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[FT]プーチン氏単独会見 「自由主義はもう古い」
G20サミット ヨーロッパ FT
2019/6/28 13:34
日本経済新聞 電子版
ロシアのプーチン大統領は、欧米で国家主義的なポピュリズム(大衆迎合主義)が勢力を伸ばしていることを強調し、自由主義はもはやイデオロギーとしての力を失ったと勝ち誇った。
大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の前日、プーチン氏はクレムリン(ロシア大統領府)でフィナンシャル・タイムズ紙の単独インタビューに応じ、人々が移民や開かれた国境、多文化主義に背を向けて「自由主義の思想」は「もう役に立たなくなった」と語った。
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G20出席を前にモスクワで英フィナンシャル・タイムズ紙の単独インタビューに応じるロシアのプーチン大統領=ロイター
1945年の第2次世界大戦終結以来、西側のイデオロギーの柱となってきた自由主義を切り捨てるプーチン氏の言葉は、トランプ米大統領やハンガリーのオルバン首相、イタリアのサルビーニ副首相など反エスタブリッシュメント(既存勢力)の指導者の台頭や、英国の国民投票によるEU(欧州連合)離脱決定という反乱と呼応する。
「これまでの数十年と違い、(リベラル派は)誰に対しても、何についても影響力を及ぼせなくなった」とプーチン氏は語った。
■ドイツの難民受け入れは間違い
ドイツのメルケル首相が内戦下のシリアから逃れてきた人々を中心に100万人以上の難民を受け入れる決断をしたことについて、プーチン氏は「根本的な間違い」だったと評した。その一方でトランプ氏については、メキシコからの移民と麻薬の流入を食い止めようとしていることを称賛した。
「自由主義の思想は、何もする必要はないという前提に立っている。移民たちは殺人や略奪、レイプをしても野放しにされている。それというのも、移民としての権利が守られなければならないとされているからだ」
プーチン氏はさらにこう続けた。「犯罪は全て罰せられなければならない。自由主義の思想はもう時代遅れだ。圧倒的大多数の人々の利益と衝突するようになっている」
事実上の指導者だった首相時代も含めて20年近くロシアを率いている66歳のプーチン氏は、資金援助やSNSを通じてひそかにポピュリズム勢力を支援していると非難を浴びている。2016年の米大統領選や英国民投票、最近の欧州議会選への関与が特に大きく取り沙汰されている。
プーチン氏は語気を強めてこれを否定した。ロシアは組織的に16年米大統領選に介入したと結論づけたモラー元米特別検察官の報告書について、「神話のような介入」だと切り捨てた。
■米国の単独行動主義が問題
米中貿易戦争とペルシャ湾沿岸での米国とイランの地政学的緊張の高まりについては、「一触即発の状況」になっており、問題の根因は米国の単独行動主義と世界秩序を支えるルールの欠如にあるとした。
プーチン氏は、米国とロシアの核軍拡競争が再燃する恐れに懸念を表した。「冷戦は良くなかったが、少なくとも国際関係上の全当事者がおおむね従う、あるいは従おうとする一定のルールがあった。今は全くルールがないような状態だ」
前向きな言葉としては、大阪でのメイ英首相との会談を前に、英ロ関係ににわかに雪解けの兆しが出てきたとした。メイ氏は英首相として最後の首脳会議となる。
「ロシアも英国も、両国の関係を完全に元に戻すことに関心を向けていると思う。少なくとも私は、いくつかの予備的な動きにつながることを期待している」
ロシアの元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏の暗殺未遂事件が英南部ソールズベリーで起きて以来、英ロ関係は極度に冷え込んでいる。
神経剤を使った襲撃について、英政府はロシア政府が関与したと指摘したが、プーチン氏はそれを裏付ける証拠は何もないと語り、スクリパリ氏は英国とのスパイ交換で釈放されるまでロシアで服役していたと指摘した。
だが、祖国を裏切ったスパイを許すことは絶対にできないと、プーチン氏ははっきり語った。
「反逆は最も重大な罪であり、反逆者は罰せられなければならない。ソールズベリーでの事件がそうだったと言うのではないが、反逆者は罰せられなければならない」
■シリア介入など貴重な戦闘経験
プーチン氏は数年前から大胆な姿勢を強め、クリミア併合やウクライナ東部での親ロシア派の反乱、シリアへの軍事介入などを指揮している。プーチン氏は、シリア介入は明らかに成功だったとしている。
数千人のイスラム過激派を殺害し、シリアのアサド政権を支えたことに加え、軍事作戦はロシア軍に貴重な戦闘経験ももたらしたという。
7年に及ぶ内戦が500万人超の難民と50万人の死者を出している事実については、何も触れなかった。だが、アフリカと中東の紛争地帯からの移民の波が犯罪と社会的緊張をもたらし、欧州で反エスタブリッシュメントの反動を引き起こしていると指摘した。
プーチン氏は、サルビーニ氏やフランスのルペン国民連合党首のような国家主義のポピュリストと呼応する形で、自由主義の政府は市民を安心させるための行動を取らず、やみくもに多文化主義を追い求めて性的多様性などを受け入れたと語った。
