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米のコロナ死者数、1万人超 呼吸器や医療人員不足
新型コロナ ヨーロッパ 北米
2020/4/7 2:44 (2020/4/7 6:34更新)
新型コロナ患者の遺体を運ぶ医療スタッフ=ロイター
【ニューヨーク=高橋そら、シリコンバレー=白石武志】新型コロナウイルスによる死者数が6日、全米で1万人を超えた。感染者数は35万人に達した。最多のニューヨーク州では足元で感染者の増加ペースが鈍化し始めたが、人工呼吸器と医療人材は依然、不足している。全米の感染ピークは約1週間後との見方もあり、緊迫した状況が続く。
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米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、米東部時間4日午後5時(日本時間5日午前6時)時点で全米の死者数は1万524人となった。そのうち多くを占めるニューヨーク州では5日、新規感染者数が前日比で減少に転じたが、累計の感染者数は増え続けている。
全世界の感染者数は133万人、死者数は7万人を超えた。米国に次いでスペイン(約13万5千人)、イタリア(約13万3千人)、ドイツ(約10万2千人)で感染者が多くなっている。
ニューヨーク州のクオモ知事は6日、3月下旬に始めた州民の外出制限を4月29日まで延長すると発表した。学校の休校や一部業種を除いた店舗閉鎖を継続する。同氏は記者会見で「国際展示場と海軍船を新型コロナ患者の収容先にし、病院の負担を緩和する」と表明した。海軍船は従来、けがなど新型コロナ以外の患者を入れる予定だったが、方針を転換した。
目先の課題は医療人材と人工呼吸器の確保だ。ニューヨーク市のデブラシオ市長も「4月中にさらに4万5千人の医療従事者が必要だ」と述べた。米ワシントン大の推計データによると、全米でベッドや人工呼吸器の需要がピークを迎えるのは13~15日ごろ。ニューヨーク州は8~10日にもピークを迎え、人工呼吸器は約5700台、必要になる。
同州は現在1台を複数人で使うなどしており「このままの状態を維持することはできない」(クオモ氏)。新型コロナの患者は人工呼吸器の装着日数が11~21日程度と他の病気よりも長く、ピーク時には不足も深刻化するおそれがある。
米国では感染拡大が深刻なニューヨーク州に各州の人工呼吸器を集める取り組みが広がっている。オレゴン州のブラウン知事が4日、州内にある140台をニューヨーク州に送ると表明した。
米西部ワシントン州やカリフォルニア州も同様の取り組みを発表した。州をまたいで人工呼吸器を融通することで、医療活動のボトルネックを取り除く考えだ。