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擬態資本主義の仮面が剥がれる時//

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★ http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278549/102500013/?n_cid=nbpnbo_mlpum

中国新指導部が発足、漂い始めた文革の空気
企業への締め付けはより厳しく、日本への脱出を急ぐ起業家も
            
        小平 和良  2017年10月26日(木)

 「日本で500万円投資するとしたらどうしたらいいのでしょうか」

 中国でベンチャー企業を経営しているある中国人経営者は今、日本の「経営管理ビザ」を取得しようと躍起になっている。経営管理ビザは外国人が日本国内に置かれた企業を経営するために必要となるもので、500万円以上の投資などが条件となっている。経営管理ビザを手に入れれば、将来的には永住許可の取得も視野に入る。

 この経営者は今すぐ日本に拠点を移すことは考えておらず、中国での事業を止めるつもりもない。「いざという時のため備え」だという。それでも経営管理ビザ取得を急ぐのは、中国の企業経営環境が激変する可能性を実感しているためだ。この夏、きっかけとなる「事件」があった。

 この企業が提供しているサービスが一時、インターネット上で問題となった。企業の製品やサービス、はたまたCMがネット上で炎上することは今や世界中で見られる現象で珍しいものではない。だが、炎上騒ぎを起こしたことで公安当局の取り調べを受けるとなればどうだろうか。

 個人の安全を守るため同社が引き起こした「炎上」の詳しい内容に触れることはできないが、詐欺のような、どの国でも犯罪に該当するような行為はしていない。不注意により、敏感な問題に触れてしまった格好だ。だが公安当局が取り調べる以上、中国の何らかの法律に触れているということになる。結局、この企業は行政処分を受けることになった。

 規模の大きくない同社は事業継続が危ぶまれる事態に陥った。この経営者は、中国では企業の生死は国の考え一つで決まってしまうと改めて分かったという。日本の経営管理ビザ取得を真剣に考え出したのはそれからだ。

中央委員から外れた王岐山氏

 中国共産党は10月25日、第19期中央委員会第1回全体会議(1中全会)を開き、最高指導部となる政治局常務委員の7人を選出した。習近平総書記(64歳)と李克強首相(62歳)が続投。栗戦書・中央弁公庁主任(67歳)、汪洋・副首相(62歳)、王滬寧・中央政策研究室主任(62歳)、趙楽際・中央組織部長(60歳)、韓正・上海市党委員会書記(63歳)が政治局委員から昇格した。

中国の新しい「チャイナセブン」。左から韓正、王滬寧、栗戦書、習近平、李克強、汪洋、趙楽際の各氏(写真:Bloomberg/Getty Images)

 10月18日から10月24日まで開催した中国共産党第19回全国代表大会(党大会)前には、今回の常務委員人事がいくつかの点で注目されていた。1つは反腐敗運動を取り仕切ってきた王岐山氏(69歳)の去就だ。王氏は結局、約200人の中央委員の名簿にも名前がなく、党の中枢メンバーからは外れた形になった。

また習氏の「子飼い」とされる陳敏爾・重慶市党委書記(57歳)が常務委員入りするかも焦点だったが、常務委員を含む25人で構成される政治局委員入りにとどまった。また、胡錦濤・前国家主席や李首相を輩出した共産主義青年団出身の次期エースとされ、同じく常務委員入りの可能性が出ていた胡春華・広東省党委書記(54歳)も常務委員には昇格しなかった。結局、次の指導者候補となり得る50代の常務委員入りはなかったが、習氏の長期政権への布石なのだろうか。

 この先5年の中国を率いる新たな常務委員メンバーは「習氏のチーム」と言った様相だ。特に栗戦書氏と王滬寧氏はこの5年、すぐそばで習氏を支えてきた側近だ。習氏と栗氏は1980年代に河北省の近接する県の書記として知り合って以来の関係だという。また王氏は思想面などのブレーンとして習氏の外遊に同行するなどしてきた。また趙楽際氏は人事を差配する党中央組織部長として反腐敗を後方から支え、習氏に近い人物の昇格などを実現してきた。

漂い始めた文化大革命の空気

 24日に閉幕した党大会では、習氏の名を冠した「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を行動指針として盛り込んだ党規約の改正案が採択され、習氏は毛沢東に並ぶ権威となった。習氏は党大会冒頭の演説で次のように述べている。
「新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しよう」。これが習氏をはじめとする新最高指導部の目標となる。

 具体的には何をしていくのか。特に経済面について見ていきたい。習氏は演説で「供給側構造改革を深化させる」「革新型国家の建設を加速する」などと述べた。「世界レベルの先進的製造業クラスターをいくつか育成」し、「経済体制の改革は(中略)公平で秩序のある競争、企業の優勝劣敗を目指して進まなければならない」と説く。また習氏は「開放は進歩をもたらし、閉鎖は遅れを招く」とも述べた。

 これだけ見れば、中国の市場経済は一段と開放に向かうようにも思えるが、その一方で「全活動に対する党の指導を堅持する」とも述べている。革新や開放はあくまで共産党の指導の範囲内で、ということになる。それどころか、共産党や国による締め付けはますます厳しくなっているように見える。

 冒頭の中国人経営者が経験した「事件」はその一端だろうか。この経営者はまだ若く文化大革命を経験してはいない。だが、知識層だった経営者の父親は農村に下放された経験がある。父親の経験を聞いたこの経営者は、現在の中国に当時と似た雰囲気を嗅ぎ取った。

 習氏の権威がさらに強まるこの先の5年は、中国の企業経営者であっても難しい判断を迫られる局面が増えるかもしれない。「中華民族の復興を追求する」という習氏の所信表明に照らせば、日本企業を含む外資企業にとってはさらに厳しいものとなりかねない。

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● 党の独裁の強化と、経済の解放と云う全く矛盾したものを行うという。資本主義的自由の
  下でのみ経済の本当の飛躍的発展は望めますが、しかし独裁がある程度までは
  経済の発展を遂げるのは、過去にもいくらでも例はあります。

● 例えば、旧ソ連での宇宙開発、ヒットラー時代のドイツ軍の躍進、戦前の天皇独裁の下での
  富国強国の成功。従って、ある程度の成功はあり得るのが、独裁の特徴です。

● しかし欠点は、上記のように弾圧された人もたくさんいるという事です。その人たちにとっては
  生きるか殺されるかの問題ですから、国を捨てるのは躊躇はしないという事です。
  それを手助けするのも、包囲網には大切でしょう。

● 一方、脱出した先の国でも、一部は共産主義の影響が抜けずに、お国に忠誠を誓って
  反日行動にいそしむものがいるのが、厄介です。かれらをどのように排除する
  かも大切な政策でしょう。

● いよいよ化けの皮が最大限にむける時です。日本企業皆さん至急脱出しましょう。
  逃げ遅れたら、技術も金も人材も失うことになります。

● 習近平の独裁の為に頑張った王岐山、最後はソフトな粛清という事でしょうか。
  しかしそれで物語は終わるだろうか? 引退後に誰かに暗殺された”は
  想定内と云えましょう。

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