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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月29日(水曜日)参
通巻第5529号
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トビリシ(グルジアの首都)で「一帯一路」会議開催に50ヶ国代表
アゼルバイジャンからトルコへの鉄道が開通。その中継地がグルジア
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2017年11月27日、ハンガリーの首都ブタペストで「東欧+中国」サミットが開催され、旧東欧諸国16ヶ国が一同に会し、中国の「一帯一路」プロジェクトへの熱意を伝えた。
中国からは李克強首相が参加し、およそ4000億円の支援をおこなうと表明した。
実際にハンガリーに対して中国はすでに20億ユーロを投資しており、ポーランドよりも巨額で、旧東欧における中国進出の旗振り役を演じている。同国のオルバン首相は、シリア難民受け入れを強固に反対してEUとの間に溝ができた。
チェコも中国との取引増大に関心を寄せるほか、バルト三国、スロバキアに加えて旧ユーゴスラビアからはコソボを除く六ヶ国、そしてブルガリア、ルーマニアから代表が集まった。(コソボを中国は外交承認していない)。
それもこれもアテにしたEU諸国からの投資が不十分であり、ロシアへのバランスから欧米はNATO拡大には熱心だったが経済的協力は精彩を欠いた。ならば「東方の龍」の投資をアテにしようかということになる。
EUはEUで、これは「欧州分断を狙う中国の策謀」と捉えて、旧東欧に中国の影響力増大を警戒している。
同日、グルジア(ジョージア)の首都トビリシには、50ヶ国から千名の代表団が集合して異様な中国歓迎ムードが演出された。この日、アゼルバイジャンからトルコへ通じる鉄道が、中国支援によって開通したからだ。
トビリシは中国の一帯一路のハブを目指しており、中継地点としての免税運輸地区を造成し、同時に黒海に面したアナクシア港の近代化支援も中国に要請している。
中国は、このグルジア(ジョージア)から910万ドルの医薬品を輸入する覚え書きを交わし、また要請のある10億ドル規模の信用枠をもつ銀行の進出も検討している。
ジョージアは2008年北京五輪開催直前にオセチアとの戦闘を開始し、米国の介入を当てに下が、梯子を外されサーカシビリ政権は瓦解し、爾来、米国とはそれほどうまくいっていない。
▼旧東欧は西側の援助で経済成長を遂げたものの。。。。。
いずれにせよ、旧ソ連を構成した南カフカスの三ヶ国(グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア)は地形的ハンディも手伝って経済的停滞ぶりは目を蔽うばかりであり、海外への出稼ぎ労働者が多い。
もともとは遊牧民であり、豪族が地域を分け合って勢力圏を形成している。アゼルバイジャンはカスビ海に石油が産出されるため、ベネズエラ同様なバブル経済に浮かれた時期もあったが、原油価格低迷となって、バクーに建設していたトランプタワーも工事中断に追い込まれている。
バクーには拝火教の神殿跡がのこり、この地のイスラム教が、拝火教の強い基盤のうえに経っていることを窺わせる。
もう一つの特質とは、遊牧民特有な杜撰な性格である。人間不信であり、近代的な市場原理主義とは無縁のビジネス習慣がある。
つまり貰うものはすべていただくが、借りたものは返さない。これは中央アジアのイスラム五ヶ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)からアフガニスタンにも共通する。これらすべてが中国のいう「一帯一路」の通り道である。
だから筆者はいうのだ。「OBOR」って、「OBOR」だ、と。
「一帯一路」は英語で言うとOBOR(ONE BELT ONE ROAD)。しかし実態はONE BRIBE ONE REBATE)
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● 歴史を俯瞰すれば、日本の台頭までは、西側は世界を植民地化して、虐殺と
収奪が普通だったのです。戦後殆どの国が日本の戦いのお陰で独立した
といっても。収奪の構図は今も似ています。
● 利益がない処には投資はしないのは、はっきりしています。それが資本主義です。
西欧の資本は金融資産の拡大のみに忙しく、その国を成長させるインフラへの
投資は興味がないようです。そこに中共・独裁国家とは言え、
● 投資してくれるというのです。喜ぶのは当然でしょう。また村上節氏の東西文明
1600年㌟を知らずして、現実や歴史を語るのは、無謀と云うものです。
2000年前後を境に文明は西から東へと移ってゆくのです。
● どう騒いでも、パワーが東に移っていることは、歴史を少しかじればだれでも
理解できるのです。嫉妬では、その移行を防ぐことは出来ません。
中共が強大化するとの前提で、全ての対策を建てる必要があります。
● 悔しかったら、資本主義が育てた・中共と競争してはどうですか?
