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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)12月25日(火曜日)
通巻第5928号 <年末特大号>
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マティス国防長官解任は米軍の士気低下に繋がる怖れ、
トランプ、「シリア撤退」は最初の蹉跌に直結、共和党が動揺
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トランプ政権がぐらりと揺らいだ。
ウォール街株価大下落はトランプはFRB議長解任発言から始まった。
ムニューチン財務長官は銀行幹部らと会見したが、説得に失敗。マルバニー首席補佐官代行の士気能力に疑問符がうたれた。
「トランプ党」に窯変していた共和党内が亀裂、反トランプ陣営がシリア問題で結束し始める。
シリア撤退はマティス国防長官にとって寝耳に水の出来事だった。
抗議を籠めて辞任を言えば、トランプ大統領は二ヶ月前倒しで、しかも「解任」で報復するという、なんだか大人げない。ホワイトハウス内部の結束が乱れている現れだろう。
シリアからの米軍撤退は唐突でありすぎたため、地域の軍事バランスを崩す。
だからロシアとトルコは歓迎、クルドは「米国の裏切り」と捉えた。クルド梃子入れを半信半疑で応じてきたクルドの二大勢力も、内ゲバより、ISとの戦闘が優先した時代には油田地域も抑えていた。イラクが奪回し、クルドの収入源は立たれたが、それでも堪えてきたのは米軍の駐屯と武器供与が継続されたからだった。
いま米軍が撤退すればクルドは危機に陥る。
民族自決が国際政治の根幹にあるとすれば、トルコ、イラク、イラン、そしてシリアとの戦闘継続で、自治区を維持し、いずれの日かの独立を夢見得てきたクルドにとって、この米軍撤退はまさに裏切り行為に思えるだろう。
新彊ウィグル自治区で繰り返された悲劇、チベット独立への悲願、すべてはクルド族の独立国家への夢に繋がっていた。
トランプ政権前途に暗雲が立ちこめた。新聞コラムに曰く。「ペンス副大統領よ、準備は出来ているか」。
□◎□○み△◎□◇や○◎○□ざ□◎□○き○◎○□
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● USAの主敵は、Chinaに変わった事が分からないようです。侵略的で傲慢な
中共を相手に、2面、3面作戦をしているゆとりはないのです。
中韓やEUから経済的な勝利を収めるのが、トランプ氏の目標です。
● 中東における作戦は、USAが管理できずにカオスになっていることは
誰でも分かります。そんなところの泥沼に何時までも関わっている
ことは体力を消耗する事であり、単なるマッチョ的ノスタルジアです。
● Make USA Great Again には、中東は悪夢です。ソビエトも英国も中東に
関わってから崩壊したのです。同じ崩壊するなら、早めに足抜けを
した方が利巧でしょう。
● 100年未来予測を書いた、ジョージ・フリードマン氏に言わせれば、そもそも
中東に民主主義や秩序を造る事が目的ではなく、カオスを造る事が
本来の目的なのです。それは十分達成できたでしょう。
● カオスになれば、効果的な反抗は出来ないのです。カオスからUSAに必要な
富を得る事が本来の目的です。しかし金融で儲けているUSAは、更に
エネルギーの自給も出来るようになった今、中東には興味はないのです。
● 本当の大敵に出会ったのです。内外の共産主義勢力という未来の大敵にです。
外には中共、内部にはサンダース一派の勢力の増大。間違えれば
USAは共産主義者に乗っ取られるのです。