「同性愛嫌悪という非難を浴びているので誰かを侮辱しようというのではない。我々も性的少数者(LGBT)の人たちに問題は何もないと思っている。自分が望む生き方をすればいい」とプーチン氏は語った。「ただ、我々の目には行き過ぎているように映ることもある。彼らは子どもに5つ、6つもの性のあり方を認めると言っている」
「誰もが幸福になることに我々も異存はない」とプーチン氏は付け加えた。「だが、それによって、人口の中心を占める多数の人々の文化や伝統、伝統的な家族の価値が脇に追いやられることがあってはならない」
By Lionel Barber & Henry Foy
(2019年6月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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● さすが、元スパイの幹部である。分析し何が予測できるのかを推測する
能力は抜群である。歴史経済波動学を体感できる男である。
国家のリーダーとして言っていることはすべて正しいといえます。
● 彼が更に歴史経済波動学を学べば、鬼に金棒でしょう。自由主義は
白人の世界・特に西欧ではやがて滅びて主要な流れではなくなるが
しかし日独イタリア・スェーデン・インド等ではその精神は
● 脈々と流れ続けます。決してこの地球上から滅びることはありません。
問題なのは今の世界の支配階級国家である・USA/大西洋資本主義諸国
の自由主義が崩壊して、これらの国々が当分な長い長いカオスの
● 時代=内戦と混乱が続き、そのあとには戦士の時代・世界戦国時代が
来るという事です。彼らが滅びたからすぐ自由主義は崩壊する
ことはないし、ましてや自由主義が力を失うという事もありません。
● 自由主義の後継国家は上記日独が主に背負い、そして世界のリーダーとなる
事は歴史経済波動学から十分予想できることです。特に日本は
第二次大戦で全世界を相手に戦う事が出来た、歴史上唯一の
● 東洋の国家です。西洋ではUSAがそれに匹敵しますが、しかし彼らの
命運は尽きつつあります。次の後継者としての舞台と思えば、
今回のG20は意味があるのです。たとえ何も決まらなくても
● 次の世界のリーダーとなる資質があることが示されるのです。優れた
リーダーであるプーチン大統領の国家・ロシアが日独にとって
替わることは出来ないのです。たとえ核兵器を沢山持っていても。
● 言い換えれば、日本が核兵器を所有した時点で、ロシアの地位・現在の
世界における地位はたちどころに低下して、単なる大きな国に
なるだけです。それがロシアの今後の運命でしょう。
[FT]プーチン氏単独会見 「自由主義はもう古い」
G20サミット ヨーロッパ FT
2019/6/28 13:34
日本経済新聞 電子版
ロシアのプーチン大統領は、欧米で国家主義的なポピュリズム(大衆迎合主義)が勢力を伸ばしていることを強調し、自由主義はもはやイデオロギーとしての力を失ったと勝ち誇った。
大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の前日、プーチン氏はクレムリン(ロシア大統領府)でフィナンシャル・タイムズ紙の単独インタビューに応じ、人々が移民や開かれた国境、多文化主義に背を向けて「自由主義の思想」は「もう役に立たなくなった」と語った。
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G20出席を前にモスクワで英フィナンシャル・タイムズ紙の単独インタビューに応じるロシアのプーチン大統領=ロイター
1945年の第2次世界大戦終結以来、西側のイデオロギーの柱となってきた自由主義を切り捨てるプーチン氏の言葉は、トランプ米大統領やハンガリーのオルバン首相、イタリアのサルビーニ副首相など反エスタブリッシュメント(既存勢力)の指導者の台頭や、英国の国民投票によるEU(欧州連合)離脱決定という反乱と呼応する。
「これまでの数十年と違い、(リベラル派は)誰に対しても、何についても影響力を及ぼせなくなった」とプーチン氏は語った。
■ドイツの難民受け入れは間違い
ドイツのメルケル首相が内戦下のシリアから逃れてきた人々を中心に100万人以上の難民を受け入れる決断をしたことについて、プーチン氏は「根本的な間違い」だったと評した。その一方でトランプ氏については、メキシコからの移民と麻薬の流入を食い止めようとしていることを称賛した。
「自由主義の思想は、何もする必要はないという前提に立っている。移民たちは殺人や略奪、レイプをしても野放しにされている。それというのも、移民としての権利が守られなければならないとされているからだ」
プーチン氏はさらにこう続けた。「犯罪は全て罰せられなければならない。自由主義の思想はもう時代遅れだ。圧倒的大多数の人々の利益と衝突するようになっている」
事実上の指導者だった首相時代も含めて20年近くロシアを率いている66歳のプーチン氏は、資金援助やSNSを通じてひそかにポピュリズム勢力を支援していると非難を浴びている。2016年の米大統領選や英国民投票、最近の欧州議会選への関与が特に大きく取り沙汰されている。
