかりか、スマホの消毒検査にくわえて、スマホの中味をチェックし、過去数日間の滞在先を記録する。このため検査能力は一日400人(通常、香港國際空港は一日20万人が利用した)。
「サプライチェーンの寸断は、金融チェーンの寸断である」と香港の金融界が悲鳴を挙げるのも、三月に世界の投資家が香港市場から550億ドルを引き揚げたからだ。
「1997年から98年のアジア通貨危機の再来であり、『アジア通貨危機2・0』だ。そして前回の規模を遙かに超える規模になるだろう」と専門家は見ている。
香港の債権市場で起債するのはおもに中国企業である。三月だけでも倒産が46万社。
中国の債務は対GDP比で1997年は7・8%だった。2019年末に、それが54・3%となっていた。あくまでも表向きの数字で、シャドーバンキングや私募債などを含めると100%は楽にこえていると推定される。
アジア全体の不良債権は6000億ドルになる懼れがあるとS&Pは予測報告を出した(4月6日)。
具体的には4月15日に期限のきたHNA(海航集団)は、償還額1億6300万ドルの支払いが出来ず、電話で債権者会議、支払いの延長を求めた。
中国はオンショア市場で579億ドル、オフショアで349億ドルの起債をおこなっているが、これらの償還期日が向こう12ヶ月にやってくる。
ほかに不動産における天文学的負債が、いずれ不良債権の巨波に化ける。どうやって支払うのか? ウォール街も日本の金融界も身構えている。金融恐慌の到来が近い。
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◎ すぐには世界恐慌にはならない。波動学では、長い第4波トライアングルの
後には、第5波のThrust(短期間で急激に上がる上昇波) が待っている。
つまり、期間は10年前後で短く急激に上がるがそれ程大きな波ではない。
◎ 世界中が恐慌を恐れて、膨大な金融緩和をしているが、その余剰の資金が
行き場を失い、史上最後のバブルをつくり、更に崩壊するという事です。
その兆候は2029年に見られるでしょう。
◎ そして長い長い調整の波、270年の資本主義の波の崩壊であり、810年の
西洋の栄華の波の大崩壊であり、西欧文明の大崩壊の波です。
それまで、どうするかを考えましょう。