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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月10日(金曜日)弐
通巻第6072号
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IMFに続きADBも対中国向け融資に「チャイナ・プレミアム」を適用へ
誰も知らない負債総額。ひょっとして9900兆円か?
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IMFもADB(アジア開発銀行)も世界銀行も、いや、中国共産党のトップも、いったい中国の負債総額がいくらなのか、誰も知らないのである。
なぜならデータがすべて不透明なうえ、水増しが常識であり、嘘の上に嘘を重ねていけば誰も本当のことが分からないのは当然である。
或る北京人民大学教授が「中国のGDPは1・67%だ」としたが、それでも多すぎる。実際のGDP成長率はマイナスだろうとする観測がほうぼうの専門家からあがり、また中国内部でも朱容基元首相の息子のグループは、負債総額は9900兆円だとする衝撃に数字をあげた。
筆者自身、これまで中国の債務を3700兆円と踏んで、最新の拙著(『余命半年の中国・韓国経済』、ビジネス社)等でも開陳してきたが、奇しくもBISが昨年八月に報告した数字も3070兆円だった。
欧米の金融界では、すでに中国企業の社債起債には2%以上の金利上乗せをはかり、IFMもすでに中国向け融資の金利を上げると公表している(つまり「チャイナ・プレミアム」は既に厳然と発生している)。
「借金の罠」論がようやく世界金融界の常識となり、AIIBはサラ金のようなもの」と比喩した麻生財務大臣の発言が、いかに正鵠を得たものであったか、西側は共通認識として共有できるようになった。
追いうちをかけるかのように、2019年5月4日、フィジーで開催されたADB年次総会において麻生財務相は「中国に借り手の『卒業』を促した」とした。
2018年だけでもADBは中国向けに26億ドルを貸し付けている。金満国家をほこる国になぜADBは貸すのか? 今後、たとえ中国からの借金要請があっても、ADBは金利をあげる準備をするとした。
言外にはあれほど鳴り物入りで設立した中国の「AIIB(アジア・インフラ投資銀行)が、カネを貸せば良いではないか」と皮肉っているのだが。
欧州のバンカー、アナリストらは公表された数字からも、当該国家のGDPと輸出統計、外貨準備を精密に比較しつつ、下記の八ケ国がデフォルトをやらかしそうだと警鐘をならしている。
すなわちモンゴル、モンテネグロ、パキスタン、ラオス、キルギス、モルディブ、ジブチ、タジキスタンである。いずれも中国が最大の債権国である。
この他にIMFに救援を求めたか、あるいは近い将来にIMF救援を求めざるを得ない国にはベネズエラ、ニカラグア、コンゴ共和国、とうに破産して国はジンバブエがリスト入りするだろう。
そうなると最も困惑するのはカネの貸し手である。つまり中国である。IMFは債権国に80%前後の債権放棄を迫るからだ。米国のロジウム・グループの報告書に拠れば、中国の一帯一路融資物件のうち、すでに38件、500億ドル強の債務のリスケがあったという。このうち14件は債権放棄だというが、秘密の二国間交渉だったために詳細は公表されないままである。
中国発の金融危機、間もなく爆発する。
◇◎□◇み◎◇◎▽や◇◎▽◇ざ◇◎▽◇き○□◎▽
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● 今回の世界の株価の崩壊は、実際は去年の3月から始まって
いることは、すでに去年の3月の時点で書きました。
その時もトランプ氏が対中共強攻策を出した時です。
● 今も勿論、中共からの関税を25%にすると発表してからです。
つまり、すべて中共がらみです。今回の崩壊のスケープゴート
は中共なのです。擬態資本主義で世界をだましてきましたが、
● さて結果はどう出るのでしょうか?
❶ 中共は今回もうまく擬態資本で切り抜ける。勿論当分の
株価の崩壊は避けられませんし、2025年前後迄
経済の停滞も避けられませんが。
❷ 擬態資本主義の衣をかなぐり捨てて、衣の下の狼の本質が
現れて、西欧との最後の全面的対決に突入する。
❸ または内部分裂で、再び戦乱=内戦へと混乱が広がる。
● 実際はこのようにクリアーカットにはいかないでしょう。むしろ
上記3つの因子が複雑に、時間的に空間的=地域的に重ねりあい
ながらカオスとなると思われます。
● 勿論、中共はそれを武力で型をつけることは当然です。それが
武人・戦士・戦国時代の特徴です。その彼らの弱点をいかに
生かすかが、今後の日本人の成熟度を現すといえましょう。
〇 彼らに金を貸しても、回収は不可能でしょう。それはやくざに金を
貸して、取り立てるのと同じだからです。限りなく不可能と
いう事です。泥棒に追い銭”となるのが落ちでしょう。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月10日(金曜日)弐
通巻第6072号
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IMFに続きADBも対中国向け融資に「チャイナ・プレミアム」を適用へ
誰も知らない負債総額。ひょっとして9900兆円か?
