「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月7日(月曜日)
通算第6223号
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そしてスーパーから食料品がなくなった
香港の地下鉄、93駅のうち45駅が閉鎖されたまま
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10月6日日曜日、やっぱり香港は荒れた。
政庁が議会を通さずにいきなり施行した「覆面禁止法」(中国語は「禁蒙面法」、英語はFACE MASK BAN)に反対するデモ行進、あいにくの雨の中、夥し傘が幹線道を塞いだ。
野党の民主党議員団は、「この法は香港基本法に抵触する」として裁判所に差し止めを申しいれたが却下された。議会を通さずとも、「この法は(英国植民地時代に制定された『緊急状況規則条例』に沿っていて合法だ」と判断された。
香港の地下鉄93駅のうち、45駅が4日から5日にかけての暴動、放火によって閉鎖されたままなので、デモ行進参加者は遠くへは行けず、SNSで呼びかけられた、近くの集合場所へ向かう。
俯瞰図をみると、ほとんど満遍なく香港全域を網羅する地下鉄駅が破壊されており、改札が壊れているのだから乗客はどうやって電車に乗るのだろう?
地下鉄に乗ろうにも入口が閉鎖されている。エドワード・プリンス駅は、二ヶ月以上も閉鎖されている。隣の駅まで歩くと、そこも閉鎖されている。仕方がないからバスを待つ。バスは超満員になる。
ならば歩くしかない。
デモ、警官隊との衝突ばかりではない。スーパーマーケット、コンビニの多くが閉鎖、休業となった、営業しているスーパーマーケットへ買い物客が殺到した。商品の奪い合いは石油ショックのときに起きたトイレットペーパー争奪戦に似ている。
陳列棚から米もパンも、即席麺も、そしてビスケットなど副食類も、悉く買いだめされ、日本で言えば東日本大震災直後に、コンビニの陳列棚が空になったように、異常事態が出現した。
とくに香港はマンションが狭いため冷蔵庫が小さい。したがって買いだめには向かない。なかには三世帯で、一軒をかりて、風呂と台所は交替でつかい、冷蔵庫も三区分している。だから買いだめが出来ず、こまかく品物を継続的に買うか、外食だったのである。
この異常事態も当分、続きそうだ。
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香港の自爆攻撃。いつまで続く? 香港の終わりの始まり。
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