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水野和夫氏の資本主義の終焉

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http://yukan-news.ameba.jp/20140408-15/

近づきつつある「資本主義の死期」を前に、日本がなすべきこととは?
             2014年04月08日 06時00分 提供:週プレNEWS02

「成長戦略を捨てて、格差の是正を進めなければならない」と指摘する水野和夫氏

大規模な金融緩和でデフレを脱却し、成長戦略へとつなげようというアベノミクス。だが、それは本当に正しい道なのだろうか?

リーマン・ショックを予見するなど、経済の長期予測で定評のある水野和夫氏が『資本主義の終焉と歴史の危機』で突きつけるのは、投資が利潤を生まない時代、すなわち「資本主義の死期」が近づきつつあるという、経済学上の「不都合な真実」だ――。水野氏に聞いた。

―「成長」をすべての前提として成り立つ資本主義そのものが、今や終焉を迎えようとしている……という発想が大胆です。こうした問題意識はいつ頃から持たれていたのですか?

「1997年に日本の長期国債の利回りが2%を割り、その後、ITバブルがあっても、小泉政権時代の景気回復期に突入しても超低金利のままでした。いったい何が起こっているのだろう?と疑問に思っていたとき、17世紀初頭のイタリアでも超低金利現象が起きていたことに気づいたのです。

『金利ゼロ』というのは、端的に言えば投資に対して『利潤』が期待できない、つまり『成長』を前提とした資本主義が危機に瀕しているということ。そんなとき、資本は悪あがきをはじめ、暴走します。16世紀から17世紀の欧州でも資本の側は狡知(こうち)を巡らせ、労働者階級は没落しました。

しかも今回は、『成長』の余地が世界のどこにも残っていないため、資本主義は終焉に向かっているとさえ言えるのです」

―グローバル化が進むなかで、富を吸い上げる対象としての「周辺」を失いつつある資本主義が、今後は国境の外側ではなく、国内に「新しい周辺」、つまり「格差」を生み出そうとしている……という部分が気になりました。それが本当なら、自分は「吸い上げられる」側ではなく、「吸い上げる側」にいたいと思うのが人情ですが。

「どのみち搾取する側は1%、搾取される側は99%ですから、仮にあなたが1%の側に回りたいと思っても、ほぼ不可能でしょう。だとしたら自分たちで今の社会の仕組みを変えていくしかない。幸い日本では辛うじて『ひとり一票』の権利が残っています。99%の自分たちのための社会をどうやってつくるのか?という意識を持って政治に働きかけてゆく以外に方法はないと思います」

―ただ、現実には「アベノミクス」の名の下に大胆な金融緩和が行なわれ、従来どおりの「成長」を前提とした経済政策のもとで景気も回復、一部の大手企業では春闘でベアが復活するなど一見、順調なようにも見えますが……。

「資本主義の死が近づいているなかで、『成長』を前提とした金融緩和を無理やり続けても、バブルの醸成と崩壊が繰り返されるだけでしょう。次はおそらく中国バブルの崩壊だと思いますが、そうやってバブルが崩壊するたびに働く人たちが疲弊し、『中間層』が失われてゆくのです。

最近、雇用の流動化や解雇の自由化がしきりに議論されているのも、次に来るバブル崩壊のツケを、そうした『働く人たち』に払わせるための準備だと思います」

―ゼロ金利で「成長」が期待できないとして、日本はどんな経済政策を取るべきなのでしょう?

「まずは成長戦略を捨てて、格差の是正を進めなければならない。所得税の累進性を高め、富裕層への最高税率は50%に戻せばいい。もちろん、法人税を下げるなどもってのほかで、むしろ上げるべきでしょう。政治の本来の役割というのは『富の再分配』なのだということを、いま一度、思い起こすことが大切だと思います」

              (取材・文/川喜田 研 撮影/村上庄吾)

●水野和夫(みずの・かずお)

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           水野和夫氏の誤解


? 国ごとの発展段階の違いがつまり=国ごとに資本主義の位相がずれている事が
  分からない所が、歴史の認識が薄いと思われます。

  歴史は、近代資本主義が始まったのは、国ごとに異なる事を示しています。
  分かりやすい例は、もてる国と持たざる国の位相の違いです。
  英は産業革命でその近代資本主義をスタートしています。
  つまり、日本よりも100年近く進んでいるのです。

