https://news.yahoo.co.jp/articles/0c2478231c952e722b11e16ed87304acffb269f0
もうニューヨークに未練はない!コロナ禍で、ニューヨークを去る富裕層たち
6/11(木) 18:46配信
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写真:LIMO [リーモ]
黒人差別に対する抗議デモがアメリカ各地に広がり、ニューヨーク市内にもデモに参加する人が大勢集まりました。 コロナ禍では、ニューヨークの超富裕層は優雅に別荘地で自主隔離。結局新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の被害をうけたのは、街の必要業務を担う職業の人々で、医療従事者を除き、その多くは低所得層でした。そのため格差問題を強調することになったのです。抗議デモではただ単に黒人差別だけではなく、こういったアメリカの差別や格差という社会構造の不公平さに対する抗議でもあるといえます。
そんな格差が最も激しいニューヨークではパンデミックで失業した人だけではなく、高い家賃や不健全さを我慢してまで住む価値はあるのかと、街を去るニューヨーカーが増えています。 コロナ禍で多くのレストランやバーなども潰れ、人口流出にも拍車がかかり、姿を変えていくニューヨークの未来について考えます。
空洞化するニューヨーク「今回は今まで以上に複雑だ」「ダメージが深すぎて、影響は長く続くだろう」とニューヨークで慈善基金団体を運営するキャロル・ケラーマンさんは言います(※1)。 今まで、ニューヨークは2001年の9.11の同時多発テロ事件、2008年の金融危機などの他に様々な自然災害に襲われた時も、ニューヨークは強さを増して立ち直ってきました。しかし、今回のパンデミックからはそう簡単に立ち直れないだろうと、ニューヨークの未来に悲観的な意見が目立ちます。 COVID-19はニューヨークが今まで抱えてきた様々な問題を一気に悪化させてしまったのです。
実は、ここ数年ニューヨークでは格差問題の他に人口流出が顕著になり、税収減での財政逼迫や、街中に空き店舗が増えるなどの問題を抱えていました。家賃の高騰が止まらず、昔からの住民は悲鳴を上げて引っ越しせざるを得ない状況でした。また州所得税が高過ぎると、フロリダなど所得税率の低い州へ引っ越す富裕層達も多くなりました。 そして、パンデミックは人口流出に拍車をかけています。3月1日~5月1日の間にニューヨーク市の約5%(約42万人)が街から流出していることが明らかになりました(※2)。