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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月15日(月曜日)
通巻第5858号
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マティス国防長官、近く辞任観測
ロシア政策でボルトン補佐官と対立、トランプの暴走発言にも嫌気
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かねてから辞任の観測が燻っていたが、中間選挙を前に政権が内部で揺れることは得策ではないとマティス国防長官 vs ボルトン大統領補佐官の対立は表面化していなかった。
ボルトンは、もっとも強硬なタカ派イメージだが、その基底にあるのは戦略的原則を守ることにあって、原理を代えないという姿勢だ。それゆえ全米の保守陣営からは信頼されている。
一方、マティスも「狂犬」というニックネームは別にして、軍人出身者には珍しい読書家であり、歴史を語れる。自宅には7000冊の蔵書、独身。軍のエリートは、米国ではやはりエリート。相当の知識人でもある。なによりも重視するのは秩序、そして軍人は何事にも慎重である。
ボルトンは「イランとの核合意」に一貫して反対してきた。
またブリーフィングも簡潔で分かりやすく、くどくど説明されることが嫌いで、苛立ちを隠さず、長い長い演説のような情勢解説をしたマクマスター補佐官を馘首して、ボルトンに代えた経緯がある。
トランプはボルトンを信頼しているが、ふたりの意見が食い違うのはロシアへの姿勢で、
なんとかロシアを反中国陣営に引き入れようとするトランプと、核戦略政策における確執からロシアとは距離を置くべきとするボルトンの差違。しかしボルトンは二十年も歴代政権から干されていた経歴から、譲るところは譲り、もっとも大統領に影響力を行使できる立場を確保しようとしている。
ボルトンは周知のように沖縄に駐留している米国海兵隊を台湾に移動せよと主張する台湾擁護派のトップでもあり、日本に関しても拉致問題にもっとも関心がある政治家だから、その動向に注目している。
ところでドイツのメルケルの牙城バイエルンで、メルケル与党が大敗北を喫した。
これは「番狂わせ」というよりメルケル時代の終わりを告げる選挙結果だ。
中間選挙まで三週間となって米国でも、反トランプ陣営の旗手、民主党応援団長格のジョージ・ソロスが、中間選挙では「民主党はまた敗北するだろう」と予測していることが分かった。
▽◎◇◎み◇◇▽◎や◇◎◇◇ざ◇◎◇◇き◎◇◇◇
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● 2月から株の暴落を仕掛けたが、予想以上にトランプ氏の政策への期待感が
強いうえに、更に金余り現象が重なった事で、その後の株価の反発が強く、
選挙の前に暴落を十分達成出来なかった、という
● ジョージ・ソロスの失敗であり反省なのでしょう。言い換えれば、予想外に
トランプ氏の政策・反グローバリゼーションによる愛国政策は支持された
という事です。つまり、国民こそがその流れを造っているのです。
● それでも30年サイクルの法則=Expanded Triangle type の調整波の最後の
下降波は無慈悲にやってきます。今後1年間にわたって起こる世界株式市場の
暴落は、やはり自然現象と云えます。
● USAの株価に当てはまれば、2つある上記の下の図の中で、最後の波の下降が始まった
Dの段階が現在と云えます。日経225で言えば、下図のbの段階と云えます。
● 問題はcの段階ですが、¥20000前後で終わるか、又は16000前後まで下るかどうか
という事です。いずれにしろ、底値からの回復は日本が早いでしょう。
● それはUSAは2000年からの調整波・Expanded Triangle の最後の下降波であり
(≒30年サイクル)、日本は2013年からの上昇波の調整(≒5年サイクル)であり
波の大きさや位相が異なるからです。
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Elliott wave
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月15日(月曜日)
通巻第5858号
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マティス国防長官、近く辞任観測
ロシア政策でボルトン補佐官と対立、トランプの暴走発言にも嫌気
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かねてから辞任の観測が燻っていたが、中間選挙を前に政権が内部で揺れることは得策ではないとマティス国防長官 vs ボルトン大統領補佐官の対立は表面化していなかった。
ボルトンは、もっとも強硬なタカ派イメージだが、その基底にあるのは戦略的原則を守ることにあって、原理を代えないという姿勢だ。それゆえ全米の保守陣営からは信頼されている。
一方、マティスも「狂犬」というニックネームは別にして、軍人出身者には珍しい読書家であり、歴史を語れる。自宅には7000冊の蔵書、独身。軍のエリートは、米国ではやはりエリート。相当の知識人でもある。なによりも重視するのは秩序、そして軍人は何事にも慎重である。
ボルトンは「イランとの核合意」に一貫して反対してきた。
またブリーフィングも簡潔で分かりやすく、くどくど説明されることが嫌いで、苛立ちを隠さず、長い長い演説のような情勢解説をしたマクマスター補佐官を馘首して、ボルトンに代えた経緯がある。
トランプはボルトンを信頼しているが、ふたりの意見が食い違うのはロシアへの姿勢で、
なんとかロシアを反中国陣営に引き入れようとするトランプと、核戦略政策における確執からロシアとは距離を置くべきとするボルトンの差違。しかしボルトンは二十年も歴代政権から干されていた経歴から、譲るところは譲り、もっとも大統領に影響力を行使できる立場を確保しようとしている。
ボルトンは周知のように沖縄に駐留している米国海兵隊を台湾に移動せよと主張する台湾擁護派のトップでもあり、日本に関しても拉致問題にもっとも関心がある政治家だから、その動向に注目している。
ところでドイツのメルケルの牙城バイエルンで、メルケル与党が大敗北を喫した。
これは「番狂わせ」というよりメルケル時代の終わりを告げる選挙結果だ。
中間選挙まで三週間となって米国でも、反トランプ陣営の旗手、民主党応援団長格のジョージ・ソロスが、中間選挙では「民主党はまた敗北するだろう」と予測していることが分かった。
▽◎◇◎み◇◇▽◎や◇◎◇◇ざ◇◎◇◇き◎◇◇◇
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● 2月から株の暴落を仕掛けたが、予想以上にトランプ氏の政策への期待感が
強いうえに、更に金余り現象が重なった事で、その後の株価の反発が強く、
選挙の前に暴落を十分達成出来なかった、という
● ジョージ・ソロスの失敗であり反省なのでしょう。言い換えれば、予想外に
トランプ氏の政策・反グローバリゼーションによる愛国政策は支持された
という事です。つまり、国民こそがその流れを造っているのです。
● それでも30年サイクルの法則=Expanded Triangle type の調整波の最後の
下降波は無慈悲にやってきます。今後1年間にわたって起こる世界株式市場の
暴落は、やはり自然現象と云えます。
● USAの株価に当てはまれば、2つある上記の下の図の中で、最後の波の下降が始まった
Dの段階が現在と云えます。日経225で言えば、下図のbの段階と云えます。
● 問題はcの段階ですが、¥20000前後で終わるか、又は16000前後まで下るかどうか
という事です。いずれにしろ、底値からの回復は日本が早いでしょう。
● それはUSAは2000年からの調整波・Expanded Triangle の最後の下降波であり
(≒30年サイクル)、日本は2013年からの上昇波の調整(≒5年サイクル)であり
波の大きさや位相が異なるからです。
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Elliott wave