★ http://realtime.wsj.com/japan/2015/02/13/%E3%83%94%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E7%90%86%E8%AB%96%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%82%B5%E5%8B%99%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E5%BC%B7%E3%81%84%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8A%9B%EF%BC%9D%E4%BC%8A/
ピケティ理論、日本の債務問題に強い影響力=伊藤元重氏 By PAUL HANNON
Zuma Pressフランスの経済学者トマ・ピケティ氏
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の影響力は、日本政府の財政赤字削減計画にも及び、同国の巨額に上る債務の増加は止まるのだろうか。安倍晋三首相のアドバイザーの1人はそうなるはずだと予想している。
一見すると、ピケティ氏の学説は日本にはあてはまりそうもないように思える。同氏が30カ国の歴史的な所得動向をまとめた「世界最高所得データベース」によると、❶ 日本の所得格差は近年、横ばいか、もしくは縮小しているようだ。
だが、ピケティ氏が著書「21世紀の資本」の後半部分で取り上げた巨額の政府債務の問題は、まさに日本が抱えているものだ。その点に伊藤元重東京大学大学院教授は注目する。伊藤氏は、安倍首相主宰の経済財政諮問会議の民間議員を務めている。伊藤教授はこのほどロンドン滞在中にウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューに応じ、ピケティ氏は日本の経済論壇に「極めて強い影響を与えている」としながらも、❷ 「日本は彼が著書で取り上げている世界とは大きく違っており、所得分配という点ではもっと平等である」と指摘した。しかしだからといって、ピケティ氏が提唱する富裕税は日本には関係ないというわけではない。
伊藤氏は、ピケティ氏が巨額の政府債務は ❸ 緊縮財政、❹ インフレ、ないしは❺ 富裕税によってしか削減できないと結論付けていることに引き付けられた。伊藤氏は、「おそらく、それら3つの組み合わせが必要になるのだろう」とした上で、「財政緊縮は極めて重要だが、それだけで巨額の債務を減らすことはできない。❻ ハイパーインフレではないインフレも必要だが、2%で十分かどうかについては論争の的となっている。第3の富裕税は現在論議されていないが、やがては検討せざるをえなくなろう」と話した。
伊藤教授によれば、日本では富裕税や資産税はこれまでそれほど注目されてこなかった。というのも、❼ 歳入増加策の議論は消費税の追加引き上げに集中していたからだという。消費税の追加増税については、安倍首相が昨年に2017年に延期することを決定した。伊藤氏は❽ 「おそらく近い将来富裕税をめぐる議論がもっと関心を呼ぶようになるだろう」と予想する。
日本は、公的介護を必要とする高齢者が着実に増加を続ける一方、労働人口は減少しているため、財政健全化は困難な闘いになるだろう。新たな歳入増加策が出番を待っているのかもしれない。
原文(英語):Piketty a ‘Strong Influence’ as Japan Eyes Debt
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2015/02/12/piketty-a-strong-influence-as-japan-eyes-debt/
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● 近代西欧資本主義の大原則は、
❶ 中央銀行という名の民間の銀行(日本では半独立)から、お金を借り続けなければいけない事。
❷ その民間の銀行は、勝手に印刷機を回して、お金を造る事が出来る事。
❸ 返済の金利も、その民間の銀行が勝手に決めることが出来る事。
金利は長いコンドラチェフサイクルを作る事。
その金利の操作で、支配層は儲けている事。
● ここでは国民や政府は、基本的にその民間の銀行の政策にタッチできないのです。勿論完全に
タッチできないとなれば、金融独裁政治となりますから、当然ある程度の政府の意見や
国民の意見を聞くと言う過程=選挙が有りますし、
選挙の結果にある程度の制約を受けます。
● 勿論そこでも、基本的に支配者は民間の金融機関≒国際金融機関ですから、彼らの意向が最優先されますが、
危機の時は、所得の分配にある程度の平等化が観られます。危機とは戦争や高度な不景気です。
● これは心理学上も当然予想される事です。戦争なのに一人贅沢は出来ないでしょうし、税金も増えます。
戦争に協力せずに、一人優雅な生活を楽しむことは、公然とはできません。
● これがピケティの云う所得格差が縮んだ現象=❶と❷を説明できますし、日本の経済危機であった
2012年までの現象を説明できます。従ってその国の特殊性がある程度反映されるわけです。
