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Channel: 歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学
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体制に関係なく、経済は私的所有が公的所有より強し

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★  https://forbesjapan.com/articles/detail/25353/1/1/1


ベネズエラは「崩壊寸前」、なぜそこまで追い込まれたのか

活気ある新興市場経済を崩壊の危機に追い込むのに必要なものは、汚職と革命、そしてインフレーションの3つだ。ベネズエラの国民は、これら全ての影響が時間をかけて国内に広がっていくさまを目の当たりにしてきた。

さらに国民は、カルロス・アンドレス・ペレスからウゴ・チャベス、そしてニコラス・マドゥロまで、何人もの「革命家」たちの数々の政策の失敗を目にしてきた。彼らはいずれも、天然資源も人的資源も豊富なこの国が崩壊寸前の状態に陥ったことに対する責任を負っている。

社会学者で歴史学者でもあるライナー・ツィテルマンによれば、失敗した政策ばかりが並ぶベネズエラの「プレイブック」が採用されたのは、1970年代後半だ。問題は国有化と労働市場に関する規制の波から始まったという。それは、「チャベスが政権の座に就き、事態を一層悪化させるよりずっと以前のことだ」。

労働市場の規制に大きな問題があったとするツィテルマンは、「賃金を除いた労働者1人当たりの人件費は、1972年には賃金5.35カ月分だった。それが1992年には同8.98カ月分にまで大幅に上昇した」と指摘する。

このプレイブックは、2度にわたって大統領となり(1969~74年、1994~99年)、価格統制や手厚い補助金の提供などを行ったラファエル・カルデラ・ロドリゲスと、その「奇妙な仲間たち」によって使われ続けた。彼らは原油価格を水より安くし、財政赤字をますます拡大させた。それだけではない。外国の製造業者に有利になる為替管理制度も導入した。

キューバのカストロ主義と、チェ・ゲバラやサルバドール・アジェンデの反米主義の一部を借りた現代版ボリバル主義(社会主義)は、ベネズエラ経済にさらなる問題を引き起こした。

2013年にチャベスが死去した後には、その後継者とされていたニコラス・マドゥロが新大統領に就任。酪農やコーヒー、肥料、靴などの生産、スーパーマーケットの事業などを相次ぎ国営化した。だが、多くはその後、「縮小または完全に停止」している。


原油価格が下落すると、事態は一層悪化した。価格は2013年後半の1バレル当たり111ドルから、1年後には同57.60ドルまで急落。さらにその1年後には同37.60ドルとなり、2016年には同27.10ドル~57.30ドル(約2900~6200円)の水準で推移した。

ツィテルマンによれば、「これにより、チャベスの社会主義政策の致命的な影響が決定的なものとなった。(ベネズエラの)システム全体が崩壊した。その他の国々でも明らかにされてきたとおり、価格統制はインフレと闘うための効率的な手段にはなり得ないだけでなく、事態を悪化させるだけだ」。

ベネズエラの急激なインフレはこうして始まり、「インフレ率は2016年、225%に達した。南スーダンを除いて、世界中のどこよりも高い水準となった」。

「中央銀行の内部報告書によると、2016年は国内総生産(GDP)が前年比マイナス19%となっていた。実質的なインフレ率は、恐らく800%近くになっていたと考えられる」

このような状況になれば何が起きるか、経済学者たちは嫌というほどよく知っている。ツィテルマンはさらに、次のように指摘する。

「人々は非常に安価で売られているものを買い、それらをため込み始める。また、繰り返し何時間も行列に並んでモノを買い、ずっと高い値段でそれらを闇市で売る」

「要するに、社会主義の実験が再び行われ、再び失敗したということだ。過去100年のほど間に行われたその他の全ての実験がそうだったように──」

国が崩壊の危機にひんする中で、ベネズエラの国民は多大な犠牲を払っている。

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● 馬鹿は同じ失敗を繰り返すとは、このようなことでしょう。マルクスの
  過ちはまさにこの点にあります。初期資本主義の悲惨さを分析して
  その原因を私的所有に求めたことが間違いの始まりです。。

● 初めての社会主義の実験で有ったソ連では、見てきたように、すべての
  国民が怠け者となって、経済も崩壊しました。もちろん生産手段が
  殆ど公的所有で有ったために、国民が怠惰になったのです。

● 資本主義、社会主義にかかわらず、生産手段の根幹は、やはり私的所有が
  経済的には強いようです。なんでも公的所有では意欲が湧かない
  というものです。そのうち子供の生産も公的所有になりえます。

● つまり、社会を作る基本的単位である、家族構成も公的となれば、倫理も
  へったくれも無くなります。自分の体は自分のものですがそれがすべて
  公的なものとされるのであれば、個人の精神も壊れるでしょう。

● つまり、本来個人的な存在である人間は、ある程度の私的所有がないと
  体も心も家族も社会も維持できないという事なのです。
  それが生産手段の国有化の失敗で分かります。

● しかし、私的所有の下では、一部の大金持ちが生じて、嫉妬に狂う
  一部の人による、公的所有への回帰願望はいつの時代でも見られる
  のでしょう。歴史を知らない馬鹿は同じ失敗を繰り返すものです。

● 社会主義中国のすごいところは、その欠点をすぐに学習して、擬態
  資本主義として繁栄したことにあります。経済的にはある程度の
  私的所有とある程度の金持ちの存在を認めることが重要なのです。





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