「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和元年(2019)12月24日(火曜日)弐
通巻6319号
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中国人医学研修生が生体サンプルを米国から盗み出そうとしていた
とんずら寸前にボストン空港でFBIが逮捕。中味は生物化学兵器?
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12月初旬の事件だ。
ボストンのローガン國際空港で、中国人医学研修生ゼン・ザオソン(音訳=鄭蔵城)の荷物検査の結果、怪しい生体サンプル21固を発見され、ただちにFBIが拘束した。
大半が茶色の液体だった。しかも申告されておらず、米国から中国へ運ぼうとしていた。FBIの内偵捜査は、ハイテクの企業やシンクタンク、ラボ、そして病院にも向けられている。
拘束された中国人は29歳。広東省にある孫逸仙大学のエリートとされ、ボストンのベス・イスラエル病院で研修をうけてきた。
帰国に際して「友人から預かった」として、物質(具体的にそれらが何であるかは公表されておらず、病原菌か、新薬研究のための材料か、あるいは生物化学兵器に転用可能なものかは不明である)をスーツケースに隠し持っていた。
FBIは中国人学生、研修生の実態調査に乗り出しており、シリコンバレーばかりか、全米の大学ラボ、企業の研究所などに在籍する中国人のなかでも怪しい人物を特定して内偵を続けているのだ。このため、すでに3700名から四千名と言われる中国人が、急遽、帰国している事実がある。
すべてが表面化したのは2018年12月1日、カナダのバンクーバで乗換のために立ち寄ったファーウェイ副社長兼CFOの孟晩舟の拘束だった。
米国は直ちに身柄の米国移送を要求した。ところが親中派のトルードー首相は優柔不断、中国が直ちに釈放せよとの恐喝にふるえ、いまだに裁判を継続中で、孟晩舟はカナダの豪邸に居座っている。
そして同じ日にサンフランシスコ郊外で、物理学の天才といわれた張首晟スタンフォード教授がなぞの自殺を図った。
張教授は、面妖な財団を設立して、ハイテク開発に卓越した人材を集め、中国へ就労を斡旋する機関の責任者という別の顔があった。
FBIは内偵を続けていたのだ。この自殺は、孟晩舟拘束事件の直後に起こったため、本当に「自殺」だったのかと今も怪訝な声があがっている。
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