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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)11月7日(木曜日)
通巻第6265号
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5Gで後れを取った日米は、次の「6G」に照準を合わせた。
スパコンを超える「量子コンピュータ」開発でも日米が連携へ
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米国の巻き返しは日本と組み、まずは「5G」の次=6Gに照準を合わせる。
拙著でも前から指摘してきたのが、アメリカは5Gで中国に先を越されたと自覚した途端に、「その次」を狙いだした。6Gは絶対に中国にわたさない、と。
6G開発にかんしては 日本も前進している。
2030年ごろに実用化すると予測される次々世代の通信規格「6G」でNTTとソニー、米インテルが連携することになった。当面は光で動作する新原理の半導体開発などで協力し、1回の充電で1年持つスマートフォンの実現、とくにNTTは消費電力が100分の1になる光動作半導体の試作に成功している。
NTTは「IOWN(アイオン)」というネットワーク構想を世界標準とする戦略目標を掲げ、6G開発競争で一方の主導権を握る思惑がある。
というのも5Gの研究開発と実用化に立ち後れたからで、その理由は半導体技術の基本特許を米クアルコムに、基地局ではフィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソンが基幹特許をさきに登録し世界規格を主導したためだった。
スパコンでは中国に追いつかれ、追い抜かれた日米だが、グーグルは世界最高速のスーパーコンピュータが1万年かかる計算問題を「量子コンピュータ」が3分20秒で解くことに成功してたと発表した。
これは画期的な朗報である。「地球から最初に飛び立った宇宙ロケットに匹敵する成果だ」ピチャイCEOの胸を張った。
次世代コンピュータが「量子コンピュータ」となることは早くから言われており、もっとも力点を注ぎ、カネと人材を投入してきたのは、じつは中国だった。
しかし中国が究極の目的とするのは次期軍事技術開発である。
このため量子力学の研究者をスカウトし社会科学院所属の「量子技術研究開発センター」の着工に踏み切っていた。安徽省合肥市に隣接する37ヘクタールもの宏大な敷地に、膨大な予算を投じて、量子コンピュータの開発、ステルス潜水艦の開発などの専門家を集め、いかなる暗号も一秒で解読する研究、ステルス潜水艦は追尾探索をのがれて三ヶ月連続潜行しても、位置の把握ができるなどの次期軍事技術開発に集中するとしてきた。
総工費は760億元(1兆2000億円強)。中国全土ならびに世界各地に散った中国人留学生や技術者の選考に入っていた。
日本の科学技術振興機構(JST)の調べでは米・中両国がすでに量子コンピュータの関連研究に5年間で計1千億円以上を投資する国家戦略を進めちるという。
ところで肝腎の日本は人材不足が深刻である。
局所的技術で世界一であっても、結局基本特許を握られると、二番手に甘んじざるをえなくなる。それが分かっているからこそ、日本はアメリカと連携する戦略に切り替えているわけだ。
□△○み△□△○や△△○ざ◎△□○き□△□
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科学技術開発に膨大な投資をしよう。文系が支配する官僚組織の壊滅を!
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