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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)8月18日(月曜日)弐
通算第6175号
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人民元安が市場にもたらした変化はドル高、円高ばかりではなかった
金(ゴールド)、ビットコイン等「暗号通貨」が急騰
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「中国人投資家がビットコイン市場に雪崩を打って参加している」(ロイター、8月14日)。
人民元が一ドル=7を割り込んだ8月6日、ビットコインは7%上昇し、取引量は二倍となった。おりからホルムズ海峡でのタンカー拿捕、香港での民主派と警官隊の衝突などが重なった。通常なら、こういう場合はドル高基調となる。
ところが日本円が急騰し、ついで金が久しぶりに1500ドル台に乗った。
仮想通貨の代表格である「ビットコイン」は、五月以来、相場は1万ドルから1万2000ドル台となって、活況を見せた。
金価格も急騰を続けており、五月ごろは1200ドル台だったが、人民元安の8月6日に一オンス=1340ドル、8月17日には1513ドルに急騰した。日本でも田中貴金属などゴールドショップには朝から長い列が出来ている。
中国国内ではビットコインの取引所が禁止されている。
このため、中国人投資家が狙うのは外国の取引所である。それも昨今は地中海に浮かぶマルタらしい。
マルタは、キプロスにおけるロシアマフィアの資金洗浄問題で銀行倒産が相次いで以後、世界の投機家が狙いを定めた取引所となった。
日本も仮想通貨市場は花盛りで、「ビットコイン」「イーサリアム」「ルップル」「NEM」ほか八種類ほどが取引されている。投資家の国籍の特定は難しい。
インドはビットコインのATM取引を禁止したが、欧米ではフェイスブックが発行を予定している「リブラ」への規制が討議されている。
とくに仮想通貨は国籍のない、国際間を自由に送金できるシステムなので、資金洗浄、ハッキング、テロリストへの送金対策が重要課題となって浮上している。
まして国家を超え、中央銀行の監査も及ばないところで、通貨発行量の調整が不能、国家の財政、金融政策に悪影響を与えかねない。
(「仮想通貨」は本来「暗号通貨」と翻訳すべきだが、この稿ではメディア用語に従った)
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30年サイクルの最後の下り坂。
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