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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月20日(月曜日)弐
通巻第5512号
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「習近平の夢」=雄安ハイテク都市は「実現しない」
国家開発変革委員会幹部の喬潤令が爆弾発言
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身内から爆弾発言が飛び出した。中国共産党幹部が、習近平の路線に疑問符を投げかけたのだ。
「習近平の夢=雄安ハイテク都市は実現しない」と『財訊』のインタビューに答えたのは新都心プロジェクトの大元、国家開発変革委員会幹部の喬潤令である。
雄安は北京の南西120キロ、この地域を土木技術の粋を投じて開発し、エコ・シティの模範とするばかりか、ハイテク企業を集め、中国の新世代の技術センターにも生まれ変わらせる、というのが習近平の夢である。
習近平の打ち上げ直後から、雄安地区の土地代はいきなり四倍となり、不動産業者が殺到して買いあさった。このため不動産取引停止という措置がとられた。
もともと習近平が『雄安都市』構想を打ち上げ、ハイテク企業をごっそりと移転し、社会科学院など国家機関も移設して100万都市を建設すると言い出したとき、多くのエコノミストが疑問視した。内陸部にあって交通アクセスが悪いうえ、地盤は湿地帯が多く、近くに大学も空港もないからだ。
推進者の言い分は「広東省の深センが小さな漁村から僅か三十年で大都市となり、人口1000万を超えた。上海の浦東開発も、同じように発展したから、北京の近くの郊外開発が主力の雄安都市も、政府の肝いりなら、出来るに決まっている」
この見立てが間違っているのは、深センは海に面し、橋を渡れば香港である。後景には豊かな広州と珠海ベルト地帯があり、香港ならびに海外華僑の投資が集中していた。新幹線もつながって、条件に恵まれていた。
上海浦東の場合、もっと条件がよい。新空港が建設され、中国一のメガロポリス上海が控えている上、この大都市を囲む浙江省には大学も多く、ハイテク企業が目白押しだった。アリババなどのハイテク企業100社以上が、この周辺に集中していたから、浦東はいきなり発展したのだ。
日本企業の多い上海、その先の蘇州、無錫など、上海にはふたつの空港が日本とも直行便で結ばれているし、杭州にも直行便がある。
雄安都市は、これらの前提条件がない。そのうえ共産党の上意下達ではノルマ達成のための建設となり、結果は『幽霊都市』の残骸がひとつ増えるだけとなる。無駄な、しかも壮大な投資となって消えるだろう。
喬潤令は、これらに加えて「規制緩和、大胆な自由主義経済システムへの改編がない限り、雄安都市は夢と消え、実現することはない」と言い切っている。
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● 喬潤令さん武人時代で、貴方は2つの過ちをしています。1つは、独裁者に不必要な
意見をした事。まさか中共は資本主義国家と、貴方自身が錯覚しているのでは?
生意気な小僧はたたかれるのが武人時代です。夜道は注意して歩きましょう。
● 規制緩和、大胆な自由主義経済システムへの改編などは、自由主義諸国でも少し難しいの
です。ある程度の産業の発達がなされないと出来ないのです。
● それは人間の子供を見れば分かります。まさか小学生を世間の荒波に突っ込ませることは
普通の親はしないでしょう。十分育ててから、世間の荒波に揉ませるのです。
これは、自由と民主主義でなくても同じです。
● 従って、上意下達で大きな都市が出来ないとは言い切れません。日本やUSAのような
自由な都市を、そもそも中共に期待するのが間違っています。中共は中共なりに
作れるのです。今までの経過を見れば出来ます。万里の長城も出来たのです。
● 規制緩和を本当にすれば、中共に自由主義経済システムが出来るなどと、まさか本気で
思っていないでしょうね。貴方の出世はこれで閉ざされたようですな。
自由でない都市も存在できるのが、歴史の教訓です。
● がんばれ頑張れ習近平、夢を追うのは大切な事です。