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5月からの株価の調整時期は、反黒田総裁の経済学者には、格好の反撃材料を与えていますが
其れもやがて終わると思われます。全てはフラクタルと書きましたが、今回の調整の
フラクタルは、物理現象では減衰振動に典型的にみられます。
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典型的なTriangle 調整は、a,b,c,d,e の5波を呈しますが、長引く場合は最後の波が
つまり最後のe が再度の5波を形成します。つまり合計9波になります。
更に延長する場合は13波を作ります。これがtriangle 調整の原則です。
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延長の時間稼ぎは、次回の投資家の大挙を待つと言う事と、少しでも減衰の振動でも
利益を得ようとする欲望の織りなす結果と思われます。
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今回のドル/円相場や、日経225の調整はその典型でしょう。又原油価格にも典型的な
Triangleの延長が見られます。この理論に従えばそろそろ底が見えてきます。
一般的には最後の波は深くなってから上がりますが、何か事件が有れば、
途中から暴騰が始まると思われます。
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何れにしろ、最後の波、e 又は i の波が下がり始めてからが、買い時でしょう。
上図の右下のexpanding triangle は2000年から始まった今回の西欧の株価の
形を典型的に表しています。普通のTriangle は減衰しながら調整しますが、
expanding triangle は逆に拡大・増幅しながら調整が進みます。
これは1929年の再来の恐怖に駆られた、西欧の中央銀行の政策の結果と思われます。
つまり、今回恐慌が再び来ると予想した西洋の識者の恐怖の現れです。彼らの認識は
1929年時の恐慌時の対応は間違っていたと言うのが、バーナンキさん達の
主張であるのです。つまり、お金をジャブジャブとつぎ込まなかったのが
良くなかったと言う認識の下での、ヘリコプターバーナンキさんの
登場となったのです。そのお蔭で恐慌は起こらず、世界は胸を
なでおろしたと思いますが、しかしelliott波動の解釈は異なります。
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世界の識者の判断間違いは大きく3つ有ると思われます。
? 今回の2000年からの株価調整時に、1929年時と同様な強い混乱が起こると予想した事。
○ エリオット波動上は、今回はスーパーサイクル(?)のサイクル?であり、最後の
サイクル?波の崩壊、つまり2段階上の崩落波・グランドスパーサイクル((?))の
崩壊は、実際は2029〜2046年に起こります。
○ 彼らは、最後の崩壊は2029年〜2046年に起こるとは予想していないと思われます。
? 今回のバーナンキさんの紙幣垂れ流し作戦で上手くいったので安心して、今回の調整は
終わったと誤解している事。
これがバーナンキさんの退任と新しい議長の誕生になったのでしょう。
○ 今回の2000年からのExpanding Triangle の調整は未だ終わっていないのであり、最後の
e 波の到来を忘れています。新しい議長がそれにうまく対処出来ればと期待するのみです。
多分再度の暴落と共和党の垂れ流し反対で、新しい議長は大いに狼狽する事が予想されます。
国際的金融機関の対応戦略が楽しみです。
○ 何れにしろ、今回の波はサイクル級の波の崩壊ですので、極端な混乱はないでしょう。
これは規模的には、米の1966年〜1982年に相当します。
○ 又日本の日銀の本格的な金融政策への復帰と、景気の回復と、円の世界への垂れ流し作戦・
あたかも基軸通貨のような垂れ流し作戦で最後のe波の崩壊による混乱は和らぐと思います。
? 今回の混乱を乗り切り、2018〜2029年までの最後の好景気で、西洋の資本主義は復活したと
錯覚する可能性が有る事。
○ これもある意味では予想されることです。
○ 災害は忘れたころにやってくるのです。日本人ならこの意味が分かるのでしょう。
これこそ宿命です。夜明け前が最も暗い。灯台下暗し。
崩壊して初めてバブルは分かるー実際は予想できますが・・・。
○ この最後の打ち上げ花火で、西洋の資本主義はカムバックしたと認識するほど、
そのグランドスーパーサイクル級の崩壊は悲惨なものに成るでしょう。
● 何事も備えあれば憂いなし。日本人には非常に大切な格言です。
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