アルツハイマー病発症リスクの抑制に長寿遺伝子が関与か?
米研究
国際医学短信2020年4月24日 (金)配信 一般内科疾患精神科疾患神経内科疾患その他
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「APOE4」遺伝子を保有している人は、アルツハイマー病を発症しやすいことが知られている。しかし、APOE4遺伝子を保有していても、ある特定の遺伝子多型を持っていれば、アルツハイマー病の発症リスクは低下する可能性があることが、米スタンフォード大学医学部のMichael Greicius氏らの研究で示唆された。研究結果の詳細は「JAMA Neurology」4月13日オンライン版に発表された。
APOE遺伝子にはAPOE2、APOE3、APOE4の3つの型があり、中でもAPOE4遺伝子を持っている人は、アルツハイマー病の発症リスクが平均よりも高いとされている。ただ、このAPOE4遺伝子を保有する人の全てがアルツハイマー病を発症するわけではないことから、「この理由を突き止めることが重要だった」とGreicius氏は説明している。
Greicius氏らは今回、公開されている研究データベースを用いて、APOE4遺伝子を保有する60歳以上の男女2万2,748人のデータを収集して解析した。対象者には、思考力や記憶力に問題がない人だけでなく、アルツハイマー病や軽度認知障害(MCI)がある人も含まれていた。
その結果、APOE4遺伝子保有者のうち、「クロトー(klotho)」と呼ばれるタンパク質の保護的な遺伝子多型を1コピー保有している人では、80歳になるまでにアルツハイマー病を発症するリスクが30%低いことが分かった。しかし、APOE4遺伝子を保有していない人では、この遺伝子多型を持っていても認知症リスクの低下は認められなかった。そのため、Greicius氏は「このクロトー遺伝子の多型とAPOE4遺伝子の間でなんらかの相互作用が働いている可能性がある」との見方を示している。
クロトー遺伝子は、ギリシャ神話の神ゼウスの娘で、生命の糸を紡ぐ女神クロトーにちなんで名付けられた。近年、マウスの実験やヒトの研究を通じて、この遺伝子は老化防止に重要な役割を担うことが明らかになりつつある。
Greicius氏は「クロトー遺伝子は長寿遺伝子だといえる」とした上で、「APOE4遺伝子を保有する全員がアルツハイマー病を発症するわけではない理由には、クロトー遺伝子が関与している可能性がある」と述べている。ただ、APOE4遺伝子による悪影響をクロトー遺伝子がどのように弱めているのかは不明であり、「それを解明できれば、アルツハイマー病の新たな治療法や予防法の開発につながる可能性がある」と話している。
付随論評を執筆した「JAMA Neurology」の編集委員で神経学者のDena Dubal氏は「例えば、マウスの実験では、クロトー遺伝子の発現量が多いほど脳機能が活性化することが示されているなど、基礎研究からいくつかの手がかりが得られている」と説明。「健康的な生活習慣とともに、クロトー遺伝子は、APOE4遺伝子を保有するアルツハイマー病患者の治療標的となる可能性がある」と述べている。
また、この研究結果から「APOE4遺伝子保有者は、クロトー遺伝子の遺伝子型を調べる必要があるのか」という疑問が生じるが、この点についても「さらなる研究が必要だ」とGreicius氏は話している。
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● つまり遺伝子が良くても、環境が悪いと、長生きは出来ないのです。
環境とは、食生活・汚染・ウイルス感染等の複合因子です。
● 具体的に言うと、AD=アルツハイマー型認知症の背景因子は
❶ 食生活が悪い≒低たんぱく食、グルテンリッチ、糖質過剰等。
栄養因子でいえば、ビタミンD欠乏症・タウリン欠乏、
にEPA/DHA欠乏です。
❷ 環境因子とは、アスベスト汚染であり、重金属汚染などです。
❸ 上記を汚染を背景に、弱った細胞に、癌ウイルス・
HPV-16&18+αが感染して癌・AD/AUTISM等を
起こすのです。
● これらを理解したときに、病気は根絶されるのです。