「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和弐年(2020)1月8日(水曜日)
通巻6335号
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米空軍、偶然にしてはできすぎ。52機のF35がユタ州で戦闘訓練
トランプは「イランが米国を狙ったテロを展開すれば、52ケ所を攻撃する」
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ユタ州にある米空軍基地。1月6日午前11時ごろから52機のF35ライトニング・ジェット戦闘機が次々と飛び出し、飛行並び戦闘訓練を行ったことが分かった。
なぜ「52機」?
イラン革命防衛隊司令官スレイマニは「英雄」か「悪魔」か、と問えばイランでは前者、西側ならびにイスラエル、サウジから見れば、後者だろう。
革命防衛隊の中核は「コッズ部隊」(ペルシア語でエルサレムの意味)。このエリート軍団はハメネイ師直属の部隊であり、全体で革命防衛隊という「エリート軍人」は12万5千人の規模を誇る。ただし西側に漏れてくる情報によれば、イラン国民からは蛇蝎のように嫌われ、評判は悪い。
というのも革命防衛隊が、イランの利権を寡占しているからだ。
殺害されたスレイマニ司令官は、米国流に比喩すればCIAとFBI長官を兼ねた軍のトップ、つまり「コッズ部隊」とは防諜組織でもある。
なかでもスレイマニ司令官はイランの西側を担当し、イラク、シリア、レバノン、ガザ地区にイランの代理兵を送り込み、軍事訓練を施し、資金と武器を供与してきた。
新任のガアニ新司令官(副司令官から昇格)は東側(パキスタン、アフガン)担当だった。
したがってペトラウス米陸軍大将(前CIA長官)がのべたように「スレイマン殺害はビン・ラディンやバグダディ排除よりも重要な意味を持つ」のだ。
さてイランは米国への復習を誓ったが、もし米国側の軍事施設などが攻撃されると、トランプ大統領はただちに52ケ所を爆撃し報復すると警告を発した。
なぜ52ケ所が標的なのかと言えば、米国が未曽有の屈辱を味わった1979年のテヘランの大使館人質事件で、拘束されていたアメリカ人は52名だった。
しかも444日間、拘束され、無能のカーターが立案した「砂漠の嵐作戦」というヘリコプター部隊による救出作戦は、砂嵐のために失敗した。米国は二重に恥辱を味わい、1980年のレーガン大勝利がもたらされた。
ゆえに52ケ所、(444発のミサイルをお見舞いするとは言わなかったが。。。)
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