「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)11月5日(火曜日)弐
通巻第6262号
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中国の農村部で「極貧層」は、むしろ増えていた!。
習近平演説の「貧困農家は劇的に減った」という報告はウソだ
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第一に中国経済の低成長。GDP成長率の鈍化。
第二に米中貿易戦争の悪影響。
第三はハイテク技術の継続的な中国への移転に蹉跌が生じたため、次の産業の覇者を決めるレースに中国が残れるのか、どうかという状況になった。これらの要因が次ぎに農村の経済を痛めつける。
GDP成長率は三月の全人代で6%から6・5%と謳われた。となると、あらゆる行政単位、国有企業は6%以上を狙うために無理やりの生産を続ける。需要は無視される。市場経済なら自由競争のもと、需給関係で生産計画もたつが、計画経済では最初にノルマありき、ノルマ達成だけが目的となる。
取り残された農村。
中国農業部系のシンクタンクの報告によれば、農村の生産は2004年以後、一貫して下降している。とくに直近のデータは20%の落ち込みを示した。
習近平演説では「2013年から2018年までに8239万人の農民を貧困から救い上げた」と自慢げにいう。
改革開放の四十年で、7億人の農民の生活は向上した。過去二年ほどで、農村人口と都市人口は逆転したと報じられた。
だが都会への出稼ぎも、工場閉鎖、解雇、工事現場の激減により、夥しい労働者は農村へ帰った。ところが帰農してみれば、農地がなかった。ハイウェイに化けていたり、マンションになっていたり、でなければ荒地に変わり果てていた。
2018年に貧農の所得は145ドルだった。それが2019年六月末の速報で114ドルに落ち込んでいた。河南省の裕福な農家でも年収平均が707ドル(月収ではなく、年収が8万円弱)、農業、農民、農村という「三農」問題は解決されるどころか悪化していたのが実態だった。
□△○み△□△○や△△○ざ◎△□○き□△□
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共産主義者曰く“共産主義では・すべて国家のもの。すべて取り上げて何が悪い?!。
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