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)11月29日(水曜日)参
通巻第5529号
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トビリシ(グルジアの首都)で「一帯一路」会議開催に50ヶ国代表
アゼルバイジャンからトルコへの鉄道が開通。その中継地がグルジア
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2017年11月27日、ハンガリーの首都ブタペストで「東欧+中国」サミットが開催され、旧東欧諸国16ヶ国が一同に会し、中国の「一帯一路」プロジェクトへの熱意を伝えた。
中国からは李克強首相が参加し、およそ4000億円の支援をおこなうと表明した。
実際にハンガリーに対して中国はすでに20億ユーロを投資しており、ポーランドよりも巨額で、旧東欧における中国進出の旗振り役を演じている。同国のオルバン首相は、シリア難民受け入れを強固に反対してEUとの間に溝ができた。
チェコも中国との取引増大に関心を寄せるほか、バルト三国、スロバキアに加えて旧ユーゴスラビアからはコソボを除く六ヶ国、そしてブルガリア、ルーマニアから代表が集まった。(コソボを中国は外交承認していない)。
それもこれもアテにしたEU諸国からの投資が不十分であり、ロシアへのバランスから欧米はNATO拡大には熱心だったが経済的協力は精彩を欠いた。ならば「東方の龍」の投資をアテにしようかということになる。
EUはEUで、これは「欧州分断を狙う中国の策謀」と捉えて、旧東欧に中国の影響力増大を警戒している。
同日、グルジア(ジョージア)の首都トビリシには、50ヶ国から千名の代表団が集合して異様な中国歓迎ムードが演出された。この日、アゼルバイジャンからトルコへ通じる鉄道が、中国支援によって開通したからだ。
トビリシは中国の一帯一路のハブを目指しており、中継地点としての免税運輸地区を造成し、同時に黒海に面したアナクシア港の近代化支援も中国に要請している。
中国は、このグルジア(ジョージア)から910万ドルの医薬品を輸入する覚え書きを交わし、また要請のある10億ドル規模の信用枠をもつ銀行の進出も検討している。
ジョージアは2008年北京五輪開催直前にオセチアとの戦闘を開始し、米国の介入を当てに下が、梯子を外されサーカシビリ政権は瓦解し、爾来、米国とはそれほどうまくいっていない。
▼旧東欧は西側の援助で経済成長を遂げたものの。。。。。
いずれにせよ、旧ソ連を構成した南カフカスの三ヶ国(グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア)は地形的ハンディも手伝って経済的停滞ぶりは目を蔽うばかりであり、海外への出稼ぎ労働者が多い。
もともとは遊牧民であり、豪族が地域を分け合って勢力圏を形成している。アゼルバイジャンはカスビ海に石油が産出されるため、ベネズエラ同様なバブル経済に浮かれた時期もあったが、原油価格低迷となって、バクーに建設していたトランプタワーも工事中断に追い込まれている。
バクーには拝火教の神殿跡がのこり、この地のイスラム教が、拝火教の強い基盤のうえに経っていることを窺わせる。
もう一つの特質とは、遊牧民特有な杜撰な性格である。人間不信であり、近代的な市場原理主義とは無縁のビジネス習慣がある。
つまり貰うものはすべていただくが、借りたものは返さない。これは中央アジアのイスラム五ヶ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)からアフガニスタンにも共通する。これらすべてが中国のいう「一帯一路」の通り道である。
だから筆者はいうのだ。「OBOR」って、「OBOR」だ、と。
「一帯一路」は英語で言うとOBOR(ONE BELT ONE ROAD)。しかし実態はONE BRIBE ONE REBATE)
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● 歴史を俯瞰すれば、日本の台頭までは、西側は世界を植民地化して、虐殺と
収奪が普通だったのです。戦後殆どの国が日本の戦いのお陰で独立した
といっても。収奪の構図は今も似ています。
● 利益がない処には投資はしないのは、はっきりしています。それが資本主義です。
西欧の資本は金融資産の拡大のみに忙しく、その国を成長させるインフラへの
投資は興味がないようです。そこに中共・独裁国家とは言え、
● 投資してくれるというのです。喜ぶのは当然でしょう。また村上節氏の東西文明
1600年㌟を知らずして、現実や歴史を語るのは、無謀と云うものです。
2000年前後を境に文明は西から東へと移ってゆくのです。
● どう騒いでも、パワーが東に移っていることは、歴史を少しかじればだれでも
理解できるのです。嫉妬では、その移行を防ぐことは出来ません。
中共が強大化するとの前提で、全ての対策を建てる必要があります。
● 悔しかったら、資本主義が育てた・中共と競争してはどうですか?