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年取ると体制も厚顔無恥になる・投資を強制するトランプ氏 USAの崩壊

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月7日(火曜日)
        通巻第6068号 
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 訪米から帰国後、郭台銘が台湾で初めて記者会見
  「『中華民国』という正式名称を交渉の前提条件とする」
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 5月6日、訪米したトランプ大統領と会見した郭台銘(鴻海精密工業・会長)は台北市で、記者会見に臨み「北京との交渉は?」ときかれ、「先方がまず我が国を『中華民国』と正式な名称で呼ぶことから交渉が始まる」と煙幕のようなことを言いだした。そのうえで「中華民国は中華人民共和国の一部ではない」と言った。

 大陸に百万人を雇用し、数ケ所に最新家工場を持ち、中国との密接な関連から「台湾を売り飛ばすのか」と批判が強い問題に関して、郭の言い分は「主権」に触れず、『92年合意』にも触れず、ひたすら次のように述べた。

 「中国大陸においても、年次総会(創立記念日をさすらしい)では従業員に中華民国の国歌を唱うこと、国旗を掲揚することをやってきたし、日本でもシャープでそうしてきた」、「われわれは中国で工場を展開し利益を上げてきたのであり、中国重視はビジネスの拡大だが、政治は異なる。先方が中華民国という呼称をみとめることから、交渉が始まる」と不思議な論理を展開した。
 また米中対立は「台湾にとっては好機だ」とし、トランプ大統領が突然、中国からの輸入品に10%の関税上乗せ発表を受けての追加発言をなした。

 与党・民進党は、「92年合意なぞ存在しない」とする一貫した立場から、これを前提とする中国との交渉を拒否してきたが、国民党の幹部も『主権』に関しては譲っておらず、郭台銘の発言に批判的である。

 「ああいうことを主唱して総統選挙に出馬するとなると、むしろ独立派の支持を増やす皮肉な結果をもたらすのではないか」と国民党の選挙スペシャリストが分析している。

 郭台銘は、ホワイトハウスでトランプ大統領からウィスコンシン州の新鋭工場の建設の約束を守るよう強く迫られてた模様で、予定になかったウィスコンシン州知事との会見もこなして帰国した。

 訪米中、郭台銘は『中華民国の青天白日旗とアメリカ国旗』を並列した特注の帽子を被っていたが、中国では、この中華民国旗にぼかしを入れた映像を流した。

 郭があえて中華民国と発言した裏には、蒋介石時代から『中華民国』のなかに、中国を含んでおり、つまり中国人民共和国は「中華民国共匪区」という歴史認識で来たからである。
 つまり「中華人民共和国が中華民国の一部」というニュアンスが籠められている。

郭は、その一点に詭弁の基盤をおいたわけだが、マスコミの反応とは異なって台湾財界の支持はゼロに近く、国民党内でも有力政治家、幹部らはそっぽを向いている。この不利な状況から脱しようと、郭台銘は懸命だったことが分かる。

 世論調査でダントツの一位だが、組織票も国民党の指示もない、浮動票が頼みのポピュリズムだけで、国民党はむしろ安全パイとして朱立倫擁立に向かうとする分析もあるようだ。
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