  英米仏は先輩の近代資本主義国家であり、だから制度的には進んでいたのであり、
  経済も強かったのです。又自由や民主主義という意味でも進んでいたのです。

  これが、日本人の欧米に対するコンプレックスだったのですが、何のことはない、
  成熟した持たざる国=日独は今は老化した先輩を追い越しています。
  つまり、経済的コンプレックスはなくなったのです。
 
  正に先進資本主義国は老化した≒金融帝国化したのです。マルクスの予言通りに。
  だから滅びるのです。

? 投資が利潤を生まない時代=資本主義の危機と言う定義の間違い。

  全く現場の投資家の行動や儲けのデータが分かっていないようです。
  つまり、金利だけで収入を得ている一部の銀行とは異なり、欧米はまた一部の
  日本の銀行は、ゼロ金利でも立派に投資を行い、利潤を得ています。

  ゴールドマンサックス等の儲けは半端では有りません。これは不景気の時の
  金融機関同士のサバイバル競争なのです。

  そもそも、不景気の期間は儲けが少ないのは当然ですが、これは過去の日銀の
  政策が酷かっただけです。つまり、逆に成長戦略をとらずに、紙幣を増刷し
  なかったことによる副作用であり、だから今は良くなりつつあるのです。

  誰かが儲けないときは、他人が儲けているのです。豪州を見ても分かるように、
  資源国は今は、ホクホクです。一人当たりGDPも日本をはるかに超えて、
  6万ドルを超しています。今は資源国のサイクルの時代です。
  アラブの産油国=君主国の若者の贅沢を見れば分かります。

  
? 金利のサイクルは、他のサイクルとは異なる。

  過去の金利のサイクルを見ても分かるようにコンドラチェフサイクルを示しています。
  つまり、典型的な景気・不景気のサイクルとは完全には合わないのです。

  金利だけでは、景気循環を見る事は出来ません。サイクルが異なります。
  
  又金利のみでは、利潤=儲けは図れないのです。ゼロ金利のお金を借りて、
  他に投資して儲けているのが、今の成熟資本主義です。欧米の
  投資銀行を見れば分かります。
  
  お金を預けて、金利を貰うのが資本主義とは、大いなる勘違いです。日本の初期
  資本主義は、国民に貯蓄を促し、それを企業に貸して利潤を得ていましたが、
  今は、直接市場から資金を調達するのが普通であり、金利は
  昔ほどは、発展とは関係なくなっています。

? 17世紀のイタリアは、そもそも近代資本主義国家ではないのです。近代資本主義に
  なったのは、統一後の1870年からです。17世紀は諸国に分裂している、
  君主国家の時代=云えば小王国の乱立している時代です。
  資本主義では絶対ありません。


? 金利ゼロでも、成長はしています。他国の成長率を見ても分かるように、金融緩和を
  先に十分行った国は、成長も十分です。緩和をしなかった日本がおかしいのです。

? 16世紀から17世紀の欧州は、資本主義の時代では有りません。近代資本主義の発生の
地、大英帝国さえも、1750年台の産業革命から近代資本主義は始まったのです。

  そして、USAは独立からそれが始まり、仏は1789年の革命で、王政≒君主時代
  ≒封建制を打倒して近代資本主義が始まっています。

  日本は江戸時代の終焉とともに、つまり1868年の明治維新から始まっているのです。
  それまでは、徳川家による、君主制=絶対王政≒封建制だったのです。

? 世界の何処にも成長の余地が無いとは誤解である。

  BRICs、ASEAN、アラブ産油国等と世界は後進国から、豊かな国に
  なっているのではありませんか、あの暗黒大陸アフリカでも経済の
  離陸は始まっています。まだまだ、貧しい国は沢山あり、
  相対的に世界は進歩しています。 

? 今はサイクルの不景気の段階であり、不景気が終われば、成長は加速する。

  経済人であれば、景気循環のサイクルが読めなくてはいけません。不景気は
  世界は何処でもおかしくなり、第二次大戦などの戦争の時代に成っている事は
  戦争と、景気サイクルを比較すれば分かる事です。