プーチン氏は語気を強めてこれを否定した。ロシアは組織的に16年米大統領選に介入したと結論づけたモラー元米特別検察官の報告書について、「神話のような介入」だと切り捨てた。
■米国の単独行動主義が問題
米中貿易戦争とペルシャ湾沿岸での米国とイランの地政学的緊張の高まりについては、「一触即発の状況」になっており、問題の根因は米国の単独行動主義と世界秩序を支えるルールの欠如にあるとした。
プーチン氏は、米国とロシアの核軍拡競争が再燃する恐れに懸念を表した。「冷戦は良くなかったが、少なくとも国際関係上の全当事者がおおむね従う、あるいは従おうとする一定のルールがあった。今は全くルールがないような状態だ」
前向きな言葉としては、大阪でのメイ英首相との会談を前に、英ロ関係ににわかに雪解けの兆しが出てきたとした。メイ氏は英首相として最後の首脳会議となる。
「ロシアも英国も、両国の関係を完全に元に戻すことに関心を向けていると思う。少なくとも私は、いくつかの予備的な動きにつながることを期待している」
ロシアの元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏の暗殺未遂事件が英南部ソールズベリーで起きて以来、英ロ関係は極度に冷え込んでいる。
神経剤を使った襲撃について、英政府はロシア政府が関与したと指摘したが、プーチン氏はそれを裏付ける証拠は何もないと語り、スクリパリ氏は英国とのスパイ交換で釈放されるまでロシアで服役していたと指摘した。
だが、祖国を裏切ったスパイを許すことは絶対にできないと、プーチン氏ははっきり語った。
「反逆は最も重大な罪であり、反逆者は罰せられなければならない。ソールズベリーでの事件がそうだったと言うのではないが、反逆者は罰せられなければならない」
■シリア介入など貴重な戦闘経験
プーチン氏は数年前から大胆な姿勢を強め、クリミア併合やウクライナ東部での親ロシア派の反乱、シリアへの軍事介入などを指揮している。プーチン氏は、シリア介入は明らかに成功だったとしている。
数千人のイスラム過激派を殺害し、シリアのアサド政権を支えたことに加え、軍事作戦はロシア軍に貴重な戦闘経験ももたらしたという。
7年に及ぶ内戦が500万人超の難民と50万人の死者を出している事実については、何も触れなかった。だが、アフリカと中東の紛争地帯からの移民の波が犯罪と社会的緊張をもたらし、欧州で反エスタブリッシュメントの反動を引き起こしていると指摘した。
プーチン氏は、サルビーニ氏やフランスのルペン国民連合党首のような国家主義のポピュリストと呼応する形で、自由主義の政府は市民を安心させるための行動を取らず、やみくもに多文化主義を追い求めて性的多様性などを受け入れたと語った。
「同性愛嫌悪という非難を浴びているので誰かを侮辱しようというのではない。我々も性的少数者(LGBT)の人たちに問題は何もないと思っている。自分が望む生き方をすればいい」とプーチン氏は語った。「ただ、我々の目には行き過ぎているように映ることもある。彼らは子どもに5つ、6つもの性のあり方を認めると言っている」
「誰もが幸福になることに我々も異存はない」とプーチン氏は付け加えた。「だが、それによって、人口の中心を占める多数の人々の文化や伝統、伝統的な家族の価値が脇に追いやられることがあってはならない」
By Lionel Barber & Henry Foy
(2019年6月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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● さすが、元スパイの幹部である。分析し何が予測できるのかを推測する
能力は抜群である。歴史経済波動学を体感できる男である。
国家のリーダーとして言っていることはすべて正しいといえます。
● 彼が更に歴史経済波動学を学べば、鬼に金棒でしょう。自由主義は
白人の世界・特に西欧ではやがて滅びて主要な流れではなくなるが
しかし日独イタリア・スェーデン・インド等ではその精神は
● 脈々と流れ続けます。決してこの地球上から滅びることはありません。
問題なのは今の世界の支配階級国家である・USA/大西洋資本主義諸国
の自由主義が崩壊して、これらの国々が当分な長い長いカオスの
● 時代=内戦と混乱が続き、そのあとには戦士の時代・世界戦国時代が
来るという事です。彼らが滅びたからすぐ自由主義は崩壊する
ことはないし、ましてや自由主義が力を失うという事もありません。
● 自由主義の後継国家は上記日独が主に背負い、そして世界のリーダーとなる
事は歴史経済波動学から十分予想できることです。特に日本は
第二次大戦で全世界を相手に戦う事が出来た、歴史上唯一の
● 東洋の国家です。西洋ではUSAがそれに匹敵しますが、しかし彼らの
命運は尽きつつあります。次の後継者としての舞台と思えば、
今回のG20は意味があるのです。たとえ何も決まらなくても
● 次の世界のリーダーとなる資質があることが示されるのです。優れた
リーダーであるプーチン大統領の国家・ロシアが日独にとって
替わることは出来ないのです。たとえ核兵器を沢山持っていても。
● 言い換えれば、日本が核兵器を所有した時点で、ロシアの地位・現在の
世界における地位はたちどころに低下して、単なる大きな国に
なるだけです。それがロシアの今後の運命でしょう。