★ https://mdlj.m3.com/gastroenterology/articles/3117537?pageContext=L0171031&mkep=highlight&sentDate=171031&portalId=mailmag&mmp=L0171031&mc.l=256070079
母乳育児とクローン病および潰瘍性大腸炎のリスク
2017年10月25日(原文公開: 2017年09月12日)
米国マサチューセッツ総合病院胃腸科 Xu L 氏らは、乳児期の母乳育児とクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)リスクの関連を調べるため、システマティックレビューを行った。
方法
2016年11月までMedline/PubMedおよびEmbaseを用いて英語論文の検索を行った。
CDまたはUC患者および健常対照群の乳児期の母乳育児について記述されている研究を組み入れた。
ランダム効果モデルを用いてプール解析を行った。
結果
最終解析時、35件の研究が組み入れられた。
対象は、CD群7,536例、UC群7,353例、コントロール群330,222例だった。
母乳育児歴は、CD(OR 0.71、95%CI 0.59-0.85)およびUC(OR 0.78、95% CI 0.67-0.91)
リスク低下と関連がみられた。
逆の関連はすべての民族グループで認められたが、CDの予防の程度は白人(OR 0.78、95% CI 0.66-0.93)
と比較してアジア人(OR 0.31、95%CI 0.20-0.48)で有意に大きかった(P=0.0001)。
母乳育児期間は用量依存的な関連が認められ、12ヵ月以上母乳育児を行った群で最もリスクが
低かった(3または6ヵ月との比較:CD(OR 0.20、95% CI 0.08-0.50)、UC(OR 0.21、95%CI 0.10-0.43))
結論
本メタアナリシスにおいて、乳児期の母乳育児がCDおよびUCの発症を予防することが明らかになった。
(掲載: Alimentary Pharmacology and Therapeutics)
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
● 最近までの栄養学の欠点は、動物性の脂肪が悪いという、見当違いな見識が国民の
健康を蝕んでいるという観点から、日本脂質栄養学会では既に分かっています。
● つまり、赤ん坊の為に母親が作ってきた母乳が、栄養学的には最高という事です。
その観点から、母親が母乳に入れる脂肪酸(動物の脂肪酸)に最高で重要な
脂肪酸が含まれていると考えるのは、理にかなっています。
● 人口乳に少なく母乳に多い脂肪酸は、特に重要と思えます。その1例がEPA/DHAであり、
カプリン酸などです。EPA/DHAは脳を作る必須脂肪酸と云うだけではなく、
抗ウイルス・抗菌作用もあることは分かっています。
● 日本人の頭が良いのは、EPA/DHA(魚と云う動物に多い)の性と世界でも信じられています。
これがなくては養殖魚でさえも生きて行けない重要なものです。
● 更に動物性と云うよりも、中鎖脂肪酸であり飽和脂肪酸でもあるカプリン酸にも
抗ウイルス・抗菌作用があるというのが最近分かり、驚きと云えます。
飽和脂肪酸などは単なるカロリー源と思われていたのに正に驚きです。
● これら脂肪酸を十分与える事で、クローン病や潰瘍性大腸炎が減るかどうかの研究も
是非してほしいものです。
母乳育児とクローン病および潰瘍性大腸炎のリスク
2017年10月25日(原文公開: 2017年09月12日)
米国マサチューセッツ総合病院胃腸科 Xu L 氏らは、乳児期の母乳育児とクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)リスクの関連を調べるため、システマティックレビューを行った。
方法
2016年11月までMedline/PubMedおよびEmbaseを用いて英語論文の検索を行った。
CDまたはUC患者および健常対照群の乳児期の母乳育児について記述されている研究を組み入れた。
ランダム効果モデルを用いてプール解析を行った。
結果
最終解析時、35件の研究が組み入れられた。
対象は、CD群7,536例、UC群7,353例、コントロール群330,222例だった。
母乳育児歴は、CD(OR 0.71、95%CI 0.59-0.85)およびUC(OR 0.78、95% CI 0.67-0.91)
リスク低下と関連がみられた。
逆の関連はすべての民族グループで認められたが、CDの予防の程度は白人(OR 0.78、95% CI 0.66-0.93)
と比較してアジア人(OR 0.31、95%CI 0.20-0.48)で有意に大きかった(P=0.0001)。
母乳育児期間は用量依存的な関連が認められ、12ヵ月以上母乳育児を行った群で最もリスクが
低かった(3または6ヵ月との比較:CD(OR 0.20、95% CI 0.08-0.50)、UC(OR 0.21、95%CI 0.10-0.43))
結論
本メタアナリシスにおいて、乳児期の母乳育児がCDおよびUCの発症を予防することが明らかになった。
(掲載: Alimentary Pharmacology and Therapeutics)
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
● 最近までの栄養学の欠点は、動物性の脂肪が悪いという、見当違いな見識が国民の
健康を蝕んでいるという観点から、日本脂質栄養学会では既に分かっています。
● つまり、赤ん坊の為に母親が作ってきた母乳が、栄養学的には最高という事です。
その観点から、母親が母乳に入れる脂肪酸(動物の脂肪酸)に最高で重要な
脂肪酸が含まれていると考えるのは、理にかなっています。
● 人口乳に少なく母乳に多い脂肪酸は、特に重要と思えます。その1例がEPA/DHAであり、
カプリン酸などです。EPA/DHAは脳を作る必須脂肪酸と云うだけではなく、
抗ウイルス・抗菌作用もあることは分かっています。
● 日本人の頭が良いのは、EPA/DHA(魚と云う動物に多い)の性と世界でも信じられています。
これがなくては養殖魚でさえも生きて行けない重要なものです。
● 更に動物性と云うよりも、中鎖脂肪酸であり飽和脂肪酸でもあるカプリン酸にも
抗ウイルス・抗菌作用があるというのが最近分かり、驚きと云えます。
飽和脂肪酸などは単なるカロリー源と思われていたのに正に驚きです。
● これら脂肪酸を十分与える事で、クローン病や潰瘍性大腸炎が減るかどうかの研究も
是非してほしいものです。