? 国内の格差は、何も資本主義だけの問題ではない。

  まさか江戸時代が貧富の差がなく、平等な国と思っていのではないでしょうな?
  いつの時代も貧富の差はあります。ソ連や中国の様に共産国家は平等を
  云いながら実体は、格差は酷いものです。

  何時の時代も支配階級が豊かになり、庶民は彼らを支える役割が普通です。
  北朝鮮では今も、簡単に処刑や収容所送りに成ります。
  
  日本では武士は庶民を切り捨てごめんで幾らでも殺せたのです。

? アベノミクスで経過が良さそうに見えるのは、それを予定しての政策を
  とったからであり、したがって効果が有るのは、当然の事です。

  もう少し、素直に現実を見ましょう。

? 金融緩和は、他国との相対的な現象です。つまり、管理通貨制度の下では、黄金に
  依存しない分、自由に紙幣が刷れる為の、相対的な現象であり、日本は
  リーマンショック後の緩和が少なかった分を取り戻しているのみです。

  そうしないと、ますます円高と産業の空洞化で日本が滅びるだけです。
  これは結果として、中韓の台頭と自惚れを≒危険な自惚れを齎したのみです。

? 資本主義は確かにバブルを作るのが得意だが、バブルの醸成と崩壊は、人間社会に
   共通な現象であり、いつの時代もあったのです。

  バブルの時代は、資本主義の以前からあったのであり、確かに資本主義では
  目立ちますが、逆にそれが資本主義の原動力なのです。つまり、バブルは
  資本主義の戦場であり、その勝者が次の拡大生産に参加するのです。

  バブルがない資本主義は、発展の仕様が有りません。バブルは人間社会の本性なのです。
  今も昔もです。資本主義はそれを利用して発展しているのです。

? 被支配階級に負担を負わせるのは、何も資本主義だけのものではないのです。 
  むしろ他の時代の方が、被支配階級の負担は際立っているのです。

  資本主義は逆に多くの庶民を富の生産に参加させることにより、相対的な豊かさと
  相対的な自由と民主主義を与えたいるのです。

  独裁時代や戦国時代、絶対王政時代=君主政治の時代や共産主義の時代を見てください、
  何処に庶民の活躍と政治への参加と自由と民主主義が有るのです。

  むしろ、資本主義の支配者は遠慮しながら、増税を行い、庶民が怒れば、
  直ちに政権は崩壊です。これを民主主義と言うのです。

? 税金の制度を変えても、資本主義が生き延びるのではありません。これは社会不安を
  抑えるために、政治家がとる人気とりであり、又はやむなく戦争時や他の負債を
  返すための、政策変更なのです。

? 又再配分を変えても良いと言うものではないのです。変えても良くならないから、
  問題なのです。パイを増やさずに配分を変える事は、むしろ不可能でしょう。
  これは、どちらか一方という問題ではなく、両方とも時代に合わせて
  工夫が必要なのです。

? 再配分を国の力で行って、何を目指しているのです? 資本主義の延命? 
  延命できるなら、資本主義は崩壊する事はないと言う事に成ります。

? それとも、再配分は資本主義のシステムに変わる新しいシステムを作る為?
  つまり、平等ですが、それを目指したのが、共産主義であり、一党独裁と言う事であり、
  これは、ソ連、中国、北朝鮮、キューバ、東欧などに観られましたが、
 
? これらの国々のシステムでは、経済は基本的にどん底です。資本主義に勝るシステム
  富を創ると言う意味でのシステムは、無いのです。

● このように、見解の違いや見方は異なるが、資本主義が危機に瀕しているとの
  観方は鋭いものが有ります。これを鳥瞰的に理解するのは私の説を
  読めば一目瞭然です。

● 270年の寿命の到来による、システムの老化と、庶民の要求に応える事が
  出来なくなり自然に崩壊するのです。熟した柿が落ちるのと同じです。

● 英米仏型は、2029年からのサイクルの崩壊、バブルの最後の崩壊後から、
  その資本主義の崩壊が始まるのです。日独は未だ未だ資本主義は残っているのです。

● その時は、触るだけで、体制は崩壊します。勿論混乱は伴っていますが。
  誰か庶民の一言でも、体制は崩壊するでしょう。




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