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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)12月19日(水曜日)
通巻第5921号 <前日発行>
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マルバニー予算局長が大統領首席補佐官代行になる意味は?
対中強硬派が勢揃い、中国が折れるまで米国は徹底的に戦う
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リオデジャネイロのおけるG20で、米中首脳会談が開かれ、トランプは習近平に「90日間の猶予」を与えた。一時休戦かと思われたが、直後に孟晩舟拘束事件、そしてファーウェイ排斥が一段と鮮明になった。
実は、トランプはG20に飛び立つ前に、ホワイトハウスに招かれた一人の人物が居る。マイケル・ピルスベリーである。
ピルスベリーは、嘗て「パンダハガー」(親中派)の急先鋒だった。
それが「中国に騙されていた」と突如、対中タカ派に変節し、ハドソン研究所の所長におさまった。10月4日の対中宣戦布告的なペンス副大統領の演説は、このピルスベリーが発案し、ハドソン研究所で為されたことは記憶に新しい。
一年前、トランプの中国問題の指南役はキッシンジャーとされた。キッシンジャーは国務長官にティラーソンを推薦し、彼は国務省予算を30%削減させた。国務省から外交決定権をトランプはホワイトハウスに奪還し、そのあと対中融和派のティラーソンを馘首、強硬派のポンペオを指名した。
この間に、大統領顧問格としての経済会議委員長にクロドー、国家安全保障担当大統領補佐官にジョン・ボルトン、そしてUSTR代表がライトハイザー、通称産業政策局長にナバロ。こうなると対中融和派に近かったロス商務、ムニューシン財務各長官も対中タカ派に同調せざるを得なくなった。
国連大使にニッキー・ヘイリーが年内に辞任すると表明し、つづいてホワイトハウスのトップ首席補佐官のジョン・ケリーも年内辞任が表明された。
新しい首席補佐官代行にミット・マルバニーが決まった。マルバニーはサウスカロライナ州上院議員二期のあと、連邦下院議員三期、ティパーティに近く、トランプ政権発足とともに行政管理局予算局長(閣僚級)に指名された。上院の指名公聴会では賛成51,反対49というきわどさだった。マルバニーが超保守派だからである。
▲パンダ・ハガーは変節、議会派は上下をとわず、アンチ・チャイナ大合唱団。
マルバニーは予算局長として辣腕をふるい国防予算大幅増、国務省予算の30%削減(正確には28・5%)の中心人物である。そのうえマルバニーは、首席補佐官「代行」としての任命で当面予算局長も兼務するが、「代行」ののち、本心は財務長官をのぞんでいるとされる。
ともかく、トランプ、ペンス正副大統領、マティス国防、ポンペオ国防の列に首席補佐官マルバニー、大統領補佐官ボルトン、USTR亜代表ライトハイザー、通商産業政策局長ナバロ、そして国家経済委員長クドローと、対中国タカ派が米国政治の中枢に陣取った。
マルバニーは「中国が折れるまで、米国は姿勢を変えない」と発言しているほどの強硬派、ホワイトハウスに中国同調組はいまや存在せず、アカデミズムはキッシンジャーをのぞしてパンダ・ハガーはほぼ全員が変節、議会派は上下をとわず、アンチ・チャイナの大合唱団。
だからメディアも時としてトランプより対中姿勢が強硬。
米中貿易戦争は高関税合戦からテクノ防衛戦という「新冷戦」となった。
次は金融戦争、究極は通貨戦争へと突き進むことになり、もはや中国経済の崩壊を避けて通る道は絶無となった。
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