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n-3系脂肪酸の血中濃度と冠動脈疾患リスクとの関係は?― 多目的コホート研究から
提供元: HealthDay News 公開日:2018/02/08
魚に豊富に含まれるn-3 系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の血中濃度が高いと、冠動脈疾患(CHD)全体のリスク低減とは関連しないものの、致死性のCHDリスクは低下する可能性があると、国立がん研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)グループが「Atherosclerosis」2017年12月8日オンライン版に発表した。
これまでの研究で、魚やn-3 系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の摂取量が多いとCHDリスクが低減する可能性が示されている。JPHC Studyでも既に魚とn-3 PUFAの摂取量が多い人ではCHDリスクが低下するとの研究結果を報告しているが(Circulation 2006; 113: 195-202)、日本人におけるn-3 PUFAの血中濃度とCHDリスクとの関連は明らかにされていない。研究グループは今回、JPHC Studyに参加した一般住民から提供された保存血液を用いてn-3 PUFA〔エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)〕の血中濃度とCHD発症リスクとの関連を調べるコホート内症例対照研究を行った。
研究では、まず1990年および1993年に全国9地域に在住し、循環器疾患やがんの既往がない40~69歳の男女約3万4,000人を対象に2007年まで追跡した(追跡期間は平均13.5年)。研究開始時点に保存血液を提供し、CHDを発症した209人と年齢や性、採血日などをマッチさせた対照群(CHD発症例1人に対し2人、418人)を抽出し、計627人の保存血液を用いて測定したn-3 PUFAの血中濃度とCHDリスクとの関連を調べた。CHDを発症した209人の内訳は、心筋梗塞が168人、心臓突然死が41人で、非致死性が157人、致死性が52人であった。
対象者をn-3 PUFAの血中濃度で4分位に分けて、血中濃度が最も低い群を基準として各群のCHDリスクと比較したところ、多変量ロジスティック解析の結果、CHD全体ではn-3 PUFAの血中濃度とCHDリスクとの間に有意な関連は認められなかった(血中濃度が最も低い群に対する最も高い群のオッズ比は0.79、95%信頼区間0.41~1.51、P=0.51)。また、非致死性のCHDについても同様に両者の間に関連は認められなかったが、致死性のCHDについては、n-3 PUFAの血中濃度が最も低い群と比べて最も高い群で88%の有意なリスク低下が認められた(同0.12、0.02~0.75、P=0.03)。
研究グループによると、この結果は致死性のCHDでのみn-3 PUFAとCHDの関連が認められた欧米のメタ解析と一致していた一方で、2006年に研究グループが発表した研究結果(アンケートから算出したn-3 PUFAの摂取量は非致死性のCHDとのみ関連)とは一致していなかった。そのため、研究グループは「今回の研究では致死性のCHDの症例数が少なかったため結果が偶然に得られた可能性も否定できない。今後、アジア圏でのさらなる研究の蓄積が待たれる」との見解を示している。
[2018年1月22日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
原著論文はこちら
Hamazaki K, et al. Atherosclerosis. 2017 Dec 8. [Epub ahead of print]
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● 既に何十年前に、古くて年代を思い出せないが、犬の実験で確定しています。
犬のグループを2つに分けて、一方はEPA/DHAを十分与え、他方は
欠乏状態にして、心筋梗塞を起こした実験がありました。
● 冠動脈を結紮して、人為的に心筋梗塞を起こすのです。EPA/DHAを十分投与した
群は殆ど助かりましたが、他方は殆どが死んだのです。それだけでも
十分価値のある実験結果です。
● まず、EPA/DHA(ωー3系の脂肪酸)は、必須脂肪酸という事の認識と、それの
作用を阻害するものは、リノール酸系(ωー6系脂肪酸)という専門なら
当然知っているべき知識があれば、
● 更にリノール酸系の血中濃度も調べて、それとの関係をも調べるべきでしょう。
例えば、ω3とω6系の比率との関係などです。何十年前に分かっている
結論を焼き直したいなら、少しは進歩した研究をしてほしいものです。
● 論文数を増やすためだけの、研究にしか見えません。今はデータが多くても
パソコンで処理できますから、分析因子が多くても対処は出来るでしょう。
もう少し興奮する新しい内容が欲しいものです。