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体制を守るためには激動する世界に適応する=自民党//とにかく体制の足を引っ張る=共産党

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★ https://www.nishinippon.co.jp/feature/press_comment/article/370359/

「保守」とは何なのか 崩壊する従来の枠組み 大きな誤解 「親米=保守」
2017年11月01日 03時05分

 今回の衆院選では、「保守」という言葉が濫用(らんよう)された。自民党は綱領で「日本らしい日本の保守主義」を掲げているが、対抗する希望の党も綱領で「寛容な改革保守」を掲げる。立憲民主党も枝野幸男代表が「リベラルであり、保守」という立場を打ち出している。一体「保守」とは何なのか。

 政治や思想の世界で語られる「保守」の起源は、18世紀イギリスの政治家エドマンド・バークが書いた「フランス革命についての省察」を嚆矢(こうし)とする。バークは、同時代のフランスで起きた革命に対して厳しい批判を投げかけた。

 バークによるとフランス革命を支えている近代啓蒙思想は、誤った人間観に依拠している。近代主義者は人間の理性を過信し、人間の努力によって理想社会の実現という「進歩」を獲得できると考える。しかし、理性は完全なものではない。どんなに頭のいい人でも世界のすべてを完全に把握することなどできず、過ちや事実誤認をくり返す。人間はどうしようもなく不完全な存在であり、人間によって構成される社会もまた不完全なものであり続ける。

 だとしたら、人間は何に依拠して社会をやっていけばよいのか。バークは人間の理性を超えたものを重視する。多くの庶民が共有して来た経験値や良識、伝統、慣習を大切にし、時代の変化に応じて徐々に変えていく。「革命」のような極端な社会改造には、理性へのおごりが含まれていると見なし、慎重に遠ざける。保守とは、歴史の英知に基づく永遠の微調整にほかならない。


 このような本来の保守思想の論理を前提とすると、自民党や希望の党のいう「保守」がいびつなものに見えてくる。安倍晋三政権は急進的な「レジームチェンジ」を訴え、「人づくり革命」の必要性を強調する。希望の党の小池百合子代表は「リセット」という言葉を使い、スピード感のある変化を求める。

 そんな中、非常に興味深い調査結果を報告する論考が発表された。遠藤晶久・三村憲弘・山崎新「世論調査にみる世代間断絶」(「中央公論」10月号)である。注目すべきは、18歳から29歳の若者の「保守」認識である。彼ら/彼女らは自民党を「保守」とは見なしておらず、むしろ共産党を「保守」的な政党と見なしているというのだ。

 これは従来の枠組みから大きく逸脱する認識と言える。戦後長い間、多くの人は「自民党は保守、共産党は革新」と分類してきた。このフレームが若い世代では、完全に崩壊している。

 年長者は、若者の認識不足を嘆くだろう。「保守」の意味を理解していないと愚痴りたくなるかもしれない。しかし、この若者の認識は、正鵠(せいこく)を射ているように思えてならない。

 共産党は農家を守るためにTPPに反対し、グローバル資本主義から中小零細企業を保護すべきだと訴える。雇用の安定を促進し、最低賃金の引き上げによって、労働者の生活を守ろうとする。

 共産党の主張は、「守る」ことに力点が置かれる。極端な「チェンジ」や「リセット」を避け、歴史的に構成されてきた社会基盤を保護しようとする。極端な変化よりも、庶民の生活の安定を訴える。この姿勢が、若者の目には「保守的」と映るのだろう。それは、案外正しい認識なのではないか。

 この転倒をどう見ればよいのか。保守思想家の西部邁は「安倍首相は『真の保守』ではない!西部邁氏が迷走政治を一刀両断」(「ダイヤモンド・オンライン」10月3日)のなかで、現在の政権与党を「真の保守」からの逸脱と見なし、批判する。

 西部は保守思想のエッセンスを概観した上で、「安倍首相は最初から保守ではなかった」と指摘する。その最大の根拠は、安倍内閣が「米国べったり」の政策を推進していることにある。

 西部の見るところ、米国という国家は、歴史的経験値の蓄積を欠いているため、本質的な保守思想が共有されていない。そのため、国家の基調が「古いものは悪いもので、新しいものは良いものだというジャコバン派の考えに近い」。しかし、冷戦下においては、「『米国側につくのが保守でソ連側につくのが革新だ』という政治の構図」が自明視された。ここに親米であることが保守であるという大きな誤解が生じた。

 にもかかわらず、保守を自任する安倍首相は「日米が100%の軍事同盟関係にあると悦に入る始末」である。日本国内には米軍基地が存在し、治外法権がまかり通っている。「今の安倍政権なんて、保守とはまったく何の関係もない」「戦後の日本人の愚かさ加減がにじみ出ていると言えるでしょう」。

 多くの政治家が「我こそは保守」とこぞって主張し始めた今、「保守とは何か」という本格的な議論を展開する必要があるだろう。重要な選挙後の課題である。

(中島岳志 なかじま・たけし=東京工業大教授)

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● このように混乱しているのなら、保守・革新と云う言葉を使うのは、馬鹿げたことです。
  皆その時々の国民の気持ちを代弁して、時には革新、時には保守と云う言葉を
  利用していると思えばよいのです。要するに権力欲しさに擬態するのです。

● 歴史経済波動学から言えば、資本主義と云う現体制を守るのが保守とすれば、その体制を
  壊すのが革新とも言えます。これは革新と云うよりも革命と云えるでしょう。
  資本主義体制を温存して支配階級が変わることをクーデターと云います。

● 体制を守るのが保守とすれば、守るためには体制を崩さない範囲での革新は当然許容されます。
  世界は激動し、日進月歩ですから、それに乗り遅れないようにするためには、体制維持派には
  むしろ毎日の革新が推奨されます。しかしこれはあくまでも資本主義体制を維持する為です。

● 共産党は、その資本主義体制を否定して、マルクス・レーニン主義=共産主義を信奉して
  いますから、本質的に革命政党と云えます。従って体制のすることは全てとまでは
  行かなくても殆ど良くないという前提で何でも反対をするのです。

● 現実を見ることなしに、ありもしない理想社会を想像して、それから外れる現実社会の
  矛盾を、どこかで探してきて、とにかく政権を非難するのが仕事という事になります。

● となると必然的に、弱者や日陰のものや、斜陽産業を支援するという事になります。
  これはただ、資本主義の支配階級をけなすことが目的ですから、支配者がうまく
  やっている時は、全くくだらない反動・保守と映るのです。

● 支配階級が失敗した時には、ヒーローになり一定の支持を得るのです。これが戦争に敗れた時に
  一時期勢力を持ったことにつながります。今はUSAを出し抜いて世界の超大国に躍り出ようと
  する日本ですから、ルーザーの味方の彼らは、今は保守・反動となるのです。

● 資本主義自体がサイクルで成り立っていますから、その浮き沈みで彼らも浮き沈みを
  繰り返しているだけの事です。体制にも寿命がある事を見てきました。

● 従って体制が崩壊する時には、成功するかどうかは別にして、時代の寵児となるのです。
  その時とは2138年前後ですから、今現在の彼らは、時代に取れ残される・ルーザーの
  慰め役以上の事は出来ない、ピエロになるしかないのです。

● 前にも書いた様に、そのピエロ役を後100年も続ける勇気がないのなら、さっさと共産主義の
  看板を下ろして、野党として、政権党が目の届かない人たちの慰め役に徹するべきでしょう。
  それが歴史の流れと云うものです。

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