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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)1月21日(木曜日)
通算第4784号
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バーナンキ前FRB議長が中国人民銀行に警告
「SDRに加盟する通貨たるには、もっと透明性が必要だ」
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ベン・バーナンキ前FRB議長は「ヘリコプター・ベン」という異名ととった。空から貨幣をばらまいてでも景気を回復させ、恐慌を避けるという通貨政策をとって、米国経済を持ち直させた功績がある。
そのバーナンキ議長、1月20日に香港で講演し、
「人民銀行はもっと透明性をたかめる為替政策に移行するべきではないか」と発言した。
「そうしなければIMFのSDR入りが原則認可されたとは雖も、世界通貨にはなる機会はない」と極めて強い警告だった。香港で開催された「アジア金融フォーラム」の基調講演で、である。
「多少の改革は行われてきたことはみとめるものの、為替、通貨、債券市場において、人民元が適切な管理体制にあるとは言えず、八月以来の人民元安は、不透明性ゆえに周辺諸国にも株安、通貨安という結果をもたらした」
としてバーナンキ議長は続けた。
「原油安は景気回復に良いニュースであり、ドルは今後もFRBが利上げしようと、利下げしようと、ドル基軸体制は変わらない」。
1月7日にスリランカで開催された「アジア経済フォーラム」で基調講演に立ったジョージ・ソロスは「中国経済の先行きは暗い」と発言している。
「08年のリーマンショックを思い出す。中国は調整という大問題に直面している」と警告を発しているのである。
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● イチイチもっともな発言のようにも見えますが、根本的な疑問が残されているのです。
● 中共は独裁国家であり、人治国家であり、基本的には軍事独裁国家です。
何か事があれば、人民軍とは名ばかりの、各地の軍閥の軍が登場して
国民を圧殺・虐殺する事は、説明もいらないでしょう。
● そのような国に、透明性を求めるのが、基本的にはおかしいのです。経済と政治は
一体であり、不可分のものです。そこを分からないと歴史は読めないのです。
マルクスの予言が十分当たらなかったので、彼の経済構造がそのうえの
政治構造を規定するという説も、無視されているのでしょう。
● カマキリが餌を十分とれるようにと、花に擬態して、寄ってくる昆虫を捕食するのは
有名ですが、中共も本質的にはこの擬態と同じ事なのです。そこが分からない
企業が、飛んで火に入って全てを失うのです。
● ソ連の崩壊を見て、その原因が経済が弱かったからと分析したのが、西欧資本主義と
中国共産党の独裁体制との、その後の擬態密月を齎したのは歴史の皮肉です。
● また経済開発が進めば、民主主義が齎されるという、西欧の独善と思い上がりが
もたらした、歴史を無視する思想です。歴史は過去も現在も民主主義国家は
少数派であることを示していますし、今後もそうです。むしろ西欧の
民主主義の危機が、今からくる最大の危機なのです。
● 今までは、日本や西欧のお金と技術と人材が欲しかったので、人治国家の独裁者が
民主主義国家の言う事を聞いてきました。そのおかげで急激に中共の
発展は達成されました。
● しかし同時に、西欧の経済システムも、経済ショックには十分対処できないし、そもそも
資本主義の仕組を良く知らない、資本主義嫌いの独裁者が資本主義的欠点の
経済崩壊を素直に認めるのには、限度があるのです。
● 今回の経済崩壊で、中共の支配者も其処を、勉強するでしょうから、そろそろ我慢の
限界が近付いていると見るのが、正しいでしょう。何時独裁者の怒りが
爆発するかです。勿論株で大損する経験が重なる時です。
● 2008年のリーマンショックから始まった、中共の崩壊は(一度目)まだまだ先が有ります。
2000年から始まった西欧の崩壊は、そろそろ最後の晩餐が待っています。その時には
勿論上海総合も大暴落は避けられません。2度目の経験です。
● 三度目は、勿論西欧先輩資本主義の大崩壊の時でしょう。2029~2046年です。
西欧資本主義の大崩壊は、中共の擬態民主主義からの大覚醒を齎すと
思われます。
● 今まで素直に従い、USAの経済政策を受け入れてきましたが、それへの怒りが大爆発する
時です。合わないものは合わないのです。
● 旧ソ連とロシアがそうでした。武人から知恵者の絶対王朝を築くべき時代に、エリチィンは
西欧の資本主義の制度を性急に導入して,国富を西欧にほとんど持っていかれようとしました。
その結果経済はどん底まで低下して、気づけばユダヤ資本に殆どが奪われたのです。
● それを奪い返したのがプーチン大統領です。中共も同じような事が起こると思われます。
つまり、USAの経済指導を受け入れた結果が、何故か国富が外に流れるという事態です。
膨大なお金が流失し、株は大暴落してさらに国際金融機関の懐を肥やすのみで
ある事を自覚した時が、覚醒の時でしょう。
● それは何時か? そこが大問題なのです。それとも、国際金融機関と一緒に国民を
収奪をし続けるのでしょうか?つまり、永遠の擬態資本主義を続けると
言う事です。
● 私は不可能と思います。武人時代の庶民が最後は許さないでしょう。それは何時か?
