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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)11月5日(木曜日)
通巻第6689号
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アントは中国マネー市場を食い荒らす蟻だった
上海と香港で上場延期が与えた衝撃、市場は暴落気配
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米大統領選挙の報道の影に隠れた。トランプvsバイデン接戦報道で、日本では投資家いがい関心がないかも知れない。
馬雲率いるアリババ傘下の金融フィンテック企業「アント」が香港と上海でIPO(株式公開)を準備していた。同時上場は快挙とも言われ、また株式市場の暴落を防ぐ効果的手段として、むしろ当局は推奨していたのだ。
上海では申込金だけでも300兆円という天文学的数字、香港でも申し込みは155万人、空前の出来事だったのである。
上場によって、およそ3兆6000億円をかき集め、馬雲はビルゲーツを抜いて世界一の金持ちになるとも言われた。
突然、舞台は暗転し、上場は「延期」された。再検討されて、上場となるのは半年先の話、あるいは上場はなかったことになるかも知れない。
当局が延期を命じたのは、馬への嫉妬ではない。スマホ融資というフィンテックの実態が不明なことであり、また馬発言の「危険度」である。
もし中国が「資本主義市場」というのなら、規制は緩やかで市場は自由にのびやかに、株式には夢に投資するものである。だから馬雲は、「中国にシステミックなリスクはない。なぜ? 中国にはシステムがないからだ」とずばり本質を発言してきた。中国人民銀行は監督官庁でもあり、11月2日に馬雲を呼び出して聴聞した。
アントがスマホで貸し出した金額たるや、過去一年間で116兆元(邦貨換算で1860兆円、日本の国家予算の18倍!)。 現金流通の14倍である。
かくてアント(ANT)は、中国マネー市場を食い荒らす人食い蟻だった
◎▽◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□☆☆
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資本主義でもない・共産主義でもない? 一体何なんだ? 実際は蟻態(擬態)資本主義。既に剥がれた化けの皮。
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