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政策は似てくる・左右のポピュリズム。システムの壊れるとき。日本では戦後知恵者システムの崩壊、USAでは資本主義システム。

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★ https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidosatoru/20190722-00135238/

山本太郎、れいわ…左派ポピュリズムの衝撃とどう向き合うか?
石戸諭 | 記者 / ノンフィクションライター


山本太郎氏(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 日本政治に左派ポピュリズム政党が誕生した。7月21日の参院選は日本においても、欧州で吹き荒れるポピュリズムの風が吹くという結果になった。山本太郎、「れいわ新選組」である。比例での得票率は4・6%に達し、既成野党への不満の受け皿となり、政党要件を満たした。大事な点は彼らの主張は、欧米の左派ポピュリズムそのものということだ。

れいわの衝撃

 7月4日の新宿駅西口地下から、「旋風」が起きそうな予感は漂っていた。ニューズウィーク日本版の取材で訪れた私は、予想以上の熱量だったとメモを取っている。山本太郎は参加者の前で声を張り上げる。

 「いまの政治はみなさんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が失われ、投資が失われ、需要が失われ続け、国が衰退している。デフレを続けてきたのは自民党の経済政策の誤りの連続でしょ」
「生活が苦しいのは、あなたのせいにされていませんか?努力が足りなかったからじゃないか?違いますよ。間違った経済政策のせいですよ。消費税は増税じゃない、腰が引けた野党が言う凍結でもない。減税、ゼロしかないじゃないですか」

「ないところから税金をとるな。金持ちから取れ。誰もが自信を持てない世の中になっている。自分が生きていていいのかと思ってしまうのはどうしてですか?あなたには力がある。諦める前に、チャンスをください」
 そして、彼は何度も「選挙はおもしろくないといけない」と繰り返した。難病患者が国会に行くというストーリー、沖縄の創価学会員が東京で公明党代表に挑戦するというストーリーも「おもしろく」演出することに長けていた。

 全国各地を周り、他の野党候補も積極的に応援しながら、自身への票を掘り起こした。朝日新聞の出口調査によると、応援先の野党支持層から一定数が「れいわ」に流れていることがわかる。
 盛り上がりは7月19日の新橋、7月20日の新宿で最高潮に達したといっていいだろう。ミュージシャンや著名人が応援に駆けつけた。結果的に、与党支持層は切り崩せなかったが、野党の不満はすくい上げた。

上と下の対決

 ポイントは最初から最後まで、安倍政権、そして野党の緊縮財政志向を徹底的に批判することに多くの時間を割いたことだろう。デフレを糾弾し、「上」から金を取り、「下」にもっとよこせと訴える。そして、「あなた」に呼びかけ自己責任は無いと言い切る。元俳優、バラエティでも活躍したタレントになって演説のスタイルも巧みだった。

 時に明確な批判対象を設定し、言葉には他の政治家にはない「本音」―と受け取れるような言葉-を盛り込む。先に参照した出口調査によると、40代以下を主要な支持層として取り付けたという。個別の政策はともかく、権威に立ち向かう姿を応援したいという層もいたことは間違いない。

 山本の政策は徹底的な反緊縮と減税である。平たく言えば、デフレ脱却のために、消費税を廃止し、国はもっとお金をかけて財政出動せよというものだ。彼の著作などによると、金融緩和にも肯定的な左派系の経済学者として有名な松尾匡・立命館大教授に学んだことが転機になっている。

欧州の左派ポピュリズム政党

 一連の主張やスタイルは数年前から欧州を席巻している左派ポピュリズムのそれである。政治学者の吉田徹・北海道大教授は「欧州で台頭する左右ポピュリズムを分かつもの」(週刊エコノミスト、2017年2月7日号)でこのように分析している。

 「左派ポピュリズムおいては財政主権や再分配、右派ポピュリズムにおいては国民主権や反グローバル化が唱えられる。こうした主張は、08年のリーマン・ショックと続く10年のユーロ危機を経て、既成政党批判と反緊縮財政、金融・財政主権の回復、場合によってはユーロ圏からの離脱という政策・言説でもって、両極ポピュリズムは共通の立場をとることになる。このような政治的主張は、格差や貧困の進展、労働市場からはじかれ、没落の恐怖におびえる高齢者や中間層、高い失業率にあえぐ若年労働者層の支持を集めることになる」

 「左派ポピュリズムと右派ポピュリズムを分け隔てる最大の違いは、個人やマイノリティーの自己決定権を認めた上で『開かれた社会』を認めるか、反対に家父長主義的で権威主義的、伝統的な共同体や家族が個人よりも優先されるような『閉じられた社会』が実現されるべきと考えるかどうかにある」

 要するに左派ポピュリズムには経済的な格差への不満を吸収するだけでなく、価値観を体現する政党という性格がある。「れいわ」が難病患者を優先的に当選させたことは、まさにマイノリティーの自己決定権を認めるという価値観を体現するものと言える。

問われているのは野党

 日本において左派ポピュリズム政党が誕生した背景は、欧州のそれと同じものだろう。問題を突きつけられているのは、既存のリベラル系の野党だ。立憲民主党は議席数を伸ばしたとはいえ、政権交代の選択肢とはおよそ言えない。比例で当選したのも労働組合系の候補者が上位を占め、都市部の選挙区を含め注目を集めた目玉候補は軒並み落選した。共産党は支持層の一部が「れいわ」に流れている。これがなぜかを分析しないと、与党支持層、投票に行っていない人たちからの票の掘り起こしにもつながらない。

 山本自身は落選したが、私がニューズウィーク日本版で予想した通り、次の衆院選への出馬を宣言した。一度吹いたポピュリズムの風は当分、止みそうもない。


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● 私の言う、規定のシステムに対する、左右からの反乱である。
  既成のシステムを壊せ!”という事では、左右は一致します。
  そのターゲットは、どちらも財政(財務官僚と政党)である。

● つまり、実際の権力をもつ・財務省である。その本質が見つけられるか
  どうかは別として、全ては国家の政策によることは、左右とも
  認めている。それをわからないのが、戦後体制の野党である。

● 欧州と異なるのは、独伊スェーデン等を除く・USA/大西洋資本主義諸国
  の崩壊が欧州の未来であり、日本では戦後体制を担う官僚組織や
  政治家を含む・知的階級の崩壊である。

● このようにして、左右に分裂しながら、既成のシステムの崩壊で左右の
  ポピュリズムは一致するのです。既成の政党や組織が崩壊後に
  再び両組織は、反目と競争を通して、新しい時代を作るのです。

● 今はポピュリズムという左右のプラズマの嵐が吹き荒れるときです。
  まさに自然界のプラスとマイナスの電気現象と全く同じです。
  男と女もそれぞれの立場から運動は起こるが、

● 何時かは言葉狩りや・ウーマンリブなどの運動を乗り越えて、再び合体の
  時はやってきます。その合体の仕方で、左右の対立が先鋭化して
  新たなる体制が決まるのです。赤体制なのか白体制なのか?

● このように、フラクタルという宇宙の法則からみれば、人間社会も
  全て、自然現象で説明できます。これが経済におけるエリオット
  波動・歴史経済波動学を支える基本理論となります。

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