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経済はサイクル・理論もサイクル。全て過去のお化粧直し。繰り返しは当然のこと。

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 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

     2019/06/02

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経済学の“主流派”

From 三橋貴明

【近況】
現在の”主流派”経済学は、新古典派経済学など、
新自由主義、グローバリズムの基盤になっている経済学ですが、
以前は”ケインズ”的な考え方が主流派でした。

ケインズ的とは、簡単に書くと、
経済において「政治」の役割を重視する発想になります。

新古典派(昔は古典派)の
「経済は市場に任せておけばいい。
政治が関与するとインフレ率が上がる」では、
1929年に始まった世界大恐慌を解決できなかった。

しかも、第二次世界大戦も勃発。

経済において政治の関与を強める必要性が、
ケインズ的な経済学を”主流派”に押し上げ、
西側先進国は前代未聞の
高度成長期を迎えることになったのでした。

当時の新古典派の経済学者たち
(フリードマンやブキャナンなど)の本を読むと、
傍流に追いやられた「ルサンチマン」の思いが、
ひしひしと感じ取れます。

特に、ブキャナンは
政治の経済への関与を「敵視」していました。理由は、
「政治家は有権者の票で動く。
有権者は我が儘だ。我が儘な有権者の声に従い、
政治家が財政を拡大すると、インフレ率高騰を止められなくなる!」

というわけでございまして、ブキャナンは
「財政を政治家に任せてはダメだ。財政均衡を憲法に書け!」
とまで主張したのです。財政民主主義、全否定でございますね。

お分かりでしょうが、現代において、
MMT(現代貨幣理論)と主流派経済学の対立は、
まさに過去の「新古典派(古典派) 対 ケインズ派」の延長線上にあるのです。

MMTは「異端」扱いされていますが、
かつては主流派だったケインズ、
さらにはラーナー、シュンペーター、
ハイマン・ミンスキー、ガルブレイスといった
「知の巨人」たちの後継者です。
ぽっと出の経済学ではないのでございますよ。

かつて、大恐慌期に古典派は
ケインズ派によって「傍流」に追いやられました。
その後、70年代のスタグフレーション期、
今度はケインズ派が追い落とされ、
新古典派が「主流派」になりました。

上記の対立を理解すると、
なぜ(現在の)主流派経済学者たちが、
MMTを血眼になって批判しているのか、
その根本が分かると思います。

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