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勃興するアジア          西洋文明の大崩壊

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月8日(水曜日)
        通巻第6069号 
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「大阪都構想」など小さく見える、首都移転のインドネシア
  ウィドド大統領、330億ドルの大投資、首都移転を決断
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 ジャカルタの深刻な交通渋滞、豪雨となると道路が川になるという年中行事のような洪水はジャカルタでは日常の風景。この狭い土地に1700万人が暮らす。排水溝と暗渠の建設を日本企業が請け負っているが、渋滞道路の下の工事ゆえに遅々として進捗しない。
ジャカルタ近郊を含めると3000万人がメトロポリタンに集中しており、ジャワ島だけで、インドネシアGDPの58%を叩き出す。ジャワ島に経済が集中しているからである。

 どれだけの交通渋滞かは、行ってみると実感できる。
ラッシュ時には空港からジャカルタ市内まで2時間。市内でも歩いて30分のところへタクシーで一時間かかる。ちょっと裏通りに雑草の生い茂る場所にも、ぎゅうぎゅうに人が住んでいる。おまけにテロを警戒しているため外国人の宿泊するホテルは入り口で荷物検査がある。ここにも列ができる。

 中国が日本から横取りしたジャカルタ ー バンドン間の新幹線プロジェクトだが、あれから三年しても、まったく進捗しないのは用地が確保出来ないからである。
 日本人が観光で行くのはバリ島と、せいぜいジャンジャカルタからボロブドール遺跡くらい。インドネシアのカリマンタン(ボルネオ)とか、スラウェシ島とか、行く人はまずいないのではないか。

 ウィドド政権は再選前から閣議を開催し、首都移転を決断している。その決定的理由は人口の不均衡、富の集中と渋滞、不衛生、非効率経済。そして洪水対策である。
インドネシアは火山国でもあり、地誌学的均衡が必要という提案、つまり首都移転はインドネシア独立の時からの宿題だったのだ。

 ウィドド大統領の首都移転計画の対象は、ボルネオのカリマンタンか、スラウェシ島とされ、先週も候補地の視察に出向いた。
本気なのである。

カリマンタンはインドネシアGDP全体の8・2%、スラウェシ島は6・1%,ちなみにスマトラは21・7%。宏大な土地の割に工業力が集中していないアンバランスぶりでえる。

 都市計画委員会の素案でも、投資額は330億ドルにのぼると言われ、十年から十五年での新都心建設が青写真の中心にある。
目標としているのはブラジリア、ネピドーだ。

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