「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)11月13日(火曜日)
通巻第5887号
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この話は本当か? クラ運河の構想は消えていなかった
タイ軍事政権、調査レポート作成チームを再組織
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タイの軍事政権は、クラ運河構想に前向きの姿勢を見せた。
タイの新国王がクラ運河建設に前向きとされ、国内の経済界が相手にしなかったプロジェクト構想が緒に就こうとしている。
むろん、中国の積極的なタイ政・財界根回しが背後にある。
クラ運河はタイの地政学的要衝としての有利さがあり、海洋航路の短縮、効率的運搬の拠点として有望とされる。もし完成すれば、マラッカ海峡という迂回路をバイパス出来る。つまり、タイの国益より、中国の国益につながる。
マラッカ海峡の代替ルート、一番裨益するのは中国である。
現在、マラッカ海上を通過する船舶は中国が第一位。まもなくキャパを越えるのは明らか。しかし20万トン以上のタンカーはマラッカを通過できないから、ロンボク海峡へと迂回する。タンカーの通過量は、スエズの三倍、パナマ運河の15倍。
シルクロード世界フォーラムに、北京は意図的にタイを招待しなかった。理由は露骨に圧力を明示して、クラ運河構造、プロジェクトの青写真を早くまとめろとした、政治的要請だった。
軍事政権は自国の経済効果が疑わしく、さして利益もなく、国土が東西に分断され、しかも競争相手のシンガポールから恨まれる。
だから重い腰を上げようとはしなかったのだ。
タイの政治の裏側で何かが動いている
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● 中共は戦国武人時代。タイも戦国武人時代。東南アジアは全て武人時代と云えます。
従って今の文系官僚のみでは彼らに必要なものを提供できないでしょう。
交渉には、日本も武人自衛隊幹部の参加が必要です。
● 武人同士のネットワークを作るのが、タイへの影響力を保つには必要です。