その時こそ、内戦型世界大戦に中共も巻き込まれる時でしょう。
時代の流れは、誰も押しとどめる事はできないのです。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)1月21日(木曜日)
通算第4784号
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バーナンキ前FRB議長が中国人民銀行に警告
「SDRに加盟する通貨たるには、もっと透明性が必要だ」
****************************************
ベン・バーナンキ前FRB議長は「ヘリコプター・ベン」という異名ととった。空から貨幣をばらまいてでも景気を回復させ、恐慌を避けるという通貨政策をとって、米国経済を持ち直させた功績がある。
そのバーナンキ議長、1月20日に香港で講演し、
「人民銀行はもっと透明性をたかめる為替政策に移行するべきではないか」と発言した。
「そうしなければIMFのSDR入りが原則認可されたとは雖も、世界通貨にはなる機会はない」と極めて強い警告だった。香港で開催された「アジア金融フォーラム」の基調講演で、である。
「多少の改革は行われてきたことはみとめるものの、為替、通貨、債券市場において、人民元が適切な管理体制にあるとは言えず、八月以来の人民元安は、不透明性ゆえに周辺諸国にも株安、通貨安という結果をもたらした」
としてバーナンキ議長は続けた。
「原油安は景気回復に良いニュースであり、ドルは今後もFRBが利上げしようと、利下げしようと、ドル基軸体制は変わらない」。
1月7日にスリランカで開催された「アジア経済フォーラム」で基調講演に立ったジョージ・ソロスは「中国経済の先行きは暗い」と発言している。
「08年のリーマンショックを思い出す。中国は調整という大問題に直面している」と警告を発しているのである。
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● イチイチもっともな発言のようにも見えますが、根本的な疑問が残されているのです。
● 中共は独裁国家であり、人治国家であり、基本的には軍事独裁国家です。
何か事があれば、人民軍とは名ばかりの、各地の軍閥の軍が登場して
国民を圧殺・虐殺する事は、説明もいらないでしょう。
● そのような国に、透明性を求めるのが、基本的にはおかしいのです。経済と政治は
一体であり、不可分のものです。そこを分からないと歴史は読めないのです。
マルクスの予言が十分当たらなかったので、彼の経済構造がそのうえの
政治構造を規定するという説も、無視されているのでしょう。
● カマキリが餌を十分とれるようにと、花に擬態して、寄ってくる昆虫を捕食するのは
有名ですが、中共も本質的にはこの擬態と同じ事なのです。そこが分からない
企業が、飛んで火に入って全てを失うのです。
● ソ連の崩壊を見て、その原因が経済が弱かったからと分析したのが、西欧資本主義と
中国共産党の独裁体制との、その後の擬態密月を齎したのは歴史の皮肉です。
● また経済開発が進めば、民主主義が齎されるという、西欧の独善と思い上がりが
もたらした、歴史を無視する思想です。歴史は過去も現在も民主主義国家は
少数派であることを示していますし、今後もそうです。むしろ西欧の
民主主義の危機が、今からくる最大の危機なのです。
● 今までは、日本や西欧のお金と技術と人材が欲しかったので、人治国家の独裁者が
民主主義国家の言う事を聞いてきました。そのおかげで急激に中共の
発展は達成されました。
● しかし同時に、西欧の経済システムも、経済ショックには十分対処できないし、そもそも
資本主義の仕組を良く知らない、資本主義嫌いの独裁者が資本主義的欠点の
経済崩壊を素直に認めるのには、限度があるのです。
● 今回の経済崩壊で、中共の支配者も其処を、勉強するでしょうから、そろそろ我慢の
限界が近付いていると見るのが、正しいでしょう。何時独裁者の怒りが
爆発するかです。勿論株で大損する経験が重なる時です。
● 2008年のリーマンショックから始まった、中共の崩壊は(一度目)まだまだ先が有ります。
2000年から始まった西欧の崩壊は、そろそろ最後の晩餐が待っています。その時には
勿論上海総合も大暴落は避けられません。2度目の経験です。
● 三度目は、勿論西欧先輩資本主義の大崩壊の時でしょう。2029~2046年です。
西欧資本主義の大崩壊は、中共の擬態民主主義からの大覚醒を齎すと
思われます。
● 今まで素直に従い、USAの経済政策を受け入れてきましたが、それへの怒りが大爆発する
時です。合わないものは合わないのです。
● 旧ソ連とロシアがそうでした。武人から知恵者の絶対王朝を築くべき時代に、エリチィンは
西欧の資本主義の制度を性急に導入して,国富を西欧にほとんど持っていかれようとしました。
その結果経済はどん底まで低下して、気づけばユダヤ資本に殆どが奪われたのです。
● それを奪い返したのがプーチン大統領です。中共も同じような事が起こると思われます。
つまり、USAの経済指導を受け入れた結果が、何故か国富が外に流れるという事態です。
膨大なお金が流失し、株は大暴落してさらに国際金融機関の懐を肥やすのみで
ある事を自覚した時が、覚醒の時でしょう。
● それは何時か? そこが大問題なのです。それとも、国際金融機関と一緒に国民を
収奪をし続けるのでしょうか?つまり、永遠の擬態資本主義を続けると
言う事です。
● 私は不可能と思います。武人時代の庶民が最後は許さないでしょう。それは何時か?
その時こそ、内戦型世界大戦に中共も巻き込まれる時でしょう。
時代の流れは、誰も押しとどめる事はできないのです。