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Black Swan        

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)8月16日(金曜日)
        通算第6171号  <前日発行>
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 ブラックスワン(黒い白鳥)は香港だった。あり得ないことが起きた
  中国武装警察(第二軍)、深せんスポーツ・スタディアムに百数十両の軍用車両集結
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 「トランプ大統領の香港問題への態度は微温的だ。もっと人道のもとる中国を非難すべきである」と連邦議会からの突き上げが激しい。「生ぬるい」と批判する代表格はペロシ下院議長だが与党議員も同調している。

 「われわれの情報機関に拠れば中国の武装した部隊が香港との国境付近に集結している。誰も怪我をしないように。誰も死なないように」とトランプ大統領がツィートした。

 香港騒乱の黒幕はアメリカの陰謀だと攻撃しているのは中国である。
香港國際空港を占拠し、結果的に1000便の欠航となった。中国は抗議の学生を「テロリスト」と呼び、軍事介入を示唆した。しかし学生が滑走路を妨害したわけでもなく、旅客の安全を理由に欠航したのは香港当局。これは手の込んだ嫌がらせで、抗議側を「悪」に印象づけるためである。

一連の香港の騒擾は誰が黒幕か? 米国の資金は平和団体、人権団体に多少は流れ込んでいるが、この資金は抗議集会やデモ隊の資金ではない。クラウドファンディングで、匿名の資金が在米華僑からも流れ込んだのは事実だろう。

現時点で判明している最大のスポンサーはジミー・ライ(頼智英)である。彼はリンゴ日報の社長だ。系列のアパレル店舗が放火されても、自宅に火焔瓶が投げ込まれても、ひるまずに中国共産党の悪政を批判し続ける。

2019年7月8日、ジミー・ライは訪米し、ホワイトハウスでベンス副大統領、ポンペオ国務長官と面会していた。一民間人にこの厚遇は注目しておく必要がある。

トランプ大統領は、14日夜に、それまで香港問題には曖昧な中立姿勢を堅持していたが、すこし変化がでた。
しかしロス商務長官などは、「香港のことは中国の内政問題だ」と発言しているほど、冷淡である。

トランプ大統領は、変ロ長調。「習近平は偉大で賢い指導者だ。米中貿易関税の話し合いの前に、まず習主席は香港ファーストで、この問題を平穏に解決するべきだ」とツィートした。米中株式市場は荒れているが、日本の株安はとまらず、香港問題が心理的不安材料として大きく被さってきた。

なにしろ「ブラックスワンは香港にいた」。あり得ないことが起きたのだから。やはり「香港がブラックスワンだ」(スティーブ・アイズマン)。
アイズマンはウォール街の投資家だが、2008年にサブプライムローンの破綻を予想したことで知られる。ウォール街の大暴落と金融再編という大波乱に至ったのは、サブプライムというブラックスワンだと示唆した。


▲次は18日(日曜日)が合い言葉。日本政府、海外渡航に注意喚起へ

香港の学生や若者が、ボランティアで、自らの小遣い銭を使い、何を求めて抗議するのか。利害を超えた行動を全体主義を報じ、自由を踏みにじる中国共産党には理解できない。人民は支配するだけの対象だから、香港の若者が「自由」とか「民主」という価値観を共有し、中国共産党に挑戦してきたことを理解できないのである。
世界の指導者も大きな関心を寄せ、ドイツのメルケル首相は習近平に「自制」を強く促した。

さて次ぎに何をやらかすか、場所は何処か。なにしろSNSで連絡し取り合っている香港の抗議行動参加者には強いリーダーが不在である。
しかもデモ隊の指揮系統は整合されておらず、黒幕も不在、リーダーの組織統一が出来ず、参加者の行動を末端まで制御出来ていない。だから一部が暴走する

 週末から18日(日曜)にかけて学生、若者はまた新しい取り組みに挑戦する。そのとき、中国が介入するか、しないか。
まだ香港からブラックスワンは飛び立たちそうにない。
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