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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月19日(日曜日)
通巻6455号
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湖北省公務員が湖北省政府を相手取って訴訟を起こした。
「情報の隠蔽が感染の拡大を招き人民の生命と財産に重大な損失を与えた」
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中国でも正論を言う人間が出現した。
湖北省の公園管理職員、譚軍氏は湖北省政府を相手取って訴訟を起こした。
武漢市の中級法院に告訴した理由は「情報の隠蔽が感染の拡大を招いたのであり、人民の生命と財産に重大な損失を与えた」とした。
形式は損害賠償ではなく、省政府の謝罪要求である。しかし公務員が政府を相手に告訴は中国では珍しい。
とくに原告の譚軍は、昨師走からすでに感染が起きていたにも関わらず湖北省政府が1月11日の公式文書において否定していたことを証拠文書としてあげ、そのうえ感染が急拡大していた時期にさえ感染情報を隠蔽し、湖北省人民代表大会を武漢で開催した。このため参加した各地の代表から各地に感染が拡大してしまったと訴えた。
4月8日、武漢市は無謀にも封鎖を解いたところ、飛行機、新幹線、自家用車を駆使して初日だけで66000名が武漢を脱出した。
この人たちが中国全土で第二次感染を拡げる危険性があるため、北京などは武漢からの入域を一日千名に制限して対応した。
米国は各地で中国に損害賠償請求の裁判を起こしているが、トルコ、エジプトでも同様な動きがあり、英国でも、中国を訴追する主張が顕著となっている。
企業の損害としては最悪の被害を受けているのは日本だ。しかし日本企業は訴訟になれないため、英米の動きを静観しているばかりである。
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