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タリバニスタンは歴史の流れ 

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)2月26日(火曜日)弐
         通巻第6004号    
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 アフガニスタン和平交渉、大詰めか
米国とタリバンがカタールで直接対話
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 世界史にはよくある話。
 アルカィーダはCIAが育てた。首魁のオサマ・ビン・ラディンンは米国を裏切り、NY同時テロをやってのけ、怒り心頭の米国は、特殊部隊を送り込んでパキスタンに潜伏中だったオサマを殺害した。

 NYテロから十年の歳月が過ぎ去っていた。襲撃は海軍特殊部隊のシールズの仕業と思われていたが、のちにシールズから独立した海軍特殊戦闘開発グループ(DEVGRU)の訓練の結果を分かった。
 
 米軍の報復はドイツなど多国籍軍を形成し、兵站の空輸ではロシアすら上空通過を認めた。
 パキスタンに四つの空軍基地を借り受け、パキスタンの核開発にも目を瞑り、北のキルギスのマナスにも海兵隊の兵站基地を置き、大軍を投入した米国のアフガニスタン戦争が始まった。
そして17年の歳月が流れ、米国の傀儡といわれるカブール政権は、汚職が凄まじく、しかもタリバンとの戦闘には弱い。米軍は引き揚げたい。だが、いま撤収すればタリバンの天下になる。

 しかしトランプ政権は異なった。明確にアフガニスタンからの撤退を公約し、ペンタゴンと対立しながらも、孤立主義の色彩を日一日を濃くしている。シリアから撤退すると言えば、クルド族は「裏切り」と非難したように、カブール政権は「タリバンと交渉するなど、米国は我々を裏切るのか」ということになる。
 だが、米国はいつもそうやって間違いばかりしてきた国である。

 米国はタリバンと直接交渉を水面下で進行させてきた。2月25日にカタールの首都ドーハで、米特別代表のカリザドと、タリバンを代表してムラー・バラダルが会談し、交渉は大詰めを迎えた観がある。
 米国の撤退条件は「ふたたびアフガンをテロの出撃基地にしない」。タリバンは、そうした条件は戦術的選択として受け入れやすく、和平成立し、米軍の撤退後は、ベトナムがそうであったように『内戦』が始まるだろう。そしてアフガニスタンは「タリバニスタン」になるだろう。

 一方、米国とタリバンの動きを警戒するカブールは、カルザイ元大統領が、ロシアとのチャンネルを拓き、モスクワを仲介させる別の交渉ルートを模索しているという(パキスタンの有力紙『ザ・ドーン』、2月26日)。


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● オスマントルコ(戦士・戦国時代)の崩壊後は、中東は知恵者・
  賢者の国(日本でいえば江戸時代)に移行しています。
  したがって民主主義はあり得ない体制といえます。

● 1990年の旧ソ連の崩壊後のロシアがこの時代に相当します。
  270年の体制の流れは、世界帝国のUSAといえども
  変えることは出来ないのです。

● 言い換えれば、アフガニスタンでの資本主義国家・民主主義国家
  の体制はあり得ないのです。2180年前後までタリバン
  又はタリバンような組織が支配するということです。

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