「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月7日(火曜日)弐
通巻6437号
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コロナ以後の世界の航空産業大再編の予兆か
GSV(新興ヴェンチャー)が25億ドルで「マレーシア航空」買収へ
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呪われた航空会社マレーシア航空は、いまも行方不明のMH370便。2014年にウクライナ上空でミサイル攻撃を受け、298名が死亡したMH17便。ウクライナではMH17の真相をめぐる裁判が開始された。
マレーシア航空は保有する旅客機が81機、従業員1万3000名、貨物専用機などを含め、マレーシアのフラッグ・キャリアだが、営業成績が悪く、買収にはKLM,JAL、エアアジアなどが関心を示してきた。
買収を宣言したのはGSV(ゴールドシルク・ヴァンチャー)で主幹事はモルガン・スタンレー証券。すでに欧州の三行が買収資金をだすという内諾を得たそうな(その資金の一部には日本のヴェンチャーキャピタルも参加)。
コロナ災禍で世界の空に航空機が飛んでいない。世界各地の空港には無数の飛行機が駐機して、出番を待っているが、たとえば成田空港をみても、一時間に一便が二便、あとは欠航ランプがともり空港内は閑散としている。
ラウンジも免税店もレストランも客がいない。有名ブランドが並ぶショッピング免税通りはまるで幽霊屋敷、国内線も減便傾向となり、本日「緊急事態宣言」が出されると、新幹線も飛行機も大幅な減便となるだろう。
このマレーシア航空への買収提案は、コロナ以後の世界の航空産業の大再編を見越しての経済行為なのか、ともかく、再編の予兆と捉えて良いのではないか。
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