● 従って❺富裕税は、沢山のお金持ちを作ってからの政策と理解すべきです。国民に富裕層に対する
妬みが増大した時がその政策が必要になります。しかし今でも日本は富裕層には意外と
きついと思われます。それは知恵者の高級官僚が権力を握っている為でしょう。
● 彼らが権力を失った時は、逆に富裕層の我が世の春がやってくると予想できます。それは
波動的には、スーパーサイクルの第(Ⅲ)波が終わった時です。第三~四波は相対的
知恵者の時代と崩壊の時ですし、第一波~第二波は相対的武人の時代と崩壊の時です。
● それは、まさに近代先進資本主義=英米仏型が崩壊する時、2029~2046~2059年です。
それ以降は日本の富裕層の時代です。知恵者は後ろに追いやられます。
正に金融帝国主義の時代です。
● 日本で財政緊縮よりも庶民虐めの消費税が先に出たのは、今言ったように知恵者の時代
高級官僚の権力の時代だからです。財政緊縮どころか、自らの給料を真っ先に
上げて食い逃げし、まだ景気が十分回復しないのに消費税をあげる愚策を
するのは、政治家ではない高級官僚が権力を握っているからです。
● 従って高級官僚が権力を握っている間は、❸の緊縮財政はとてもではないが出来ないし、
❺の富裕税は将来の問題となれば、残されたのは、❹インフレ政策となります。
● 現実はそれにまっしぐらに向かっているのです。それが円をどんどん刷って株式市場に
つぎ込むという事に見られ、結果として円安の嵐がやってきています。
既に1~2年前に予想したように、120円/㌦台は普通となりました。
● 今後株式市場の暴落が起これば、ある程度の円高となりますが、それが2年前後で落ち着けば
今度は2029年へ向かって最後の円安の大相場がやってくると予想できます。
160円~180円/ドルへの円安大相場です。
● 他国の資本主義が崩壊するまでは、財政改革もだめ、富裕税も当分お預けとなれば残るは
インフレ政策ですが、2%とか4%とかの枝葉末節はどうでもよいのです。問題なのは
軽いインフレで経済を刺激するという事ですが、問題はそこにあります。
● 金融緩和は何も一国だけの問題ではないし、現在は通貨戦争=お金刷り競争と言われるように
世界が金融緩和をして、やがて来る商品の価格が大暴騰することなのです。
● 長期的に見れば、2%の話でないことは、歴史を見れば判ります。ハイパーインフレには
ならないにしても、きついインフレが来ることは確実です。英国の過去300年間に
金利のチャートを見れば分かります。コンドラチェフサイクルを作る
金利の高い波は、今からやってくることが予想できます。
● その金利の上昇とインフレで、日本の国債は帳消しにできます。又世界のインフレと
日本のインフレは連動していますから、言い換えれば、インフレで世界の政府は
債務を軽減する事を狙っていますので、インフレは日本だけではない、
世界的現象になるのです。
● 勝手に紙幣を刷って、政府に貸し付けるやり方は、FRBのやり方ですが、日本は日銀の
株の半分は政府が握っていますから、実質的に債務は半分になります。つまり
国債金利の半分は政府に戻りますから、いくら金利が上がっても、債務の
半分はない事と同様になります。
● するとGDPに対する200%の債務は、自動的に100%前後となり、他国並みの負債になります。
従って日本が先に破たんするという事はあり得ません。体力の弱い国から破綻します。
● つまり、生産力がなく=製造業の力がなく、民間の預金もなく他国から借りている国から
破たんするのです。つまりギリシア等です。
● 世界一の製造業の国日本・世界一の預金を持っている日本は破綻しようがないのです。
日独を除く世界が先に破たんするという事です。世界同時破綻する時に
日本も危機になりえますが、日本が先に破たんすると言う
巷の意見は間違っているのです。
● 円が78円から120円/ドルに大暴落しても、全くびくともしないどころか、逆に繁栄するのが
日本なのです。従って今後180円/ドル前後に円が大暴落すると、日本の時代が来ると
いう事なのです。他国では通貨の暴落は=経済の破綻ですが、日本は逆なのです。
● 其処を理解できないのが、巷の経済学者の欠点です。素人にも劣るのです。
● ドイツにぶら下がって贅沢を三昧をしている仏の経済学者には日本を分析は出来ないのです。
彼の問題点は
❶ 資本主義国同士でも位相がずれているという事が見えない。
❷ 西欧の近代資本主義と他の絶対王政等の時代との違いが判らない。
❸ 英米仏等の先進近代資本主義が崩壊するという事が見えない。
❹ 贅沢な今の仏の福祉制度は成り立たないという事が見えない。
● 金利がGDPよりも高いのは、ある意味当然の構造です。なにせ支払わない人がいるし、
徳政令もあるし貸した先が死亡や破綻という事もあるのです。
● むしろピケティの偉業から見えてくるのは、金利=金利収益がGDP=成長率を上回ると言うのは
経済学の原則として≒法則として位置づけられるものでしょう。新しい経済学の真理です。
● そして、資本主義はその性格上、金利収益とGDP成長率の差が縮まり、史上最も豊かな時代を
築いたという事なのです。マルクスの予言とは逆の事が歴史では起こったのです。
● 彼の成果は、全く逆に間違って、誤解されています。解釈は間違っているのです。