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IMFもADB(アジア開発銀行)も世界銀行も、いや、中国共産党のトップも、いったい中国の負債総額がいくらなのか、誰も知らないのである。
なぜならデータがすべて不透明なうえ、水増しが常識であり、嘘の上に嘘を重ねていけば誰も本当のことが分からないのは当然である。
或る北京人民大学教授が「中国のGDPは1・67%だ」としたが、それでも多すぎる。実際のGDP成長率はマイナスだろうとする観測がほうぼうの専門家からあがり、また中国内部でも朱容基元首相の息子のグループは、負債総額は9900兆円だとする衝撃に数字をあげた。
筆者自身、これまで中国の債務を3700兆円と踏んで、最新の拙著(『余命半年の中国・韓国経済』、ビジネス社)等でも開陳してきたが、奇しくもBISが昨年八月に報告した数字も3070兆円だった。
欧米の金融界では、すでに中国企業の社債起債には2%以上の金利上乗せをはかり、IFMもすでに中国向け融資の金利を上げると公表している(つまり「チャイナ・プレミアム」は既に厳然と発生している)。
「借金の罠」論がようやく世界金融界の常識となり、AIIBはサラ金のようなもの」と比喩した麻生財務大臣の発言が、いかに正鵠を得たものであったか、西側は共通認識として共有できるようになった。
追いうちをかけるかのように、2019年5月4日、フィジーで開催されたADB年次総会において麻生財務相は「中国に借り手の『卒業』を促した」とした。
2018年だけでもADBは中国向けに26億ドルを貸し付けている。金満国家をほこる国になぜADBは貸すのか? 今後、たとえ中国からの借金要請があっても、ADBは金利をあげる準備をするとした。
言外にはあれほど鳴り物入りで設立した中国の「AIIB(アジア・インフラ投資銀行)が、カネを貸せば良いではないか」と皮肉っているのだが。
欧州のバンカー、アナリストらは公表された数字からも、当該国家のGDPと輸出統計、外貨準備を精密に比較しつつ、下記の八ケ国がデフォルトをやらかしそうだと警鐘をならしている。
すなわちモンゴル、モンテネグロ、パキスタン、ラオス、キルギス、モルディブ、ジブチ、タジキスタンである。いずれも中国が最大の債権国である。
この他にIMFに救援を求めたか、あるいは近い将来にIMF救援を求めざるを得ない国にはベネズエラ、ニカラグア、コンゴ共和国、とうに破産して国はジンバブエがリスト入りするだろう。
そうなると最も困惑するのはカネの貸し手である。つまり中国である。IMFは債権国に80%前後の債権放棄を迫るからだ。米国のロジウム・グループの報告書に拠れば、中国の一帯一路融資物件のうち、すでに38件、500億ドル強の債務のリスケがあったという。このうち14件は債権放棄だというが、秘密の二国間交渉だったために詳細は公表されないままである。
中国発の金融危機、間もなく爆発する。
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● 今回の世界の株価の崩壊は、実際は去年の3月から始まって
いることは、すでに去年の3月の時点で書きました。
その時もトランプ氏が対中共強攻策を出した時です。
● 今も勿論、中共からの関税を25%にすると発表してからです。
つまり、すべて中共がらみです。今回の崩壊のスケープゴート
は中共なのです。擬態資本主義で世界をだましてきましたが、
● さて結果はどう出るのでしょうか?
❶ 中共は今回もうまく擬態資本で切り抜ける。勿論当分の
株価の崩壊は避けられませんし、2025年前後迄
経済の停滞も避けられませんが。
❷ 擬態資本主義の衣をかなぐり捨てて、衣の下の狼の本質が
現れて、西欧との最後の全面的対決に突入する。
❸ または内部分裂で、再び戦乱=内戦へと混乱が広がる。
● 実際はこのようにクリアーカットにはいかないでしょう。むしろ
上記3つの因子が複雑に、時間的に空間的=地域的に重ねりあい
ながらカオスとなると思われます。
● 勿論、中共はそれを武力で型をつけることは当然です。それが
武人・戦士・戦国時代の特徴です。その彼らの弱点をいかに
生かすかが、今後の日本人の成熟度を現すといえましょう。
〇 彼らに金を貸しても、回収は不可能でしょう。それはやくざに金を
貸して、取り立てるのと同じだからです。限りなく不可能と
いう事です。泥棒に追い銭”となるのが落ちでしょう。