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★ http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201106/Ferguson.htm
複雑系の崩壊は突然、急速に起きる
――グローバル経済とアメリカという複雑系の将来 Complexity and collapse
ニオール・ファーガソン ハーバード大学歴史学教授
フォーリン・アフェアーズ リポート 2010年4月号
歴史は循環的で、その流れはゆっくりとしか変化しないという考えがもし間違っていたら。周期性がなく、静的であるとともに、スポーツカーのように、急発進するとしたら。崩壊プロセスが数世紀という時間枠で進むのではなく、夜の泥棒のように、突然にやってくるとしたら。複雑系には一定の特徴がある。小さな刺激で非常に大きな、そして、しばしば予期せぬ変化が急激に起きることだ。グローバル経済はまさしく複雑系だ。格付け会社による米債券の格付けの引き下げといった、突然の悪い知らせが、緊急ニュースとしてヘッドラインを飾る日がやってくるかもしれない。今後を考える上で、非常に重要な鍵を握るのは、こうした突然の変化だ。過去の帝国や現在のグローバル経済のような複雑適応系では、それを構成する一部の有効性に対する信頼がなくなっただけでも、システム全体が非常に大きな問題に直面する。
小見出し
帝国の興亡
複雑系の崩壊
帝国の崩壊は短期間で起きる
複雑系は「カオスの縁」を越えて一気に崩壊する
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● 西欧の崩壊を暗示する、ファーガソンのレポート。しかし巨大な歴史が動くには一瞬と
言えども、人間には十分すぎる時間と言えましょう。台風だって巨大な破壊が一瞬で
起こるかのように見えますが、実際は台風は前もって来ることは分かっています。
● そして歴史上では、定期的に帝国は崩壊することは真実です。従ってその前兆はあるのであり、
予測も出来るはずである。それをファーガソンは複雑系の崩壊で説明しているのです。
カタストロフィーは突然起こる事を、帝国の短時間での崩壊に例えています。
● しかしこれでも漠然とし過ぎている事は、誰も感じている事なのです。ではいつ起こるのかね?
この質問が誰でも知りたい究極の質問なのです。
● そろそろ近いことは、多くの人が感じている事なのでしょう。正義の使者と思っていた
西欧資本主義の嘘と捏造と強欲がもたらす、世界の大混乱と不幸な出来事。
もはやサルでもわかる状況へと世界は突入しているのです。
● それを分からないのが、自作自演のカイロスに浸って利益を得る人たちである、と想像できます。
クロノスという計測できる物理的時間を、質的に一瞬に絶つことが出来るのが、
カイロスとすれば、まさに帝国の崩壊はカイロスの時間と言えます。
● そのカイロスの時を、自分の嗜好と、崩壊してゆく支配階級の嗜好とで見るから、今をカイロスの
時と誤解し、そして永遠の資本主義の繁栄を、屁理屈で期待・待望するのです。
つまり、金融資本主義で膨大な富を蓄えた階級の世紀末嗜好で見るから誤解するのです。
● つまり、マルクスも言ったように、金融帝国資本主義の後は、真の意味での資本主義は存続
出来ないのに、産業資本主義が再び回復すると誤解するのです。言い換えれば西欧・
USAの資本主義が、100年前の華やかな資本主義・製造業を中心とした資本主義に
戻ると誤解するのです。
● それは丁度、老人が不老長寿の薬を飲んで、若返ると誤解するのに似ています。むしろこのような 事は歴史を鳥瞰的に見る歴史学者に任せるのが良いでしょう。彼らは時を正確に刻むのを嫌うが、
しかし、歴史のカイロスの法則は十分認識はしているのです。つまり帝国の興亡の法則です。
● そこにクロノスの正確な時の刻みを導入したのが、私の270年波動説であり、
エリオット波動であり、社会循環論であり、村上節氏の1600年東西文明移動説です。
そこには綺麗に、30年X3X3X3の明白なサイクルが見て取れます。
● 経済の30年基本㌟が作る、歴史の大ロマンです。クロノスとカイロスの織りなす綾が作る、
歴史の大法則です。そのカイロス時の到来が、多くの人が持つ漠然とした世紀末の
感情なのです。
● それを正確に予測するのが、私の270年説です。それに従って判断すれば、歴史の俯瞰を
見る事が出来るのです。まるで神の様に、天上から見るのです。それは即解決策を
与えるものではないが、十分なヒントをあなたに与えるでしょう。
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