「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)3月20日(金曜日)弐
通巻6411号
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ボーイング経営危機が正念場。航空業界を救済できるのか
EUは移民政策を逆転するのか。黄禍論から華禍論へ
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EUは移民政策の失敗に気が付いた。野放図な中国人を際限なく受け入れ、不法移民に目をつむり、麻薬、武器の密輸は取り締まっても、マフィアはEU内のギャングと組んで、警察の目を逃れる。夥しい売春婦も入り込んだ。
この放漫政策は武漢ウィルス災禍で最悪の被害をうけることとなった。フランス、ドイツでも死者が急増しており、EUは過去の「シェンゲン協定」の見直しに迫られる。
ついにイタリアのコロナウィルス死者が中国の犠牲者数を超えた(イタリア=3405、中国=3242人、3月19日速報=数字はサウスチャイナ・モーニングポスト)。
EU各国は国境を閉めた。この日、世界全体の感染者227105名、死者は9642名に達した。恐怖心理が世界に拡散した。
イスラム圏への感染拡大も、イランで死者が1284人、中東全域からアジアのイスラム圏、とりわけマレーシアとインドネシアに急拡大し、インドでもイスラムが一億五千万前後も人いるためモディ政権は短期の戒厳令を敷く。ブラジル、フィリピンも国境を閉めた。
米国の死者が150名を超えた。
いずれもチャイナタウンの密集するニューヨーク、西海岸のワシントン州(シアトルがボーイングの本社)、カリフォルニア、そしてフロリダ州である。カリフォルニア州知事は「ホームレス六万人が危ない」と警告した。
一方、水際作戦に成功したのは台湾とイスラエル。いずれも常日頃、戦争に備えての緊急マニアルがあって、日ごろからの軍事訓練を怠らなかったからだ。
イスラエルは外国人の入国を拒否したばかりか、ワクチン開発に成功したと報じられている。
世界で株式市場が下落を繰り返しているが、第一は中国とのサプライチェーン寸断に拠る製造業、とくに自動車、半導体とその部品、原材料。第二が旅行業界、ホテル、バスばかりか、この根幹産業が航空機である。
日本のJAL、ANAがスタッフの交代休業。六割の便数削減、株価は四割から半額ちかくに下落し、見通しが暗い。
トランプ政権はボーイングの救済を検討している。
旅客が正常の戻るのは、少なくとも一年後、最悪ケースは18ケ月かかるとの予測が欧米のメディアに目立つようになった。そして欧米では「黄禍論」というより「華禍論」が広がっている。
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