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Channel: 歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学
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アラブの春は歴史の一時的反発・中東の流れは賢帝の独裁  歴史経済波動学

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月12日(金曜日)
        通巻第5854号  
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 ジャメール・カショギ、って誰? サウジのジャーナリストが行方不明に
  「アラブの春」から「アラブの冬」が到来していた
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 チュニジアから始まった「アラブの春」は、まずチュニジアで独裁者ベン・アリが国外へ逃亡、リビアでカダフィ大佐が殺害された。つぎにエジプトへ飛び火し、ムバラク政権が崩壊し、一時的に「イスラム同胞団」の原理主義的政権が誕生したが、やがて軍部によるクーデターで「民主化」の夢はついえた。

 「アラブの春」の勢いはここまでだった。
シリアに飛び火した「アラブの春」運動は反動を促し、残酷な戦闘、悲壮な内戦をもたらして、米、NATO、そしてロシアが、トルコが介入して泥沼となった。
シリアの国土は廃墟と化けた。この空隙にISが入り込み、テロ,荒廃、すさまじき死体の山に難民の大量発生、この難民が欧州へ押し寄せ、独仏伊ほかで、ナショナリズムが高まり、EU、ユーロ危機へとつながる「想定外」の結果を運んだ。

 ウクライナの反ロシア派の蜂起は、米国の中途半端な介入によってむしろ混沌が増大し、プーチンの権力基盤を固めさせてしまった。
ウクライナ東部は事実上ロシア傘下にはいり、欧米は冷戦時代のように、ロシアを軍事大国として脅威視するまでに逆戻りした。

 さてサウジアラビアである。
 サルマン皇太子による専制恐怖政治は、有力王子らを監禁して財産を吐き出させる一方、「女性の運転」を認めるジェスチャーで民主化を装いながら、イエーメンに軍事介入して500億ドル余もの軍事費を費消し、アラムコの上場は見送り、次世代経済計画はほとんど白紙に戻りつつあり、そして、カショギ事件だ。

 カショギはサウジアラビアの反体制ジャーナリストだが、ワシントンポストへ寄稿者として知られ、トルコのサウジ総領事館へ入ったところまでが確認された。
以後、消息を絶って、「消された」と欧米メディアが騒ぎ、トルコは総領事館への立ち入り捜査を要求した。

 この一連の出来事で、ホワイトハウス内部が揺れた。
クシュナーが主導した中東外交が、サウジ王家の専制政治と国際非難の余波を受けて、崩れかけているからだ。
 同時にサウジアラビア政治は思わぬ国際的非難と反撃を前に立ち往生となり、サルマン皇太子の政治力に大きな陰りが出た。ということは安定性を欠く状況がくると同義語であり、次の懸念は石油輸出の継続が可能か、どうか。

 イランの代理兵としてイエーメンに潜伏する武装集団は、紅海を航行する石油タンカーへミサイル攻撃をしている。サウジはイランへの敵愾心を燃やし、現在の危機的状況を打開、もしくはすり替えるために、軍事行動にでる可能性は否定できない。
 つまり「アラブの春」は皮肉にも、「アラブの冬」となった。


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● 予想は予定通り進む。トルコが中東を支配していた時代は、アラブは武人の時代
  =戦国時代であった。トルコの崩壊後、20世紀初頭でアラブは分割して
   独立と同時に知恵者賢帝の独裁の時代に入ったのです。

● 日本の戦国時代が終わって、賢帝の独裁・つまり270年の江戸時代が始まった
  のと相似です。そこに世界の支配システム・西洋資本主義がその経済的
  野心(石油)で中東に介入したのが、中東の全ての混乱の源なのです。

● 時代は戦国時代・武人の時代から、知恵者の時代・知恵者賢帝の独裁、そして
  富裕者の・自由と民主主義の時代へと進むのです。この1時代270年の
  流れは絶対変える事は出来ないのです。それが歴史です。

● その意味で、USA/大西洋資本主義は今や世界の反動となり、異なるシステム
  への介入はことごとく失敗する運命なのです。このようないらぬお節介が
  形式的には、ブーメラン効果でUSA/大西洋資本主義を崩壊させるのです。
  実際はどのような体制も寿命が270年であることによるが・・。

● 自由貿易の否定(USAの政策、UKのEU離脱、EUという経済ブロック)
  と他国への軍事的ちょっかいが相まって、世界は混乱の渦
  つまり内戦型第三次世界大戦へと進むのです。

● 既に世界の株式市場は、崩壊が開始していますが、実際の崩壊開始は
  今年の2月末に始まっていることはすでに書きました。

  〝再び最高値を取るかもしれないが、スグに崩壊を開始する”
    との予測は見事に当たっています。

● このような崩壊の仕方は、エリオット波動の調整波のHorizontal type
   に相当します。つまり調整の仕方には大まかに3つのタイプがあるのです。

● ❶ ZIGZAG Type 

  ❷ HOrizontal type

  ❸  a,Triangle type
       b,Expanded Triangle type

● 2月からの崩壊は❷に似ていますが、初期段階なので最終的には❶になる可能性
  もあり得ます。❸のbは珍しいですが、2000年からのUSAの崩壊30年サイクル
  の調整波がこれに当たります。これは長引き2019年で終わると予想できます。
  ❸のaの調整波は1929年の恐慌でみられ1949年で終わっています。
  一般的に❸のbは金余りの状態で起こります。

● これは1929年の世界恐慌の再発を恐れた、西欧の支配階級の政策の性です。
  具体的にはバーナンキが日本の高橋是清の政策を真似てヘリコプターで
  お金をバラまいたせいです。有名なヘリコプターマネー事件です。

● つまり、コンドラチェフの波の信奉者の支配階級が陥った、
  歴史経済の誤解のためです。つまり60~70年サイクルで
  経済の崩壊=大恐慌が起こると信じた支配階級の間違いです。

● 1990年からの日本の大崩壊は、ZIGZAGタイプで奈落の底に陥るような崩壊でしたが
  これは不況になれば=株が崩壊すればその痛みを和らげる目的で、一般的には
  モルヒネを打つ=金融緩和をするのが普通と思われますが、モルヒネを打たない
  どころか普通の痛み止めをも投与せずに、国民の苦しむさまを冷酷に見ていた
  のが日銀でした。これは病院の医師にも良く見られる日本人の性です。
  逆に欧米では、金融緩和=モルヒネの行き過ぎで、❸のbとなったのです。

● これはUSA/大西洋資本主義の末期ですから=老化現象による軋み=痛みが
  酷く、モルヒネ=金融緩和が増えすぎても理解できると云えます。

● いずれにしろ、世界の支配階級の予測は当たらず、実際は90年±αサイクルが
  大崩壊のサイクルなのです。

  30x3ⁿ(nは0~3を取りうる)
  30x3⁰=30年サイクル=普段見る好景気・不況の大きなサイクル
  30x3 =90年サイクル=戦争を誘発する恐慌サイクル
  30x3x3 =270年サイクル=体制の崩壊=革命のサイクル
  30x3x3x3=810年サイクル=東西文明移動のサイクル

● つまり、理論からUSA/大西洋資本主義の大崩壊は次の最後のサイクルという事が
  予測できます。つまり2029年から2046年までの最後の≒30年サイクルで、
  270年のサイクルが完結して、USA/大西洋資本主義が大崩壊するのです。

● 歴史経済は数字で表せるというのが、管理人の歴史経済波動説です。


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