「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)10月29日(火曜日)
通巻第6254号 <前日発行>
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習近平の政治生命を賭けた四中全会、始まる
中国的「現代化」とは非西洋化である。法治とは党支配の意味だ
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2019年10月28日から、延び延びになっていた中国共産党中央委員会総会(いわゆる「四中全会」)が開始された。
中央委員、同委員候補らおよそ400名が出席したと見られるが、場所も宿舎も不明という徹底した秘密会議で、会期は四日間。
予測される議題は米中貿易戦争、国内の貧困問題と経済の行き詰まりをいかに立て直すか、そして香港問題。最終日に小幅な人事が発表されるという。政治刷新のための改革が討論されるのか、どうか。熾烈な激論が戦わされる可能性は低い、だから習近平は弐年間伸ばしてきた同会を開催するのだ。
前年2018年一月に習近平が幹部会で秘密演説を行い、「われわれが党を再建できるか、或いは我々が党を破壊するのか」と訴えたと『求是』の直近号が伝えた。
つまり、習近平にとっては、いまや九千万人もいる党員を主導し、党のパワーを確乎たるものにすること(同時にそれは習の権力を集中する)にもっぱらの関心があり、「共産主義イデオロギーを希釈させたため、そして党の締め付けを弛緩させた結果、ソ連は崩壊したのだ。中国共産党はそうあってはならない。資本主義というのは西側が中国に仕掛けた罠であり、まして『法治』とは、共産党が決め、そして指導する法律による統治のことである。われわれの立場は非西洋化なのだ」と発言したらしい。
要するに西側の概念である「法治」は、中国ではまったく意味が異なり、また「市場主義」というのも、「中国的社会主義市場主義」というユニークは表現がなされているように西側のマーケットとは同一視できないシロモノである。
最終日は若干の人事発表がなされる予定で、内蒙古省と寧夏省のトップ人事が交替するなど小幅な、順当な入れ替えが行われるだとう。
チャイナウォッチャーの一部には「陳敏爾と胡春華が、ふたり同時に政治局常務委員となる」と大胆な予測を建てる向きもある。
□△○み△□△○や△△○ざ◎△□○き□△□
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独裁国家の本質が現れる中共。擬態資本主義とはこのような事。
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