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菅首相の「推薦候補6人の任命拒否」により、にわかに注目を浴びることとなった日本学術会議。各界で同会議を擁護する動きが高まっていますが、彼らと中国の間の「不都合な関係」を疑う声もあるようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、「軍事目的のための研究を行わない」と宣言している同会議が、人民解放軍と無関係のはずがない中国の「千人計画」に積極的に協力しているとするリポートを紹介。さらに彼らを始めとする日本の学者たちが、他国の軍事技術や侵略に寛容な理由を明らかにしています。
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年10月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人を菅首相が任命拒否したということが大きな話題となっていますが、同会議の問題点が次々とあぶり出されている点は、非常に意義があることでしょう。
マスコミなどは、この6人が安倍政権の安保法制などに反対していたから排除されたかのような報じ方ですが、菅首相はそのことを明確に否定していますし、日本学術会議が発表した新会員99人の名簿を見ても、平田オリザ氏など、安倍政権に批判的だった学者が含まれており、反安倍派を意図的に外したという説明には矛盾があります。
私は今年2月19日号のメルマガで、「軍事目的のための科学研究を行わない」と宣言している日本学術会議が、軍事目的の科学研究を行っている中国科学院と交流していることの危うさを指摘しました。
今回の任命拒否で、日本学術会議をはじめ、野党やマスコミ、芸能界などからも「学問の自由が犯される」といった批判が出されていますが、べつに日本学術会議の会員にならなければ学問ができなくなるわけでもなく、学問の自由の問題とはまったく無関係です。
彼らの主張はどことなく、日本の輸出管理において、アジアで唯一「ホワイト国」として優遇されていた韓国が、ホワイト国から除外されて他のアジア国と同じ扱いになったとたんに、「差別的措置だ」などと既得権死守に躍起となった姿と似ていると感じるのは、私だけでしょうか。
しかもかつて日本学術会議は、2016年に防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募した北海道大学に対して、日本学術会議の幹部が北大総長室に押しかけて圧力をかけ、研究を辞退させたことも明らかになっています。つまり、日本学術会議こそが学問の自由を弾圧した張本人だったというわけです。
その一方で、日本学術会議は軍事研究を行っている中国の科学機関と連携し、海外の技術を中国に持ち込ませるために世界中の中国人科学者や外国人科学者を中国に呼び込む「千人計画」に協力しているのです。
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